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2024年02月20日
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テーマ: ブログ20年!(91)
カテゴリ: 情報的生活行為



みたいに受け止めていたけれど
英語圏の国々で、ジャパニフィケイション、という言葉まで出来ているとは知らなかった。

今朝の朝日新聞の水野先生の記事、紹介引用します。↓


日本の国内総生産(GDP)が昨年ドイツに抜かれ、4位に転落した。5位インドに抜かれるのも時間の問題だ。経済低迷・超少子高齢化という難題を抱えた日本の「失われた30年」を、欧米は「Japanification(日本化)」と呼び、避けるべき事態だとしてきた。しかし、経済学者の水野和夫さんは、それこそ歴史の必然であり、むしろ望ましい状態だという。どういうことか。

みずの・かずお 1953年生まれ。法政大法学部教授。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミスト、内閣官房内閣審議官(国家戦略室)などを歴任。著書に「資本主義の終焉と歴史の危機」「次なる100年」など。

人口3分の2の国に抜かれた意味とは
 今回の順位転落を、2010年に中国に抜かれた時以上の衝撃で受け止める人もいるようです。日本のGDPの水準低下は、短期的には円安の影響。「異次元緩和」で日本を安売りしてきたツケですが、もっと根深い原因があります。

 ドイツの人口は、日本の約3分の2なので、国民1人当たり1・5倍の経済格差がついたことになる。しかも、ドイツ人の平均年間労働時間は日本人より2割ほど短い。要は日本の労働生産性が低いということですが、それは、付加価値に結びつかない仕事が多すぎるからです。必要性が不明な会議の資料作りとか。それでいて「人手が足りない、足りない」と言い続けている。だったら無駄な仕事を削ればいいのに。そこの労働時間を短縮しただけでは、GDPは変わりませんが。



ここから続き
 ただ、1人当たりGDPが5万~10万ドル程度と高いのは、スイスやシンガポール、北欧諸国など、少人口で得意分野に産業集約した国ばかり。日本のように1億人以上の国は特化は難しく、段々畑にまで労働者が従事している以上は生産性はどうしても下がります。例えば愛知県が自動車産業に特化して独立したり、首都圏を金融特区にしたりすれば、そのエリアの1人当たりGDPは跳ね上がるでしょうが、そんなことをしても意味はありません。

 私はGDP幻想、つまり成長幻想から、もう脱すべきだと思っています。

成長はあらゆるケガを治す?
 資本主義は利潤の極大化を目指します。利潤追求は再投資のためであり、再投資は、より生産し、より売るため。この運動は際限がない、ゴールのないゲームなのです。

 それでも資本主義が肯定されるのは、国民生活を豊かにすると思われたから。倫理学者でもあった「経済学の父」アダム・スミスの著書名が、「国富論」だったのは示唆的です。フランスの歴史家ブローデルは、「成長があらゆるケガを治す」と言いました。成長すれば税収も社会保険料も増え、社会保障も機能する。人手不足になれば賃上げが起こり、生活水準も上がる、と。

 でも、そんな時代は80年代で終わりました。成長はあくまでも手段のはずなのに、資本の暴走は止まらず、再分配の仕組みは故障し、今や世界の上位1%の富裕層が全体の個人資産の4割を握っている。いわゆる「絶望死」が増え、民主主義も後退し、環境破壊が進み……と、先進国も途上国も矛盾だらけです。米ウォール街で普及した、10億分の1秒で株を売買する高速高頻度取引など、国民の幸せとまったく関係がない。資本主義は、原理的に格差を生み出し拡大させるのです。

 もはや、この「ゲーム」から降りるべきです。といっても、計画経済や社会主義に転換しろということではない。私が考えているのは、私企業や市場や自由貿易は維持するが、利潤の最大化を目指さなくてもよいのでは、という世界です。

 アベノミクスで、経済産業省の研究会は、平均5%ほどだった日本企業のROE(自己資本利益率)を8%以上にする目標を事実上掲げました。欧米企業のROEの水準は15~20%。でも、そんなに必要なのか。

 かのケインズも、資本の利潤率は土地の利回りより低くてよい、と言っていました。例えば最近のREIT(不動産投資信託)の利回りは4%強。低すぎると言われてきた日本企業のROEで十分なのです。日本企業はすでに内部留保が潤沢なので、更なる資本調達をする必要もない。株式上場をやめてもよいのです。

「経済」の本来の目的に立ち返れ


 日本は急激に人口が増加して成長を遂げ、そして急速に老いましたが、他の先進国は今は移民によって生産年齢人口をなんとか維持し、限界生産力を無理やり上げているだけです。

 でも、自動車のアクセルとブレーキを絶対に踏み間違えないための技術革新ならともかく、旧デザインとの差異を演出するためだけのモデルチェンジに、どこまで意味があるのか。衣類の大量廃棄も著しい資源の無駄遣いだし、消費者も、毎年のようにモデルチェンジされるスマホの性能に、もはやほとんど違いがないことに気付いている。成長の限界は明らかです。

 「より成長を」というのは合理的思考ではなく、ほとんど宗教。経済大国であれば国民が豊かで幸福だ、というのは幻想です。

 経済の目的は本来、明日のことを心配しなくてもよい社会をつくること。それには働く人の権利を守り、社会保障を充実させることが必要です。育児休業の取得促進も「年収の壁」撤廃も女性活躍も本来、GDPを上げるためではなく、働きやすい環境づくりが目的でなければならない。それは成長至上主義からは決して生まれてこない。政治と国民の力で実現するしかないのです。(聞き手・石川智也)

     ◇



引用以上。





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最終更新日  2024年02月20日 06時35分49秒
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