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南座で、「東海道四谷怪談」を観劇。南座は京都だし、建物も伝統があるからみなさまお好きのようですが、わたしはここは席が狭苦しくて嫌いです。設備も悪いし、上階はとても急な階段でお年寄りは上がるのがつらそうですし、しかもこちらで上演されるときはお値段が高く、ほとんどが一等席になっているので安いお席はほんのすこししかない。発売開始前に団体に販売するせいか、ふつうには良い席は取れない。しかも、東京の歌舞伎座ほど大御所役者さんがでない。だから、今回も躊躇していたのですが、四谷怪談は見たことがなかったから、思い切りました。といっても、一等席はもったいなかったので二等席。2等席は、3階の奥のほう。。。七之助のお岩はよかったです。あとは、千次郎が大熱演でした。応援してます!しかし、幽霊になってからがちっとも怖くなかったのは、どうなんでしょうね?
2019.09.20
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今年は、「仮名手本忠臣蔵」を春夏秋の三回に分けて、通し上演です。わたしが前に通しで見たのは、昼夜だったので、二日に分けて見に行きました。長い物語なので見る方も大変ですが、それまで歌舞伎などで部分的に見たことはあっても、全体の物語がわからなかったので、通しで見たおかげでこの演目がたいへん親しいものになりました。4月は、大序から四段目まで。高師直の嫌味なんかは、あんまり露骨なぶんかえってコミカルな感じも受けるのですが、塩谷判官切腹の場では、しーんと静まり返ってたいへんな緊張感。丁寧に切腹までの作法をするところが痛々しいのです。侍は、子供のころから切腹の詳しいやり方を習って育つのだろうかなどと考えました。ところで、「殿中でござる」ていうけど、どうして最高セキュリティの場所に刀剣持ち込み可なんでしょうね??入口で没収するべきでしょうに。また、そのあとの城明け渡しは、ずっと沈黙。義太夫さんはなにも言いません。ひたすら由良之助のすることを見ていると、由良之助の心情がひしひしと伝わってきます。この場面は本当に素晴らしい。赤穂城に行っておいて良かったです。夏は昼の部、五段目から七段目(一力茶屋の段)です。もっとも有名な場面。観に行けるかなあ。
2019.04.11
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国立文楽劇場にて、初春文楽 夜の部鑑賞。演目は「冥途の飛脚」 「壇浦兜軍記」阿古屋琴責めの段どちらも歌舞伎で良く知ってるもの。特に、阿古屋琴責めの段は、玉三郎しか演じられないところを後輩を指導してトリプルキャストで話題になったばかりで、3月南座でも玉三郎特別公演があります。といっても、わたしはシネマ歌舞伎でしか見ていませんが。ともかく、ぜひとも文楽でも見て見たかったものです。歌舞伎では役者が琴・三味線・胡弓を演奏しますから難しいのですが、文楽では人形遣いと演奏する人の息がぴったりでないと難しい。本日は桐竹勘十郎さんが、すばらしい阿古屋を見せてくれました。胡弓の音色は、テレビなどでしか聞いたことがなく、なんとなくはかないイメージをしていたのですが、実際に演奏を聴くと、思ったよりも大きな音で結構な迫力でした。「冥途の飛脚」は、あまりに浅はかなバカ旦那なので、あんまり同情したくないものでクールに見ていたのですけど、最後の道行はじんときましたね~。歌舞伎だと、結構年配の役者さんが演じることが多いのですが、文楽人形は小顔のイケメンなものだから、こんな浅はかなこともしそうだなあと思ったりしました。
2019.01.22
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大阪松竹座 初春歌舞伎夜の部へ行ってきました。「金門五三桐」は、三代目猿之助(当代の猿翁)が改作したもの、ということかな。スーパー歌舞伎の人だから、なんといってもわかりやすくスピード感あり、サービス精神満載で、お客様のためにあるような演目でした。大道具も凝ってるし、次々と見せ場があるし、派手派手。だけど、そのぶん心理描写などは深みがない感じですかね~ 娯楽大作という感じ。石川五右衛門が、明国の宗蘇卿の息子だそうで。登場人物に、○○実は○○というのが多い。愛之助さん、がんばってましたよ。それを澤瀉屋一門が支えてくれてました。関西ではあんまりなじみのない人が多くて、それがとても新鮮で良かったです。特に良かったと思ったのは、笑也さん、弘太郎さん。若手では、扇雀さんの息子さんの虎之介さん、なかなか有望。それにしてもきょうは、大仏餅屋惣右衛門の橘三郎さんがお休みだったそうで、片岡千次郎さんだったのですって!千次郎さんは、前にずいぶん近くで拝見したのだけど、あらま、気が付かなかった。おじいさんの役をしている割に若そう、とは思ったけど。
2019.01.18
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初春文楽昼の部に行ってきました。劇場の外には門松、舞台の上にはにらみ鯛と亥の文字。この字は、壺阪寺のご住職が書かれたもの。「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」は、切りを語るはずだった咲太夫さんが病気でお休み中だとかで、織太夫さんが大熱演してました。切り場というのは、いわばクライマックスシーン「切り場語り」は太夫の最高峰。いま、咲太夫さんしかいないそうです。まだまだ活躍してもらわないといけない人ですので、はやく快復されますように。
2019.01.09
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今年も、南座の顔見世昼の部に行ってきました。「菅原伝授手習鑑」芝翫さんの松王丸、良かったですね。この演目は何度も見ていますが、この頃ようやく芝居の細部もわかるようになったのもあり、松王丸の気持ちに涙。「鳥辺山心中」梅玉さんは、キレて朋輩と斬り合うような短気な人に見えない。孝太郎さんも、遊女のお役は似合わないように思います。どちらかというとお武家の妻女とかのほうが。芝翫さんってテレビでも良く見るけど、こんなに太ってたかしら?と思うくらい、ほかのひとより一回り大きかった。「じいさんばあさん」仁左衛門さん時蔵さん、さすがです!そして、孝太郎さんは武士の妻役がやっぱり似合う。しかし、ものすごくお年寄りのようだけど、私たち夫婦とあんまり年が変わらないのではないだろうか。。。あんなによぼよぼって。「新ノ口村」86歳という藤十郎さんが若い忠兵衛を演じるのはいくらなんでも無理では?梅川に介護されてるようにしか見えなかったです。今回は、夜の部の方が華やかで面白そうでしたね。仁左衛門さんのいがみの権太は大評判になってるし、ちょっと残念。でも、毎年顔見世に行く頃はとっても寒いのに、今年は驚くほど暖かかったです。夜は息子夫婦や娘夫婦が集まって河原町の「田ごと」で食事をしたのですが、ゆったりできて良かったです。
2018.12.24
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11月文楽公演、夜の部に行ってきました。演目は、鶊山姫捨松 (ひばりやまひめすてのまつ)女殺油地獄 (おんなころしあぶらのじごく)「女殺~」が見たかったのです。以前池澤夏樹編集の日本文学全集で、この現代語訳(桜庭一樹 訳)も読みました。読み物としてたいへん面白く、まったく古さを感じさせない殺人事件でした。それで、そののち歌舞伎DVDで仁左衛門さんの演じるものを買ったし、舞台では幸四郎さんの演技を見ています。もともとは文楽作品なので、文楽ではどうなのか?とずっと見たいと思っていました。そして、これほど面白い作品はないなあと思いました。現代的で、まったく飽きさせない演出。油がこぼれた床で滑りこけながら女に斬りつけるシーンは、少し滑稽でもありながら凄絶で恐ろしい。出来の良い兄と妹に挟まれた放蕩息子。父親が継父なためワガママを許しているうちに、ひねくれてどんどん悪くなっていくバカ息子が最後には強盗殺人。それも、相手はいつも自分を気にかけてくれていた近所の若奥さん。両親が自分を思ってくれる姿を覗き見して感激→借金を今日のうちに返さなくては親に迷惑がかかる→しかしそれをいまさら親にも兄弟にも言えない→親切なおかみさんにこれからは真人間になるからと借金を頼む→断られたから強盗殺人!!という普通考えられない思考の過程が面白いのです。ただ、歌舞伎でも文楽でも、殺人のあとの段を上演しないのが残念です。この男は、懲りずに相変わらず放蕩しているうえに、自分が犯人だと思われたくなくて、殺した相手の法要に顔をだし悔やみの言葉を言う。結局悪事は露見して処刑されるのですが、このあたりもとても現代の事件に通じるものがあるので、ぜひ上演してほしいものです。
2018.11.16
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京都南座が耐震工事をへてリニューアル。総勢70名もの歌舞伎役者によるお練りがあるというので見物に行ってきました。開始は14時半とのことですが、13時前に到着。しかし、もうすでに大勢の人が集まっていました。四条通はふだんでも人が多いのに歩道が狭いのです。良く晴れて日差しがきついので暑かった!1時間半立ちっぱなしで待ち、ようやく始まりました。先頭は、京都市長さん(誰も写真を撮る人なし!)そのあとは、かわいい舞妓さん。かわいいですね~歩く人は全員男性なわけですから、舞妓さんがいないと黒だらけ。役者さんの先頭に見えたのは、又五郎さん・時蔵さん・雀右衛門さん勘九郎さん七之助さんに、勘九郎さんのお子さんたち中車さんや松也さん、右團次さん、歌昇さんなどなど写真にはあまりうまく映りませんでしたが、海老蔵さんや愛之助さん、獅童さんなどなどこんな大勢の役者さんたちを一度に見られる機会はまずない。でもあまりの混雑で、前を通り過ぎるともう見えなくなりました。なんだかあっという間。。。もうちょっとゆっくり、もっと広がって歩いてほしかったなあ。これだけ大勢を見ると、屋号当てクイズを考えてしまう。又五郎さんは播磨屋時蔵さんは萬屋雀右衛門さんは京屋勘九郎さんは中村屋中車さんは澤瀉屋海老蔵さんは成田屋愛之助さんは松嶋屋幸四郎さんは高麗屋ええと・・・わからない人もたくさん。まだまだ勉強不足。
2018.10.28
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☆「おおっ、こりゃやべえ!」 キテレツなものを見る喜び――。歌舞伎という古くて新しいエンターテインメントを心底たのしむには、入門書でのお勉強だけじゃ足りません。意味より「かたち」、大噓にこそ宿るリアル――「演劇鑑賞」ならぬ「芝居見物」の勘どころさえおさえれば、時代をこえた気持ちよさが味わえる! 江戸から遠く離れた現代人のための、目からウロコの歌舞伎の見方。 ☆初心者むけ入門書では物足りない人に書かれた本。題名から想像するような面白おかしい内容ではなく、きちんとした歌舞伎解説書で非常に勉強になりました。特に「京鹿子娘道成寺」は、以前録画していたNHKの番組を見ながら読むことができ、たいへん勉強になりました。カラフルでお値段の高い歌舞伎入門書よりもよほどためになります。
2018.08.12
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七月大歌舞伎、本日初日。ひさしぶりの松竹座です。今回初めて初日夜の部のチケットを買ったのですが、わくわくします。初日というのはやはり特別で、出演者もスタッフも客席も独特の緊張感がある。まず最初の演目、「御浜御殿綱豊卿」忠臣蔵の別バージョン?スピンオフ?というのかな徳川綱豊の仁左衛門、赤穂浪士の助右衛門の中車(香川照之)のほぼ二人の芝居。時代劇といっていいような芝居で、丁々発止の受け答えが素晴らしい!さすが中車です。口上口上も、初日ということでなんとなく緊張感があり、なめらかに口が回らない人もあり、面白いです。これが中日くらい先になると、ジョークもうまくなって噛む人などいなくなってしまいますからね。最後が「女殺油地獄」これは幸四郎の演目なんですが、仁左衛門じきじきに指導したというけれど、DVDで見た仁左衛門にはまだまだ及ばず。だいたいコテコテ大阪の作品なので、都会的な幸四郎には向かないのではないかなあ?河内屋与兵衛というバカ息子も少々上品で、コミカルな面のほうが多く出てしまい、前半がつまらない。後半の殺しの場面はすさまじかったですが。わたしのもつイメージかもしれないけど、もっとヤンキーっぽさが欲しいかも。今回のような豪華なキャストの歌舞伎は大阪ではめったになく、そうでなくても最近アニメだか歌舞伎だかわからないような作品が多かったので、久しぶりに立派な歌舞伎を拝見した思いです。(そのぶん高かったけど!)東京はいつでも見られていいなあ~とまた思いました。
2018.07.04
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☆草創期から現在までの歌舞伎について、日本人(観客)との関係、他芸能との関係、辿ってきた道のりなどを描く。時代の変化や時の政権に翻弄されつつも生き延びてきた歌舞伎が、私たちにとってどのような存在なのかがわかる。(主要目次)はじめに江戸時代以前 混沌とした時代の中で江戸時代 徳川二百六十年と共に生きた歌舞伎 明治時代 新しい時代の波を受けて大正時代 大正モダニズムと歌舞伎 昭和時代 第二次世界大戦を挟んで 戦前編 昭和時代 第二次世界大戦を挟んで 戦後編 平成時代 これからの歌舞伎のありようとは あとがき 「歌舞伎」はどこへ行くのか ☆歌舞伎の歴史と現在・未来について、書かれた本です。古典を継承していくだけではなく、この先歌舞伎はどんどん変わっていくのでしょうか?新作歌舞伎が最近多くなっていますが、まだ見たことのない古典がたくさんあります。わたしはそっちをもっと見たい!
2018.03.15
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文楽界ではおおいに期待されている中堅・豊竹咲甫太夫さんがこのたび竹本織太夫を襲名することになりまして、その襲名興行を見に行きました。この方はまだお若くて、前から「にほんごであそぼ」などのテレビに出ていたので、結構知る人ぞ知る有名な方なのです。とにかくよく通る声がよい。(わたしはだみ声の人はニガテなのです。)大きな声で明瞭な発音、これが好き。きっと歌を歌っても上手いだろうと思われます。本日の演目1花競四季寿(万歳・鷺娘)2平家女護島3摂州合邦辻1万歳はおめでたい演目でよく観ますね。鷺娘、いまちょうど大阪松竹座では鷺娘の舞踊をやっているので、そのせいかな?玉さまの映像でしか見たことないですが、こればっかりは歌舞伎の方が華やかな気がします。2平家女護島 有名な「俊寛」の物語。つい最近、テレビで中村芝翫さんが演じていたのを見たので、歌舞伎との違いが面白かった。丹波少将成経が鬼界が島の海女千鳥と結ばれるプロセスを語るのですが、義太夫の語っている言葉が魚介尽くしなんですが、結構エロです。(聴きどころ、かな)このはなし、俊寛が自分を犠牲にして千鳥を船にのせてやるのだけど、都に帰った少将は、ぜったいまわりに押されて賤の女なんか軽んじて不幸にするんだろうなと思いますがどうでしょうね?島の女は都に行ったところで不幸になると思うんだけど。まあそれはそれとしても、ラストシーンは感激しました!3摂州合邦辻襲名興行。若い後妻の玉手御前が継子のイケメン俊徳丸に懸想して(とみせかけて)命を救う、という物語でなかなか色っぽいはなし。本当はお家安泰のためだった、というのだけど、嫉妬にくるって俊徳丸の恋人浅香姫と喧嘩するシーンなどは本気としか思えません!(半分本気だよね?)女の嫉妬とか横恋慕とかばかり目立ちますが、俊徳丸って単なる弱弱しいイケメンです。上方の作品には、まるで役に立たない優柔不断イケメンがよく出てきますが、これもそうなんですかね。女たちのほうがよっぽど魅力的でした。そして織太夫さんの大熱演でした。きょうはテレビカメラが入っていて、もしかしたら放送されたりするのかな、と期待しています。織太夫さん、すばらしいです。これからも頑張ってください。
2018.01.12
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附けの会のワークショップに初めて参加しました。附け打ちの山崎徹さん・役者の片岡千次郎さん、どちらも昨日顔見世で拝見しています。お話も、顔見世の演目についてが多かったので、とても面白かったです。千次郎さんが「壽曽我対面」や「車引き」などから、演じて見せてくださいました。目の前で役者さんの演技を見るのは、たいへんな迫力でした。わたしたちも、少し動きを教えてもらったのですが、歌舞伎のちょっとした動きをまねてみただけでも、ものすごくからだを使うのがわかる。やっぱり役者さんってすごい!!附け打ちの山崎さん。
2017.12.17
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今年は、南座改修工事中のため京都ロームシアターで。去年まで行ったことなかったのに、今年はなぜかロームシアターには合唱やオペラや、なんやかんやで5回くらい行ってます。だから花道が短すぎるなど歌舞伎には向かない劇場であるけれども、結構良かった気がする。ただ、ちょっと時間的余裕がなくて、顔見世らしい飾り物を見て回るヒマがありませんでした。まあ、来年はまた南座になるらしいので、こういう年があるのもおもしろいです。昼の部だったので、見たことのある演目ばかりだったのですが、だからか?余裕もって楽しめた気がします。
2017.12.16
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娘がチケットを取ってくれたので、日帰りで、東京国立劇場へ歌舞伎を見に行きました。生協のチケット申し込みで席を選べないのですが、ずいぶん前の良い席になっていました。それだけでも喜んでいたら、なんと場内アナウンスで、「本日天皇皇后両陛下がご観劇されます」というではないですか!わわわ~!と娘とふたりビックリしていたのですが、東京の方は慣れたもの。それほど騒いでないのです。劇場は皇居の近くですし、都心にお住まいの方はよくお見かけするのかしらね。チケットが売り切れるほど人気なのに、二階の真正面がずいぶん空席があって変だなと思っていたのですが、なるほどあけてあったのでした。お芝居が始まって半分くらいたってからでしょうか、幕間におふたりがご入場。客席に手を振ってくださり、みんな立ち上がって拍手したり手を振ったり。いやあ、きょうはなんてラッキーだったこと。仁左衛門さんのお芝居はもちろんすごく良かったし、わたしたち母娘にはずっと忘れられない思い出になりますね。
2017.10.25
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七月大歌舞伎夜の部へ行ってきました。演目は「舌出三番叟」「盟三五大切」毎年七月は松竹座で歌舞伎があるのですけど、どういうわけか七月はあんまり行ってないような気がします。それも仁左衛門さんが良い役をする目玉みたいなのを見逃してることが多いので、今年はどうしても見ておきたいと思って、夜の部にしました。今日は二階席だったので、花道から遠くて残念。しかし遠くから見ると、仁左衛門さんは本当に細~い。。細すぎる。10キロくらいお肉を分けてあげたい!「舌出三番叟」は鴈治郎・壱太郎親子共演。とてもきれいな舞踊でした。壱太郎くんも、若くてかわいい~と思って前からずっと注目していたのですが、最近はずいぶん大人っぽく風格も出てきました。若い子はどんどん変わっていきますね。「盟三五大切」忠臣蔵のスピンオフ作品というのか。。凄惨な殺人事件です。いったい源五兵衛何人殺したのだったか。10人くらい?数えておけばよかった。最後に三五が切腹するのだけれど、樽や親不孝者が「義経千本桜 すし屋」のいがみの権太に似てる。仁左衛門さんの凄味ある美しさ!時蔵さんよかった~生首も!松也くんが良い役をもらうようになり、努力してきた成果が花開きつつあるなあと思ったり。。若い人の成長を見るのが歌舞伎の愉しみでもあるのです。残念なことに大阪は歌舞伎の公演が少ない。秋にもあればいいのですが。やっぱりカッコいいな!
2017.07.12
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夜の部の演目新版歌祭文 野崎村怪談乳房榎夜の部は中村屋兄弟が大活躍なんですが、どうしても亡くなった18代目お父さんを思い浮かべて比較してしまいます。特に、「野崎村」は学生時代に見てとても感動した演目。亡くなった18代目勘三郎がまだ勘九郎だったころで、調べてみたら昭和54年の国立劇場、17代目勘三郎(久作役)との親子共演でした。当時まだ24歳くらいだったはず。のちにテレビのインタビュー番組で、「おとうさんが無茶苦茶厳しかった」というような話を聞いたので、だからこそ素晴らしかったのかもしれません。ちなみにお染は玉三郎。それで、今回の野崎村は楽しみにしていて、わざわざ野崎観音にお参りにいったくらいだったのですが。昔の感動はなかった~残念。というのも、七之助はすらっとしていて美しく、特に髪を下してからは百姓の娘というより武家か公家の娘のように品がありすぎ。しかも色っぽいので、ちょっと違うと思いました。むかし見たお父さんは純真な村の娘らしくて、ラストはとても可哀そうで涙を誘ったのでした。また「怪談乳房榎」は、お父さんが大ヒットさせた作品で、早変わり(一人3役)あり、本水あり(舞台に滝ができます!)、客席を走ったりと滅茶苦茶体力が必要な演目なのですが、これまたお父さんの舞台を見たことないのについ重ねてしまうのです(勘九郎は声がお父さんそっくりだから)。でも勘九郎はお父さんよりもずっと姿が良いので、お父さんの役そのままは本当は合わないのではないだろうか。いわゆる「ニン」というやつ。一生懸命お父さんのやってきたことを受け継ごうとしているのはわかるけど、かえって損してないのかなあと思ったりする。きょうは2等席ですが、通路の前だったので、目の前を勘九郎が駆け抜けていきました。花道は七三あたりまで来てくれないと見えなかったけれど、結構見やすくて良かった。1階席と違って大騒ぎの現場から離れているためか、やけに冷静に見てしまった感じ。
2017.05.25
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五月花形歌舞伎の昼の部を見てきました。演目は戻駕色相肩(もどりかごいろあいかた)金幣猿島群(きんのざいさるしまだいり)最初の「戻駕~」は粗筋はあるものの舞踊です。駕籠かきの二人と、駕籠に乗っていた禿(廓で傾城に仕えている子娘)が江戸吉原・大坂新町・京都島原の廓のようすを語る華やかな踊り、でも実はこの駕籠かき二人は真柴久吉と石川五右衛門、というはなし。駕籠かきは勘九郎と歌昇、禿は児太郎。「金幣~」は道成寺の安珍清姫に、源頼光と七綾姫(平将門の妹)という二人を絡ませてみましたという鶴屋南北作の面白い話で、埋もれていた演目を武智鉄二先代の猿之助が復興してうんと面白くしたもの。だから、ストーリー・スピード・スペクタクルという3要素が詰まっています。当代猿之助がまた天才なものだから、ますます面白い!!ホントにいいな、猿之助。今回の席が2階席で、最初同じ値段なのに1階でなくて残念と思っていたのですが、思ったより良くて見やすく、特に宙乗りは1階で見るよりももっと高さが実感できて、迫力満点でした。先日宙乗り1000回を達成した猿之助、きょうは1003回目かな。来週は、夜の部に行きます。
2017.05.19
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四月文楽「六代豊竹呂太夫襲名興行」に行ってきました。たくさんのご祝儀袋が飾ってありました。知らない人ばかりでしたけど、ひとりだけ、落語家の桂南光さん!南光さんは呂太夫さんに義太夫を習っているのです。「菅原伝授手習鑑」は、歌舞伎では数回見たことがあるのですが、文楽では初めてです。初演は文楽だったそうなのですが。寺子屋を開く源蔵は、主君菅原道真の息子を救うために教え子を身代りに殺すことにする。「せまじきものは宮仕え」という有名なセリフがでます。また、源蔵がそうするだろうと予想して、松王丸は自分の息子を寺子屋に入れるのです。これまで、子供が親の犠牲になるのがどうも納得いかなくてあまり好きでなかったのですけど。何度か見ているうちに、だんだん好きになってきました。自分で判断できない子供が犠牲になる、それも首を切られるのはすごく嫌な感じ。そう思いつつも・・・とても感動しました。現代になっても上演され続ける作品というのは、さすがに見る価値があるのです。理不尽とは思っても、忠義に縛られたそんな生き方しかできなかったのですね~。先日読んだ桐竹勘十郎さんの本によると、このチラシ写真にある松王丸の人形は非常に重くて、体力がないとやっていけないそうです。いかにも重そうな衣装を着けてますね。文楽の襲名興行や口上初めてで、歌舞伎ほど華やかさがないのがいかにも地元の芸能という感じで、とても面白かったです。呂太夫さんは6代目なのですが、先代は2000年に55歳で亡くなった方で、ハンサムでモデルや俳優の仕事もしたとか。全然知りませんでした。その人を見たかったなあ。きょうはNHKのカメラが入っていたので、たぶん「にっぽんの芸能」か「古典芸能への招待」で放送されると思います。
2017.04.20
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☆『助六由縁江戸桜』の助六-江戸随一の人気者/『平家女護島』の俊寛-鬼界ヶ島の流人/『女殺油地獄』の河内屋与兵衛-人妻殺しの不良青年/『菅原伝授手習鑑』の松王丸-子を犠牲にした無常/『仮名手本忠臣蔵』の由良之助-四十七人の束ね役/『仮名手本忠臣蔵』の勘平-色に耽ったばっかりに/『一谷嫩軍記』の熊谷次郎直実-修羅道を捨てる武士/『勧進帳』の武蔵坊弁慶-誠実を貫く一代の豪傑/『東海道四谷怪談』の伊右衛門-色悪の妖しい魅力/『与話情浮名横櫛』の与三郎-恋に翻弄される若旦那/『青砥稿花紅彩画』の弁天小僧-錦絵仕立ての白浪/『天衣紛上野初花』の河内山と直侍-江戸の夕映え☆有名な歌舞伎の主人公たちについて書かれています。テレビでは見たことがあるけれど、まだ実際に舞台を見たことのないものもあります。もっといろいろな演目が見てみたい!
2017.03.06
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二月花形歌舞伎昼の部に行ってきました。演目は 「義経千本桜」渡海屋 大物浦 舞踊 「三人形」まずは口上。日替わりなのですが、ラッキーにも松也さん。ちょっと声が割れているみたいで、さすがに中日を過ぎ喉が疲れているのかな。若手ばかりの花形歌舞伎は、前に見に行ったときはまだまだみんな若いなあ~と思ったものですが、若い人は成長も速くて前よりも見ごたえがありました。特に、座頭をつとめる松也さんの知盛は、すごくいい芝居をしてました。立役として貫録が出てきたかんじです。松也さんはたしか32,3歳。わたしが学生時代に見た花形歌舞伎は、いまの幸四郎や吉右衛門・仁左衛門という方たちが30代の頃ですから、もうあのころの先輩方と同じくらいできなくてはならないわけです。お顔もきれいだし背は高いし、とても華がある楽しみな人ですね~。応援しよう。大物浦の場は、平知盛が血みどろで死ぬ場面ではありますが、登場人物の衣装がきれいなので、まるで五月人形とお雛様が並んだようでした!また、舞踊の「三人形」は、傾城(新悟)・若衆(梅枝)・奴(種之助)の三人が吉原の桜の風景をバックに踊るのですけど、大変華やかで美しい舞台でした。時代劇見ても江戸の人は地味好みで、暗い色の着物しか着ていないというのに、どうして舞台はこうも極彩色なのでしょう。(反動かな?)夜の部の「金閣寺」もずいぶん評判が良いみたいです。見たかったな~
2017.02.16
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芝翫さん一家の襲名興行昼の部に行ってきました。さすが襲名だけあって、とても華やかな舞台で、どの演目も楽しめました。 吉例壽曽我(きちれいことぶきそが) 梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり) 新口村(にのくちむら)曽我ものはおめでたい演目で、お正月によく出ますが、この演目はめったに上演されないらしいです。曽我兄弟・小林朝比奈を3兄弟が演じてましたけど、まだまだういういしいというか何というか。。。脇を固めたベテランたちが上手いので良かったけど。次の演目で芝翫さんが登場すると、その堂々と落ち着いた演技に圧倒されました。さすがです。ホントに立派な役者さん!かっこよかった~ お父さん目指して皆さん頑張りましょう。派手な幕ですね~佐藤可士和さんデザインだそうです。新口村は、仁左衛門さんと孝太郎さんの親子共演。仁左衛門さんは、忠兵衛とその父・孫右衛門の二役。いつまでも若々しくてかっこいい仁左衛門さんですが、こういうリアルなお年寄りの役もしっとり情があって良いです。でもまだまだカッコいい二枚目でいてほしいですが。。孝太郎さんの梅川は、とても清純で上品な女性に見えました。孝太郎さんはお父さんと違ってちょっと地味だけど、好きで応援しています。
2017.01.18
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今日は、昼の部に行ってきました。こちらは、大阪府の半額チケットをゲットできたのです。きょうは、大阪府のチケットの人だけでなく、企業のご招待の団体が入っていたようで、なかなかにぎやかでした。いつも思うけど、文楽は歌舞伎よりも男性の比率が高いです。(全体ではもちろん女性の方が多いですけど)古くからの文楽ファンがいるのかなあ。そんな人、私の周りでは見たことがないのですが。。しかし、ご招待席なんでしょうけど、前の見やすい良い席が空席でもったいなかったです。同じ料金なのに、空いているなら代わってほしい!演目寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)奥州安達原(おうしゅうあだちがはら) 環の宮明御殿の段本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう) 十種香の段/奥庭狐火の段歌舞伎にも同じ演目があるので、見比べてみたいものです。
2017.01.12
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初春文楽第二部「染模様妹背門松」に行ってきました。急に行くことに決めたので、チケット買うのも遅かったのに、前の方が買えました。(ちょっと空いてました。)それも通路側だったので、とても見やすくて快適でした。今度からこの席を第一希望にしてもよいな。さて、これは大阪にある油屋の一人娘お染が丁稚の久松と心中した、という江戸時代に実際に起きた事件がもとになっています。「新版歌祭文」というお染久松の有名な演目のほうは歌舞伎で知ってますが、こちらは今回初めて見ました。親が説得していったんは別れることにしたのだけれど、結局ふたりは手に手を取り逃げだします。向かう先には死しかありません。このふたりの15歳という年齢を念頭に見ると「そうなるのかもなあ」と思えました。江戸時代の心中というのは、身分や階級、親や家、世間などの義理に縛られてどうにもならず、それでも結ばれるには死ぬしかないという状況があるのです。現代では「無理心中」という名の身勝手な人殺し事件ばかり。「心中」という言葉を安易に使ってもらいたくないと思います。きょうはまだ松の内ということで、特別に休憩時間に「まき手ぬぐい」がありました。わたしのすぐ隣の席の幕見の外人さんは、しっかり手ぬぐいをキャッチしてました。いいなあ~欲しかったなあ。
2017.01.05
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先日顔見世で見た「廓文章」がさっそく昨夜Eテレで放送されました。大店の若だんなが放蕩しすぎて親に勘当され、貧乏な暮らしをさせられていたのですが、ひさしぶりに立ち寄った吉田屋という茶屋で、なじみの花魁夕霧に会い懐かしんでいたところ、親の勘当が解けて、夕霧を受けだす千両箱も届き、めでたしめでたし~!放蕩息子の借金額はなんと10億円!とか夕霧を受けだすのは千両箱6個・・・ってことは6千両!それいくら?・・・5億から6億だって!(親甘すぎるよ~)とにかくまあ~あきれるくらい景気の良い話で、お正月の設定なので、よく顔見世にでる演目です。わたしは、このバカ旦那を見ると、カジノで大借金を作ったどこやらの若社長を思い出しますね。こんなバカ息子を許して跡継ぎにしたら、どんな大店も潰れてしまうのでは・・・?と心配になってしまいますが、この歌舞伎が人気だった時代は、こういう景気良い演目が好まれたのでしょうか?勘当されて貧乏して苦労したはずなのに、まったく能天気で泣いたりすねたり子供みたいな、コミカルな若旦那。こんな二枚目半が上方歌舞伎の主役なのです。仁左衛門さんのお家芸なんですよ。でも仁左衛門さんなら、きりっとした男らしい役の方が見たかったなあ!!2016京都顔見世の舞台写真 伊左衛門=片岡仁左衛門、夕霧=中村雀右衛門
2016.12.26
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本日、「当たる酉年吉例顔見世興行」第2部に行ってきました。今年は南座が耐震改修工事中のために、先斗町歌舞練場で。ここが小さくて500人くらいしか入れないため、3部制となっています。昼の部は一番人気の演目だそうです。先斗町という場所柄もあり、例年よりも花柳界の方がたくさん見えてました。客席には舞妓さん芸妓さん多数、そのほかにも、夜のお仕事関係と思われるきれいなお姉さん方も。着物の着こなしが全然違うのでわかります。一般の人で着物を着てこられている人たちも見ましたけど、ぜ~んぜん違うのです。やっぱり目を惹きつけますね。で、私の席は初の升席!!!だったのですが、これが薄っぺらい座布団一枚分しかスペースがなく、背もたれもなく・・・これはなかなかの難行苦行でした。南座の升席とは全然違うのでがっかり。わたし正座は30分くらいはできるのですが、3時間もは無理!よって、横座り・体育座りまでしましたけど、どの形でも30分も続けられません。腰が痛くなってしまう。椅子ってなんてありがたいのだろう。。。(南座の椅子は座席が狭くていやなのですが。)ここは舞台もだいぶ小さいし花道も短い。秋に行った永楽館よりは大きいのかもしれませんが、でも似たような感じがしました。豪華な顔ぶれが並ぶ顔見世にはやっぱりふさわしくない気がする。「車引き」は菅原伝授手習鑑なので筋をよく知っているし、「廓文章」はこれまで3,4回見たことがあるのでこれまた良く知ってる。初めてなのは「三升曲輪傘売」 これは新作舞踊だそうで、傘売り実は石川五右衛門というもので、海老蔵とにかくかっこよい。やっぱり華がある、というかオーラがあるというか。5時前に終わり、先斗町を歩くと、そろそろ店が開店する時間。趣のあるお店、ちょっと入ってみたいようなお店が並んでいます。先斗町も歌舞練場まで歩いたことがなかったので楽しかったです。今度はぜひこのあたりのお店へ食事に来てみたい。
2016.12.17
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日経新聞主催 「第13回 文楽の夕べ」に行ってきました。会場は、中之島公会堂ヘタな写真で、雰囲気が全然伝わらないですが、ここはなかなかステキな会場なのですよ。本日は、第1部 竹本住太夫さんと南野陽子さんの対談第2部 文楽ミニ公演 義経千本桜から「道行初音旅」 座談会 竹本文字久太夫・鶴澤藤蔵・桐竹勘十郎生のお話が聴けるのが楽しいです。南野陽子さんはNHKで邦楽の番組MCをしていたので、人気が高いのです。住太夫さんの御指名だったらしい。うつくしい着物姿を期待していた(きっと皆さんそう!)のですが、洋服で残念~!
2016.11.24
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錦秋文楽公演 昼の部に行ってきました。文楽ではいつもは使わない花道ができていました。夜の部の「勧進帳」で使うのです。人形の弁慶の六方ってどんなのかなあ~ 夜の部にしたらよかったかなと思いましたけど夜の部は、音楽会でも歌舞伎でも基本的に出かけにくいのです。小一時間かかるし、暗くなってからひとり慌ただしく帰ってくるのがちょっと面倒っていうか・・・でも、昼の部は昼の部で面白い演目でした。どれも活躍するのは女性です。文楽に出てくる女性たちは、みんな情が深いのです。誰かのために命を投げ出すことなんて平気。今は、「無理心中」とかいう殺人事件(あんなのに「心中」を使わないでほしい)はあっても、「心中」なんてありえないですものね。
2016.11.18
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念願の永楽館歌舞伎に行ってきました。新大阪駅から直行バスが出ていて、片道約3時間。これまで行ってみたいけどどうやっていくのかが良くわからなかったのですが、電話で往復バスにチケットまで取ってもらえることがわかって、初めて行くことができました。永楽館の入り口はこの先を左折。小屋に入るところが結構狭くて、外観がよくわからない。電話で予約していたお弁当と、1000円の番付を買って、入場。中は江戸時代の芝居小屋そのもの。狭いのです。舞台が近い!前の方は升席になっていて、座るようになっています。わたしはけがもあって椅子席をお願いしていたので、花道のすぐ横でした。目の前の花道で、壱太郎くんや愛之助さんが芝居しています。近すぎてなんだか恥ずかしい。。。お弁当も美味しかった。ボリュームあったので、名物の出石そばを食べる余裕がありませんでした。出石そばの店は40件くらいあるそうです。もちろんお土産に買いました。出石城址稲荷神社辰鼓楼お芝居が終わってから、お土産を買ったり、町を散策していたのですが、雨が降り始めてしまいました。まだ早かったけどバスの中で時間を待って、4時ごろ帰途へ。雨のせいか渋滞して、帰りは休憩を含めて3時間半くらいかかりました。きょうは一日秋の小旅行となりました。
2016.11.08
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第26回上方歌舞伎会をみに、国立文楽劇場へ行ってきました。この会は、「歌舞伎俳優既成者研修発表会」とあるように、養成所などから歌舞伎の世界に入り修行をされている若手の方たちの発表会だそうです。ふだんは舞台に出てもその他大勢の役が多いみなさんですが、このときは大きな役に挑戦できます。そういう舞台を見るのは初めてでした。客席には、後援会の方や上方歌舞伎の会、御贔屓筋、日本舞踊の関係の方?など、歌舞伎通みたいな人が結構多くて、ちょっと雰囲気が違ってました。暑いのに着物姿の人も多かったですね。文楽劇場で歌舞伎を見るのは初めてですが、花道が設置されていつもと様子が違う。この劇場は狭くて(花道設置時の収容人数は677名)ので、どんなに後ろの席でもじゅうぶん見ることができます。歌舞伎って、本当はこのくらい狭い劇場の方がいいような気がする。「夏祭浪花鑑」団七役の片岡松十郎さん、熱演でした。仁左衛門さんがじきじき指導したそうです。秀太郎さんのブログによると、仁左衛門さんは、自分は足が細いからこの「団七」を演じたくないと言って、一度も演じたことがないのだそうですが、お父様の13世仁左衛門の型をしっかりと教えていたとか。確かに、赤いふんどし一枚になりますからね。体格が良い方がかっこいい。背中から足まである彫り物の青とふんどしの赤がすごいインパクトなのです。この演目を何度も見ていると、いまどきのタトゥーなんかよりもよほど美しく見えてくるから凄い。一寸徳兵衛の女房お辰を演じた片岡千壽さんもかっこよかったです。それから、舅義平次を演じた片岡千次郎さん、憎たらしいジイサン!うまかった。琴浦役の片岡りき彌さん、きれいでした。他にもいろいろ覚えておきたい人たちができました。
2016.08.25
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わたしの演奏会のために、帰省している娘といっしょに、きょうは一日遊びました。文楽が夏休み期間3部制で、第2部が面白そうだったので行くことにしていて、それならお昼もどこか難波あたりの面白そうなお店に行こう!と計画、だいぶ前に話題になっていた「俺のフレンチ・イタリアン 松竹角座店」を予約!さすがにここもできて3年になるので、それほど混んでなくて、予約もすぐに取れました。だけど、まるで仮設住宅?みたいな建物。わたしは平成中村座を連想してしまった。もともと立ち食いのお店だったので(今は椅子あり)テーブルは安っぽい簡単なものだし、椅子は座りにくい。値段が安いとはいえ、落ち着かないですね。二人で頼んだのはラパンのガランティーヌというウサギ肉の冷たい前菜活けオマール海老のローストエスカルゴとキノコのパイ包み焼きトリュフとフォアグラのリゾットスパークリングワインと赤ワイン1杯ずつ美味しかったですが、お昼には重かった~!お昼の演目は「薫樹累物語(めいぼくかさねものがたり)」「伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」でした。累は、嫉妬に取りつかれた妻を殺害する夫の物語。伊勢音頭は、大量無差別殺人事件。どっちもドロドロ、血みどろで、すごく面白かったです。あまりの凄惨さに息をのむ。これは夏向きですね。最近世界中でテロやら無差別殺人やら起きているので、他人事ではないのです。
2016.07.25
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京都の井筒八つ橋本舗の「夕霧」前から大阪松竹座に行くと売っていたのですけど、今回は雀右衛門さんが昼の部で夕霧を演じたことでもあるし・・・と思いはじめて買ってみました!上方歌舞伎ではおなじみ「廓文章」に登場する花魁夕霧太夫の名をつけたお菓子です。この形は、夕霧太夫の恋人・藤屋伊左衛門がやつした姿で吉田屋に登場するときにかぶっている編み笠だそうです。味は、ニッキ味で生八つ橋に似ています。たっぷりアンコが入っているぶんちょっと豪華なお味。「廓文章」は、バカな大店のお坊ちゃんが放蕩三昧したあげくに勘当され、紙で作った衣装を着なければならないほどおちぶれるけど、最後は親から許されて、夕霧を身受けするのに親から千両箱がいっぱい送られてきて、めでたしめでたし・・・・という上方歌舞伎の有名演目ですが・・・絶対こんなバカ息子を後継者にしたら、お店がつぶれるって!親甘い!・・・といつも思います。いやそれとも、夕霧太夫に意外と商才があって、バカな夫を支えてお店を繁盛させるのかな???
2016.07.14
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七月大歌舞伎夜の部に行ってきました。これまで襲名興行で夜の部には行ったことがなかったので、口上は初めてでした。役者のみなさんが並んで自分の言葉を話されるのを聞くのは面白いですね。なかなか良かったです。今日の演目で橋之助さんがずいぶん頑張っていて、頼もしい中堅と思いました。あの方、役者絵みたいな立派なお顔で体格も良くて見栄えがいいし、カッコいい役もこっけいな役も上手で、人柄も良さそうで好きです。来年の中村芝翫襲名興行には絶対行かなくちゃ!!!仁左衛門さんがステキなのはいつものごとくですが、あんなに細かったかしら。。雀右衛門さんは太ってないのに、二人並ぶとなんだか・・・健康のためにも、もう少しお太りになったほうが・・・それからね、秀太郎さんの色気にすっかり参りました。先日読んだ関容子さんの本のとおりでした。また、梅玉さんが10代の少年牛若丸に見えたのにも驚き!どちらも芸の力です。すごいです。
2016.07.13
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七月の夏休み文楽は「伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」。元々歌舞伎の演目ですが、文楽でも演じられます。これは江戸時代の伊勢のはなし。伊勢神宮参拝でにぎわう古市という町に大きな遊郭があったそうで、その油屋という店で1796年5月に起きた9人殺傷事件が元になっています。遊女に懸想した男が、遊郭で冷遇されてキレてしまい、遊郭の客や使用人・遊女などに次々に斬りつけた・・・という事件だそうです。現代日本でもありそうな事件ですよね。なかなかショッキングな事件だったので、伊勢参拝客たちによって日本中に広まり、なんと事件から10日で松坂で芝居になって、2か月後には大坂でこの「伊勢音頭恋寝刃」として上演されたとか。芝居作家はこの事件に飛びついたんでしょうね、3日で書き上げたといいます。とはいえ、歌舞伎では油屋事件そのものではなく、お家騒動物になっていて、殺人事件は「妖刀」に操られたかのようになっているようですが。サミット関連で今伊勢が取り上げられているので、興味もいっそうわきますが、江戸時代の人たちも、人気観光地伊勢が舞台ということで大評判になったそうです。今も昔も、日本人ってあんまり変わらないですね。
2016.05.24
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文楽「妹背山婦女庭訓」夜の部を見てきました。昼の部のときよりも前で見たのですが、今回の席はなかなか見やすかったので、今後はそこを狙おうと思っています。とはいえ、きょうは4時開演で終わったのは9時でした!5時間はつらい・・・目が・・・腰も・・・・昼の部よりも共感できることが多かったので、面白く感じられたのですけどね。でもやっぱり、現代人からするとかなり理不尽な理由で女や子供が殺されます!!男同士が戦って死ぬのではないんです。江戸時代は、どうしてこういうのが良かったんでしょうか??藤原淡海(鎌足の息子)という二枚目が登場するのですが、蘇我入鹿を討つためには手段を選ばない、しかも自分の手を汚さない。なんだか冷血漢でニクタラシイ。好きな人のお役にたてると喜んで死んでいくお三輪ちゃんが可哀そう(涙)やっぱり通しで見たほうが良くわかるのですが、長い!とにかく長い!昼と夜、一日で両方見る人もいるらしいですが、エコノミー症候群に注意です。
2016.04.21
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今月文楽「妹背山婦女庭訓」が通しで上演。まず昼の部へ行ってきました。これは有名な演目なので、ちゃんと見てみたかった。通しで見ると物語の全体像がわかるので、ありがたいのです。一日で昼夜両方なんて人もいますが、わたしにはきつすぎて無理なので、二日に分けました。この演目、時代は奈良時代。天智天皇や蘇我蝦夷・蘇我入鹿・藤原鎌足などが登場しますが、歴史とは全然別物。とにかく蘇我は悪、という設定でした。しかし・・・この吉野川をはさんで向かい合うという景色はとてもステキなのだけど、なんで?どうして?そうなるの???というのがい~っぱいあって、よくわからない!!悪人・蘇我蝦夷を息子の入鹿が切腹に追い込むというのがまずびっくりぽん!しかし入鹿は善かと思いきや、直後入鹿は謀反を起こして天智天皇を追い出してしまう。天智帝はすでに誰にやられたのか盲目になってるんですが、そのあたりの話はなし。どうなっているのかなぁ。恋する雛鳥と久我之助の親はすぐ入鹿の臣下になってしまっているんですが、なぜ?親同士が領地争いで憎み合っているにしても、恋人たちが死に急ぐ理由がなんだか納得できないし。自分が死ぬことで相手を生かすため、ということなのですけどね。母親が手ずから娘の首をはねる!!のも衝撃。親たちにはわが子の命を救うために何とかしようという気がないみたいにみえる。入鹿と争う気はないのか。死んでしまってから嘆いたって。。。娘の首に化粧して相手方に花嫁として送り出すのも・・・なかなか怖い。腹を切って息も絶え絶えの息子(腹を切ってから長い!)を早く何とかしてあげて~と思ったり。というわけで、なんとなく感動しそびれました。もっと二人に同情できるとよいのに。イヤホンガイドを借りればよかったです。あらすじだけでは理解できない部分について、もっと深い説明が聴きたかったです。今度行ったら借りてみます。義太夫さんが二手に分かれて語るのは今回初めて見ました。大迫力です。それにお琴が演奏されるのも初めて見ました。また、吉田蓑助さんが遣う雛鳥(娘)は後姿の背中にまで魅力があって、初心者が見ても、名人が遣うとなんだか違うと思いました。朝から11時から4時間半、休憩があってもくたびれた。目は疲れる、腰は痛くなる。どこの席に座れば目が楽か、行くたびいろいろ試しているのですが、やっぱりダメ。字幕が上に出るのですけど、見上げる形になるのが疲れるのかしら。
2016.04.07
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☆特別な輝きを放つ若き役者の言葉、演目を通して描く、その奥深き美の根源。歌舞伎の現代を担う役者は、日々何を考え、舞台に上がるのか──音羽屋の直系として育ってきた日々、子役の時代と襲名、祖父梅幸と父菊五郎、女方と立役、シェイクスピアの歌舞伎化、先輩役者との交友、踊り……。伝統を着実に受け継ぎながら、創意工夫に満ちた再創造の道を歩む、菊之助の人生の態度。☆菊之助さんも今年40歳ですか。父菊五郎の菊之助時代は何度も見たことがあるのですが、当代菊之助は本当に若いころにそっくりに思います。これまであまり菊之助の舞台を見る機会がなかったので、見たくなりました。歌舞伎の御曹司たちはたくさんの重責を背負っていて、若いころからよく努力していますね。本当に大変な生き方だと思います。応援したくなります。
2016.03.21
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☆名門の天才坊やとして注目された歌舞伎界のサラブレッド、勘三郎。渋い脇役の家に重い期待を背負って生まれた三津五郎。二人の名役者は、奇しくも同学年に生まれた。生前親交の深かった劇評家が描き出す、宿命の星の下に生まれた二人の物語。 ☆同学年で良きライバルだった二人ですが、著者も1956年生まれと同世代で、常に二人と共にあったそうです。著者の二人への思いがあふれて、たいへん力のこもった本でした。
2016.03.18
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