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2020年06月29日
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カテゴリ: クラシック
ミューザ川崎シンフォニーホール  14:00〜
 3階脇

 ベートーヴェン:プロメテウスの創造物 序曲
         ピアノ協奏曲第3番ハ短調
 <独奏アンコール>ショパン:マズルカ?

 メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調「スコットランド」

 ピアノ:田部京子
 東京交響楽団
 指揮:飯守泰次郎


 何処のオケも1席空けがどうやら標準になりつつあるようで、東響はこのスタイルで空き席があるので販売しております。丁度今日は予定もないし、と思って、行ってみました。
 でも、やっぱり東響なんだよなぁ.....

 世評では東響はいいオケ、なんだそうです。でも、そう言われるから、時々聞きに行ってはみるのですが、つまらないんですよね。大概。
 あのですね、拡がらないんですよ。纏まろうとするんですよね。まぁ、それは必ずしも悪いことではないのだけれど、纏まっておしまいなんですよね。たまに、本当にごくたまに、10回に1回、くらいかなぁ、その先にちょっと出ることもなくはないけれど、それもあってたまに行くんですけれどね。でも、正直言うと、CD聞くのとあんま変わらない.....ミューザになってから、ここはお化粧度合いが結構激しくて、下駄履かせてもらえるので、「いい」と言われる度合いは少なくないと思うんですけれどね。でも、多分この纏まりの良さが評価されていて、私はそれだけなら生で聞く必要はあまりないと思っている。
 週末朝のモーツァルト・マチネシリーズなんかは、割といいですけれどね。纏まってることそれ自体でそこそこ聞けちゃう面はあるし。割と「その先」が出る率も大きい。まぁ、でも、やっぱり、東フィルの方が断然いいよね、と。別の言い方をすれば、そういうオケなら、N響聞けばいいじゃん、というね。

 じゃぁ行くなよ、って言われればそうなんですが、まぁ、博打狂いみたいなもんですからね....

 で、今日はというと、はい、定常運行でした。但し、東フィルの時とは違って、どちらかというと悪い意味で。
 東フィルへの身贔屓もあろうと言えばあるでしょう。でも、今日まず以っての功労者は飯守泰次郎、でしょうか。纏まりの良さが前に出る演奏ではあった。ただ.....それ以上の何か、は、なかったかなぁ、と。いい席で聞いたら違うんだ、というのもあるかも、というのは否定はしません。でも、お上手ですね、という以上の言葉が出て来ない....
 お上手なのはいいんですよ。でも、それだけのことだったら、別に生で聞かなくてもいいよね、というのが本音。というか本音を言うと、集中力もたないです。退屈だから。こういうのが好きな人にはいいんでしょうけれども。
 この演奏会、ニコニコ動画で配信したらしいですが、まぁ、そういう中継とかには確かに向いてると思います。ただ、それは私が聞きたいものではないなと。だから、じゃぁ行くなよ、って話なのはよーくわかるんですけれどね。ただ、一つ指摘するならば、ニコニコで無料配信したと、それで1万人とか聞いたかも知れないけれど、それはオーケストラを続ける上で糧になるんでしょうか。
 いや、生配信が悪いわけではないんですよ。ただ、ね。こないだの木曜日に、サザンオールスターズが無観客ライブ配信して、視聴権が3,600円だとか。で、具体的な数字は調べてないけれど、それこそ数十万人だかがチケット買って聞いたわけでしょう?ジャズだって、Blue Noteが配信でライブを見せていて、先週末には小曽根真がやって、視聴権が3,500円ですよ。で、あれも数百人は聞いたんじゃないかな?私も遅れて見ましたけど。お金払って。正直、お金払って見るほどなのか...ってちょっと思いはしたけれど。でもとにかく何某かの金になる。


 それは措くとして、とはいえ、確かに中継配信といった聞かれ方には向くような演奏ではあると思います。東響は。纏まって破綻しないようにするから、聞きやすいですしね。
 まぁ、いいんじゃないでしょうか。皆さん東響はお好きなんでしょうから。私は、やっぱり、これだったら生で聞くほどではないなぁと。博打は続けるから、たまには聞きに行くでしょうけれど、ね。定期会員を辞めてしまったのは、やっぱり、正解なんだろうなぁ....モーツァルト・マチネは、復帰しても悪くないかもだけれど.......

 今日の演奏は、なので、そういう意味で定常運行。あの、流石に飯守泰次郎ですからね、それなりに良かったですよ。でも、纏まっちゃってるんだもん。とにかく。協奏曲は代役で田部京子、これもまぁ悪くないけれど、「ええ、そうですね。ベートーヴェンの3番ってこういう曲でしたね」という感じ。聞き慣れ過ぎてる?いやぁ、それいったら先週の東フィルの「新世界」なんてもっと退屈する筈ですよ。だから、そういう問題では、多分、ない。
 アンコールは、多分ショパンのマズルカだったと思うのだけれど。これは良かったですよ。

 後半はメンデルスゾーンの「スコットランド」。こちらの方がまだ良かったかなぁと。ただ、やっぱり纏まってしまっているのは変わらない。それが俄かにいけないとも言えないけれど....破綻するよりはそりゃいいですからね。でも、そういうものを求めて聞きに来ている訳ではないのですよ....



 公平に言って「いい演奏」なんだろうと思います。でも、私はこれだったらN響聞きに行きます。勿論東フィルの方がいい。別に共感は求めないけれど、やはり、「あれは確かに整っているけれど、でもあれは本当はつまらないんだよ」ということは言っておきたいと思うのですね。


 それはそれとして、これはお小言。プログラムの「スコットランド」の解説がおかしいのですよ。
 まぁ、なんでスコットランドくんだりまで行ったのかとかいった話はともかく、こういう一節がありまして。
「当地で訪れたホリールードハウス宮殿の朽ち果てた礼拝堂にて、彼はシラーによる戯曲の題材にもなったブラッディ・メアリの異名をもつ女王メアリー・スチュアート(1516〜1558)に思いを馳せ、...」
(Symphony 2020年6月号 8p.より)
 あのですね。ググってWikipedia見れば一目瞭然なんですが(Wikiを信じるかどうかはともかく)、生没年が1516年/1558年なのは、イングランド女王になったメアリー1世です。このメアリー1世はスコットランドとは縁もゆかりもないない人で、ヘンリー8世の娘として、ヘンリー8世逝去後に即位したエドワード6世の後を継いで即位した人。「ブラッディ・メアリー」の異名は、このカソリックゴリゴリ(実はこれは問題で、何故ならこの時には既にイングランド国教会が出来ているので)の女王がプロテスタントを迫害したから、と言われているのですが、この時はまだイングランドとスコットランドは別の国。
 で、スコットランドのメアリーとは、メアリー・スチュアート(1542-1587)。この人は幼少の砌にはフランスに逃れてフランス王妃だった時期もあるのですが、その後夫であるフランソワ2世がさっくり逝去してしまったのでスコットランドに戻って、王位に就くのですが、その後色々ちょっとえげつない昼ドラ+火曜サスペンス劇場 x 10くらいのゴタゴタの末に廃位されて、最後はイングランドに逃れて、エリザベス1世の庇護下で、エリザベス1世庶子(事実)なので王位正当性が無くて自分の方がイングランド王に相応しい(継承権を主張出来る血筋はあった)から王位寄越せ運動を散々に起こした挙句にとうとう処刑されるという、そりゃもうすんごい御仁。ところが多分プロテスタント「迫害」なんてやる暇なかったんですよ。もうこの時期にはスコットランドは貴族ですらカソリックとプロテスタントが入り乱れていて(但しイングランド国教会ともまた違う)、そんな簡単な話ではなかった上に、メアリー自身が男出入りが激しくてそれどころじゃなかったという.....当然、敬虔なカソリック教徒だったメアリーは苦しめられはしましたが。
 なんかこの解説はとにかく「メアリーが主題!」って言いたいらしいんですが、そもそもこの人誰のことか分かってるんだろうかというね。因みに、英国史、或いはスコットランド史としては、メアリー・スチュアートは、どちらかというと「愚かな恋多き女性」といった認識ではないかと。物騒な話は無いではないですが、ドイツ農民戦争みたいな宗教戦争の首謀者的な扱いとはちょっと違うかなと。
 メンデルスゾーンは、勿論知っていたと思いますよ。
 個人的には、メアリー・スチュアートが主題って訳ではないとは思いますけれどね。彼女の悲劇的な生涯それ自体は着想の内にはあるとは思いますが.....無論、私は研究した訳じゃないし、根拠はありません。ただ、全然違う人を引き合いに出して解説しちゃうようなのよりはよほどマシだとは思いますけれどね。





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最終更新日  2020年06月29日 00時36分30秒
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