NPOフローレンスと、マーケッターと。

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☆trinity☆

☆trinity☆

2005.08.25
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カテゴリ: 極私的☆地殻変動
前回の日記を書いてからしばらくの間、

某プレゼン作業に忙殺されていた。
まさに、忙殺。。。

こういう働き方をしてしまうと、
しばらくはほんとまったく何もしたくなくなるのだけど、
今回少し違ったのは、
仕事と育児の両立ってホント絶望的だよね、、、
という気分になってしまったこと。


今回、それとまったく同じことを体験して、
両立事情は全然変わっていないどころか、
快方に向けて、1ミリも動いていないと感じた。
何より致命的だったのは、
具体的解決策がまったく分からない、と思ったこと。
大きなビジョンではなくて、ミクロに具体的企業を特定して、
その様々な現場の事情の中でどうすればいいか、という、
非常に具体的なソリューションが、まったく分からなくなった。



一緒にプロジェクトを進めた方は4歳児の母で、
まさにプレゼン準備の一番忙しいときに、

ご主人は海外赴任中で、協力を得るのは無理な話。
仕事は仕事で一番大事な企画段階なので、
もちろん、休むわけにはいかない。

ここで「もちろん」なのは、おかしいのだけど、
リアルな現場の事情の中では、「もちろん」なんです。

彼女しかいないんだから。
それで、サポートとして、わたしが呼ばれている訳だが、
役割が違うから、わたしひとりで肩代わりすることは出来ない。
今回はそういうチーム構成ではなかったから。
じゃ、彼女が休めるチーム構成をって言ってもね、そら無理な話。
それが出来るなら、最初からわたし呼ばれてないですもん。

これって、彼女を責めるわけにはいかんですよ。
そうまでして仕事?とか、まったく、そういう次元の話でもない。
逆に、仕事を辞めればいいってもんじゃない。
辞めちゃえば、どんだけラクか。
むしろ、そういう選択を迫ってしまうこと自体が、
めっちゃくちゃおかしいわけで、ほんとどうかしてる。
ここで辞める、という選択は、
一時的&個人的にはラクになるかもしれないけど、
長期的&構造的には、ますますネガなスパイラルを加速することになるわけで、
どうかと思うんだ。

じゃあ、どうすればいい・・・???

リアルな現場に身を投じながら、
あちらの事情、こちらの事情、現場の実態と、母の声、、、
さまざまなステイクホルダーのリアルと、
目の前に広がるプロジェクト推進上のリアルを前にして、
ほんと、わたしは絶望的だと思った。

いや、ビック・ビジョンは描けるんです。
日本全体を見渡して、なんのために、どうなるべきなのか。
働き方のドラスティックな見直しや、
妊娠・出産・仕事の両立にまつわる情報の質アップ、
そして何より、リスクテイカーの育成が必要なのは疑う余地がないし、
ましてや、現状に甘んじるなんて、もっての他だと思っている。

でも、超ミクロな視点に立って、
前述の彼女の問題を具体的に解決するにはどうすればいいの?って話。
現場のリアリティを前に、
一体どうしたらビックビジョンまで辿り着けるのか、、、
その距離が急激に遠くなった気がして、
目の前の梯子が、ガタンと音を立てて倒れていった。



この落ち込みは思いのほか激しかったらしく、
しばらく心身ともに停止していたのでした。

そういうときは、
存分に停止しておくタイプの人間で、
無理やりアクセルを踏んだりできず、
ヒントやらエネルギーやらが沸いてくるまで、
放置しておったのですが、、、

そんな中、毎日新聞の少子化アンケートで、
みんなが求めているのは「仕事と育児の距離を縮めること」なんだということを知り、
やっぱそうなんじゃん!と思えて、ちょっと元気になった。

そして、今日、4つ葉プロジェクトの勉強会で、
海外の子育て支援策の勉強会で完全復活!いたしました!

少子化対策ではなく家族支援である、というコンセプト※や、
   ※成果指標は出生率アップではないし、
    そもそもそんなのは個人の自由な選択であり、
    こどもの人権の問題であり、
    総体としてのワークライフバランスの問題
施策・制度の社会的背景である、
働き方(長時間労働/人的資源の需給バランスの崩れ)、
性別役割意識、
ライフスタイル選択の自由度、
若者の自立の遅れ、
といった視点を包含してご紹介くださたのは、
まさに、わたしの絶望を棚卸ししていただいた気分だった。

それに加えて、
世界中のケーススタディを、
ふんだんな客観データとともにご紹介頂いたことで、
絶望の淵に、希望の萌芽を見ましたよ、確実に。
わたし的には、
国視点と企業視点の両方でご紹介いただいたのが、ありがたかった。
特に、企業視点で、
ワーク・ライフ・バランスの実践と、
優秀な人材確保&従業員の質の向上&生産性アップを結びつけた
客観的なデータを得たのは初めてのことで、めちゃくちゃ興奮した。

わたしが言うのもおこがましい話なんですけど、
渥美さんのお仕事は、実に素晴らしいと思う。
これだけの客観データがあれば、
いろんな立場のステイクホルダーたちを、
それぞれに説得するシナリオが何本も書けるじゃん!と、笑
全身に勇気が沸いてくるのを感じました。
いまのわたしに最良の処方箋。
(説得のシナリオづくりで超ワクワクしてるわたしは、
 やっぱ企画屋なんだと思う。笑)

こんなに良質で膨大な最新の世界事情は、
きっと日本中でここでしか聞けなかったと思う。
渥美さんの最高品質のフィールドワークに、感謝とリスペクトを捧げます!
フローレンスのみんなにも、聞かせてあげたかった!
そうだ!渥美さんに講演をお願いしようっ!爆



一度は絶望したけれど、
その脇にはちゃんと希望の萌芽がある。
つか、絶望の脇にしか希望はないんだ(by村上龍)。
絶望してからこのお話を聞いて、よかったと思います。







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Last updated  2005.08.26 17:41:41
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