ちょっといい女

ちょっといい女

2006年01月05日
XML
カテゴリ: つれづれ
   【雪の精】      Yukie著



野原が、お日様に話しかけました。

『近頃あんまり元気ないなぁ。』

『あら、私だって、年がら年中、笑っているわけじゃないのよ。』

サバサバと、お日様が答えました。

『そりゃあ、わかっているけど・・・。』



野原は寂しがり屋です。

お日様が元気ないと、自分まで元気のなくなるくらい・・・。

秋


冬がやってきて、雪が野山を真っ白に染めました。



野原も、久し振りの笑顔です。

雪の精が、野原に言いました。

『良かった。笑ってくれて・・・』

『え?』

『ちょっぴり心配だったの。』

野原は、冷たいと思っていた雪の精は、

本当は、すごく優しいんだって思いました。

雪だるま


そこへ山が、ぶっきらぼうに言いました。

『寒くて仕方ないよ。』

降り積もった雪が、お日様の光を浴びて、



『だけど、カッコイイや。』

今度は、野原が、山に言いました。



やがて、山は、スキー客で賑わうようになりました。

喜ぶ人々の姿を見て、山は、まんざらでも、ありませんでした。

『寒くてゴメン。でも、輝くあなたは、誰が見てもステキ。』



冬


こうして、野原と山と雪の精は、とても仲良くなりました。

時々、お日様も、3人の仲間に入ります。



でも、雪の精は、わかっていました。

いつまでも、こうしては、いられないと・・・。

雪の精は、野原も山も好きでした。

でも、でもね・・・

雪の精は、野原や山やお日様のように、

ずっとは、ここに、いられないのです。



雪の精は、言いました。

『お別れの時が来たの。今まで仲良くしてくれて有難う。』

野原も山も、雪の精の、突然の言葉に驚きました。

『なんでだよ?』



お日様は、雪の精に、また来る方法を教えてくれました。

雪の精は、その方法を、雪の上に忘れないように文字で書いたのに、

除雪車が、知らずに、その文字を消してしまいました。



ある日、雪の精は、ひっそりと、その姿を消しました。

跡形もなく・・・。






いつしか、春が、やってきました。

野原にも山にも、暖かな風が吹き始めました。



そして、野原と山にも、新しい友達ができました。

以前と変わらない毎日が繰り返されます。

時々、雪の精のことを思い出すことを除いては・・・


太陽








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年01月05日 13時07分12秒
[つれづれ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: