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2019年04月15日
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カテゴリ: オペラ
新国立劇場  14:00〜
 4階左手

 ツェムリンスキー:フィレンツェの悲劇

 グイード・バルディ:ヴゼヴォロド・グリヴノフ
 シモーネ:セルゲイ・レイフェルクス
 ビアンカ:斎藤純子

 プッチーニ:ジャンニ・スキッキ

 ジャンニ・スキッキ:カルロス・アルバレス
 ラウレッタ:砂川涼子

 リヌッチョ:村上敏明
 ゲラルド:青地英幸
 ネッラ:針生美智子
 ゲラルディーノ:吉原圭子
 ベット・ディ・シーニャ:志村文彦
 シモーネ:大塚博章
 マルコ:吉川健一
 チェスカ:中島郁子
 スピネッロッチョ先生:鹿野由之
 アマンティオ・ディ・ニコーラオ:大久保光哉
 ピネッリーノ:松中哲平

 ブオーゾ(助演):有岡蔵人

 東京フィルハーモニー交響楽団
 指揮:沼尻竜典
 演出:粟國淳

 今年の新国シーズンは、この後ドン・ジョヴァンニ、蝶々夫人と続くのですが、この二演目は買ってないんですよね。忙しくて発売を逃したというのもあるし、そもそもあまり見る気がしなかったとも。蝶々夫人は元々好きじゃないからいいとして、ドン・ジョヴァンニは、むしろ好きな演目なんだけれど、面子といい、もう一つ確保する情熱が.....後々気が向いたらZ席トライしてもいいけど......


 フィレンツェ繋がりでのこの二演目、という捉え方。ただ、ジャンニ・スキッキは、プッチーニの「三部作」の一つとしてある訳で、言えば本来とは違う取り上げられ方ではあります。まぁ、これだけ取り出して他のオペラと組み合わせて上演されることは少なくないけれど。

 で、まずはフィレンツェの悲劇。
 結論から言うと、いい出来ではあったと思います。3人しか出て来ないけれど、なかなか緊張感のある物語ですが、シモーネ役のセルゲイ・レイフェルクスのみならず、3人とも緊張感を維持したいい舞台ではあります。オーケストラも集中力を途切れさすことなく最後まで維持していたと言って宜しいかと。ツェムリンスキーの音楽も、まぁ、悪くない。これはこれでそれなりにいい舞台ではあったと思います。

 ただ、これ、面白いの?

 こういう公演を打つと、またぞろ「意義深い」とかいい出す人達がいると思うんですよ。でもさぁ、これって、面白いか?
 正直、このくらいのスキャンダラスさというのは、今から見るとそれほど衝撃的という訳でもないでしょう。衝撃を言うなら、「ヴォツェック」とか「ルル」なんかの方がよほどだと思いますよ。いや、無論、このオペラが書かれたのは1914年とか16年とか、その頃なので、ベルクにはずっと先行している訳ですが、しかし、これを2019年の今わざわざ持ってくる意図がもう一つよく分からんのですよ。
 このオペラ自体も、それほど「面白い」というほどでもない。それは物語そのものだけでなく、この音楽自体が、悪くはないけれど、今ここで上演する意図がピンと来ないのです。
 粟國淳の演出も、決して悪くはない。けれど、ト書き上は縁を戻す妻の首を夫に絞めさせる、という演出も含めて、「ああ、そういうものですよね」という以上のものではない。
 じゃぁ、これを観て「面白い」と思うか、というと.......「興味深い」とか「意義深い」みたいな話に終わっちゃう気がするんですよね。それって、言い換えると、大して引っ掛かりもしなければ、娯楽としても大したことない、という話なのかなと。
 演者に問題がある訳じゃないと思います。演出だって、これ自体は決して責められるものではない。恐らくはこの企画そのものが何したいのかよく分からん、という話だと思うんですね。

 後半はジャンニ・スキッキ。
 これはねぇ.......オケはともかく.........
 一言で言ってしまえば、外題役のカルロス・アルバレスが全て。というか、私、上演中は誰がやってるか分かってなくて観てたのですが、外題役だけ全然レベル違うよなぁ、と思っていたのですが、まぁそりゃそうか、と言っては済まされないんですよねぇ。
 まぁ、ぶっちゃけて言うと、外題役以外はほぼ全員芝居が出来ていないと言っていい。大根以下。公平に言って、ラウレッタの「私のお父さん」はまぁそれなりだったけれど、そこでの見物はラウレッタに迫られるジャンニ・スキッキの芝居、仕草であり表情なのですよ。それでもまぁラウレッタとリヌッチョのカップルはまだしもだけれど、贔屓目に見ずとも、二期会連中はほぼ全滅。演奏会形式でも無理だねありゃ。小学校の学芸会からやり直してこいというレベル。無論それを補うような声である訳もなく。なんでこうなっちゃうのかね?
 にも関わらず、アルバレスの、「芝居」があるから「金返せ」にならなかったと言っていいのではないかと。
 正直言うと、アルバレスの「歌唱」としては、ずば抜けてよかった訳ではなかったと思います。が、とにかく、芝居がきちんとしている。場数の差が決定的に出る、という言い方も出来るかも知れないですが、でも、芝居はある程度までは、少なくとも声・歌よりはまだ努力でどうにかなるのではないかと思うのだけれど、もう、ねぇ.......子供役を別にして、アルバレスの次に芝居が良かったのは、ブオーゾの死体役ですよ。死体より芝居が下手なこの人達、どうして舞台に立てるんだろう.......あ、技能的にとかそういう意味でなく、なんというか、倫理的な意味で、ですね。申し訳ないと思わないのかなぁ。思わないんだろうなぁ。
 まぁ、アルバレスの芝居は見る価値はあったと思います。

 演出は、こちらは、何故か巨大なデスクの上がブオーゾの寝室という設定。或いは人間が矮小化しているのか。なんだかよく分からん。意味が分からない。意味は分からないけれど、なんだろう、違和感があるような無いような、違和感はあるけれど、観ている上で邪魔にならない感じ。意味分かんないけどね。ということは、多分、いい演出なんですよ。何度も観ると陳腐化しそうな気がするから、あまり再演しない方がいいような気はするけれど、「再演に耐えない」=「ダメ」かというとそうでもない、という例かと思います。コストパフォーマンスは悪そうですけれどね。





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最終更新日  2019年04月15日 01時01分16秒
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