2007.12.15
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カテゴリ: 映画



赤いカツラが際立つ天然色です。

「ええじゃないか」踊りではじまって、赤報隊が現れて。中学のとき習ったかなぁ、とボンヤリ眺めてただけだったのですが、面白くていい映画でした。
 赤報隊って、歴史授業でも、印象が薄く、現れたと思ったら、次出た時には、もう駆逐されてたという、由井正雪のように儚いイメージ。何をした集団なのかも、はっきりと覚えておりませんでした。それを取り上げるなんて珍しい。
三船さんが出ているけど、あまり題名もきいたことないし、特に話題にのぼった訳でもないのかな。 しかし、まずこの時代の映画自体が、出演者は豪華で達者な人が多いし、殺陣も上手いし、腕のたつ職人スタッフが集まり、資金も十分にかけられていて、もうそれだけで、とてもミがつまっていてゼイタクに感じます。

 赤報隊は、適当にいうと、「年貢半減」などをうたい、貧しい農民に支持されつつ、新政府の財政難によって「ニセ官軍」の汚名を着せられ処刑された、集団らしいのでした。
主役の青年権三は、隊士といえど、貧しい農家出身で、庶民目線で描かれてるところが、いいです。
悪役は、憎めないのと、やや憎めるのとそして、最終的に一番憎めるのが出てくるところが、上手い。ラストの権三のセリフが生きてきます。

 ごく少数派に過ぎない、しかも殺人や米強奪犯の為政者ばかり取り上げたタイプの時代物は苦手で。上の世界ばかり取り上げても、みえることは少なく感じられ。

しかし、過半数をしめた貧しい農民目線でいくと、ずーーーっとヤな時代が続くのですよね。

 三船さん初めて見ましたが、確かに"スター"。華やかで渋く、大きな存在感。
若いときの岩下志摩さん、まだ後年のような貫禄や美はないけど、ラストシーン辺り、既に極妻っぽい迫力。岩下さん以外の方は、ほとんど亡くなっているでしょうか。
ヤヌスの仮面の父親役、浅見光彦の兄役等が印象に残っている高橋悦史さん、時代劇やっておられたんですね。江戸からきた浪人役、かっこいい。
望月優子さん、「晩菊」という映画、リアルな母親の演技に、主演してた杉村春子さん以上に感動したのですが、この映画でも、逞しく一見がさつだけど、誰より息子思いのお母さんを演じてて泣けて、やはりすごい人だったに違いない、などと思いました。

 赤報隊は史実では、全く正義の集団だったという訳でもないらしく、話は単純かもしれず、高評価をつけるべき映画なのかは分かりませんが、こんな風に、庶民目線で、でもコミカルで暗くせず、それでいてやはりシリアスで泣けて、そして見所もたくさん用意して映画的に面白くしてある、なんてことされたら、いつの間にか食い入るように至近距離で(近眼なのに裸眼だったというのもあり)、画面をみつめているのでした。たびたび登場する、夫婦愛とか親子愛とかも、カッコよくて。

 とりあえず面白かった。見られてよかったです。







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最終更新日  2008.06.17 22:33:55


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