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「異常」とは…正常でないこと、常識外のこと、と言えばよいのでしょうか。最初の方は「異常」ということについて論じていましたが、あたしにゃよくわかりませんでした。。(はは)まあ最近は異常な事件も多いけど、昔(歴史的な意味で)と比べたら、確かに正常な世界です。科学は発達してるし、教育だって行き届いてる。だからこそ人々は時折起こる異常なことに関心を寄せるのだ、いう意味の文に、ちょっと納得してしまいました。そうだよねえ。。今私が古代ローマ時代とかにタイムスリップさせられたら、きっとトンデモナイ世界だと恐れおののくに違いありません世の中の常識というものは、時代によって変わっていくものでしょうから。。異常には、「量的な異常」と「質的な異常」に区別されると著者は書いてます。量的な異常というのは、平均値からの逸脱という意味の異常。例えば、知能指数が平均値よりも低かったりした場合など。対して質的な異常というのは、文字通り大多数よりも質的に異なっている場合で、例えば「内臓逆位症」とか、色盲、超能力など。そしてこの本の本題でもある人間の精神の異常。精神分裂病とかね。精神分裂病とは…これにはいろいろ症状があって一言でいうのは難しいらしいんですが、まあ強迫的な妄想を抱いてしまう人、みたいなカンジですか。まわりの人が自分の悪口を言っているなど、ありもしないことを勝手に妄想しちゃったりするわけです。(誰にでも少しならあるけど)で、これが最悪の場合、殺人なんかを犯しちゃったりするわけですが。。分裂病って、世界が二重になっちゃってるらしいです。現実と妄想、つまり常識と反常識の世界がごっちゃになって、自分自身がわからなくなるということでしょうか。分裂病が異常として目立ってくるのは、ほとんどの場合、対人的な状況においてのこと。例えば、一人部屋の中でぶつぶつ言っているときでも、その人の世界では、決して一人ではないんですね。「周囲の人から見て館じゃ一人しかいないような場所にすら対人関係が出現していることが、分裂病者をして分裂病者たらしめている」という文がありましたが、それってすごくわかりやすい表現です。さらに分裂病者の家族についての研究があるのですが、その中で「分裂病者の家族成員個人個人の共感能力は非常に悪いのに、分裂病者自身はもっとすぐれた共感能力を持っている」という結果があります。つまり分裂病者は家族の中で一番敏感で優しい人っていうことなんでしようね。それってなんか哀しいですね。。この本は、異常とは何か、ということが主なテーマで、常識とは何だろうなどということを延々と論じたりしていて、ちょっと難しかったですまあ勉強にはなりましたけどね。。(笑)特に症例は具体的で面白かったです。って、面白かったと言っては失礼か。。非常に興味深かったです。ハイ。今後異常な事件が起こらないことを祈りたいですね。。 異常の構造
2007.01.27
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ロシア帝国最後の皇帝ニコライ二世一家は、果たして本当に虐殺されたのか…。それはいまだはっきりしない歴史の謎です。これはそのことを解き明かそうとする本なのですが、なんせ証拠がねえ…。。当時は今みたいに科学捜査やら、DNA鑑定やらが発達していない時代のことですから、現場の物的証拠、証言だけが頼りで、でもそれもいろいろ食い違いがあるし…ってなことで、タイムマシンがない限り解決は難しそうですね。。皇帝が死んだことで有利になる側、ならない側。生きていることで有利になる側、ならない側。政治的なことが複雑に絡んで、いろんな立場の人がいるのですね。それぞれが自分の有利になるよう工作したりするワケですから、ますます事態はこんがらがって…。。うーん、ワタクシの頭の中までこんがらがってしまいます~。。まったくもう。。。まあでも、なんかロマノフ一家って気の毒だわ…。。亡命するのだってチャンスはあったはずなのに、イギリスが見放したせいで出来なくなって。。あげくの果ては行方不明。。。皇帝のニコライ二世も、たまたま皇帝一家に生まれただけで、皇帝になりたいとか思っていたわけではなかったのにね。。皇后のアレキサンドラも気の毒です。ニコライに惚れられて、ドイツから嫁いできたのになあ。。その頃のヨーロッパ王室は、ほとんどが政略結婚による親戚同士。でもこの二人は、珍しく恋愛結婚だったようです。それなのに…。。ああ、やっぱり気の毒…。。。この本の結論によると、皇帝と皇太子アレクセイは、一家が捕らえられていたシベリアのエカチェリンブルグで処刑されましたが、皇后と娘四人はひそかに輸送され、しばらく軟禁された後、行方知れずになったということです。で、軟禁されていたある街で、皇女が脱走を図ったらしいのですが、そこからあとははっきりしません。脱走した皇女というのがアナスタシアで、のち世間を騒がせたあのアナスタシアと名乗る女性ではないかと言われています。でも真相は闇の中。すべては謎なのです…。。あまりにも悲惨な皇帝一家の末路。ホント気の毒というしかありません。。このころ日本は明治時代。こんなことがあってから、まだ百年もたってないんですよね。ま、いつか真相がわかればいいのですが。。なんか惹かれてしまう歴史ミステリーですね。楽天ブックスロマノフ家の最期を見る
2007.01.20
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