全6件 (6件中 1-6件目)
1
本日は、軽くワインに適用されつつある新技術の紹介です。巷でワインの贋作の話が流行っていることもあり、この手の動向はワイン好きとしては気になる内容となります。【高級品の偽造品防ぐ「ワイン・ブロックチェーン」。コンサルが日本で実証実験】今注目の仮想通貨に使われている『ブロックチェーン』の技術を、ワインの栽培から醸造~販売という一連の管理に適用しようというものです。 知らなかったですが、イタリアには既に導入事例があるようです。ワインの贋作はオークションに出るような古酒に多いので、直ぐに効果はないでしょうが、抑止効果や将来的には少し期待できるかも。【シャトー・アンジェリュス2014、非接触式のICチップをラベルに初導入】これもワインの偽造防止を目的として、流通経路の記録をICチップに保存しトレイサビリティーを強化しようというものです。ボトルをそのまま使って中身を入れ替えれば、偽造ワインを造れますが、それをチェックしたり自動的に記録する技術が実装されていれば可能ですね。【凸版印刷、ICタグで不正開栓を検知】アンジェリュスが導入したのはラベルでしたが、こちらはコルクを覆う形で実装するICタグです。コルクに穴を開けただけで検知できるので、中身の入れ替えは防止できます。これと上記のICチップ・ラベルを併用すれば完璧かも。尤も、このICタグもRFIDを実装しており、スマホで産地情報やワイン情報を参照できるようです。 そして、このICタグはあのエマニュエル・ルジェが2016年12月出荷のワインから採用しているようです。シャトー・アンジェリュス2014、エマニュエル・ルジェ(多分これも2014ヴィンテージ以降か?)のワインを買って確認してみたいですね。でも、アンジェリュスは一級Aクラスに昇格して値上がりしているし、ルジェも高騰しているだけに難しいかと。何れにしろ、IoTやAIがドンドン導入されるご時世で、新しい技術を試行導入して、生産者の情報提供や品質の向上を図って欲しいと思います。 但し、この前私が言及した【醸造いらずの「合成ワイン」はゲームチェンジャーか】は、チョット嫌だなぁという気がします。
2018.01.14
コメント(0)
日経ビジネス2017.5.15号(第4次食革命)で、こんな記事が出てました。ワイン好きとしては気になり、見過ごせない内容となります。(新世界らしいと言うか、時代の潮流というものを感じます。)以下に抜粋して掲載してみます。【醸造いらずの「合成ワイン」はゲームチェンジャーか】テーブルに並んだ数十杯のワイングラスに入った赤い液体を男性たちがテイスティングしていく。見た目はワインだが、醸造ではなく科学的に再構成した「合成ワイン」だ。開発しているのは、2015年創業のアヴァ・ワイナリー。ワインが含有する数百種類の化合物を、製薬業界などで使われている解析装置で分析し、どの物質がワインの味に影響しているかを特定してその成分をエタノールに合成する。ワインが含む化合物を全て完全に再現するのではなく、あくまでも人間が感知できるものだけだ。共同創業者のアレック・リー氏は「それで十分」と話す。合成にかかる時間は約1時間。長期間醸造する必要がないために生産効率は高く、製造方法はコーラのような飲料に使用されているものでいいと言う。毎年、葡萄の出来具合に味が左右されることもなく、在庫が切れることもない。既存のワイン業界からは反発もあるが、一部のワイナリーからは熟成の管理などに技術を応用できないかといった関心も寄せられている。「レコードがCDに進化した際、アナログの良さが失われるという批判もあったが、今では誰も そんなことは言わない。合成ワインについても同じことだ」とリー氏は話す。年内に初出荷したいと意気込む。************************************ (掲載終わり) ***********************************これを読んで、「まずワイナリーという名前を使って欲しくないね」と思いました。それから、この創業者達は歴史のある銘醸ワインを飲んだことがあるのか、ワインのことが何も分かっていないのでは?と思いました。上記赤字部分、ワインのことが分かっていないと感じた箇所です。人間が感知できるというのは、上辺の計測値だけで、それ以外の諸々の要素の複合体も感じ、美味しさ・感動となっているのが分からないのでしょう!CDとは明らかに違います。 「作れるものなら作ってみろ!」というのが感想です。また、ワイン好きにとっては、ヴィンテージによる差異があるから飲んでみる楽しさがあり、味わい深さがあるというものです。その点も何も分かっていないと思いました。とは言え、こういうワインが出てくるのは時代の潮流で、分析データの蓄積・整備とAI技術の応用が進めば、それなりのワインが出来るようになる気もします。ワイン雑誌などで、醸造スタイルに応じて、『クラシック vs モダン』という分類が良く行われますが、将来的には、『ナチュラル(農業品の意) vs テクニカル』という分類になり、兎に角それなりの味で酔えれば良いという向きの普及品には合成ワインが流行るかもしれません。上のワイン、本当に出来るかどうか懐疑的ですが、来年あたりの結果が少し気になります。
2017.05.19
コメント(2)
今回は真面目な話題で。 (いつもが不真面目な訳ではないですが、少しシリアスに)ツイッターにも広まっているので、ワイン好きな方は既にご存じだとは思いますが、こんなニュースが出ています。⇒ロボット化もここまで来た。高級ワインを家庭で醸造できるマシンが米国で話題これ見て思ったのが、ワインの原料であるブドウは勿論農作物ですが、その延長のワインも農作物と考えられており、テロワールとかヴィンテージを重視するフランスのワイナリーでは、まず出てこない発想だなぁと。いかにもアメリカらしい新世界的発想だなぁ、ということです。このニュースに対しては、こんな見方ができるかと思います。パン焼き器の二の舞以前、パン焼き機が流行った時も、パン屋が要らなくなるかもとか、美味しいパンが簡単に作れるとかで注目されましたが、結局はパン屋の有難味や美味しさが分かり、直ぐに廃れてしまいました。これも、同じことになるのでは ...でも、時代が違い、IT技術の進歩やカリフォルニアのワイナリも関わっていることから違う展開もあるかもという思いも少しあります。 将棋もコンピュータが人間に勝つ時代上記の最後からの続きですが、IT技術の進歩やコンピュータ・ハードの向上により、チェスはかなり前から、将棋でもコンピュータが名人を打ち負かすようになってきました。そう考えると、ワイン造りのノウハウを確実にIT技術で実現すれば、安定した高品質のワインができるかもしれない、という思いもあります。画家のアート vs コンピュータ・グラフィックス人間が造るワインとワイン造りロボットの勝負は、画家が描くアートとコンピュータ・グラフィックスで描く作品の違いに喩えられるかと。精緻さや素早さではコンピュータ・グラフィックスに分があっても、結局意外性とかデザインの素晴らしさに感動するのは、人間のアイデアだと思いますので、感動を呼ぶのは画家のアートですね。このロボットには少し興味があります。と言うのは、ワイン造りのノウハウをこのロボットでシミュレーションできれば、結構楽しいかもと思うからです。でも、全てがバカチョンで組み込まれていて、ただ作るだけなら面白味はないかと。結局、上記の三番目の視点が私の個人的見解ですね! オフヴィンやグレートヴィンテージもあり、波があるから素晴らしい時の感動も大きいというものです。 果たして、ロボットで造られたワインに感動はあるのでしょうか?皆さんはどう思うでしょうか?
2014.05.10
コメント(0)
今年も実施するそうです。⇒日本で飲もう最高のワイン2013=審査会= (昨年参加しているので私のところにメールが着ました。)多分、三年目ではないかと思うのですが、昨年初めて参加して、結構お得なイベントだと思いました。それは、ブラインド•テイスティングの審査の後の懇親会も表彰式も、全て料金込みで食事もワイン飲み放題も付いているからです。 但し、ブラインド•テイスティングの審査は結構キツイです。昨年は手術明け間もないこともあり、アルコールキャパが半分ぐらいになっており、テイスティングは殆ど吐き出していたにも関わらず、かはり酔っ払いました。その結果、直後の懇親会では殆どワインを飲めませんでした。昨年参加した時の感想はこちら。⇒『日本で飲もう最高のワイン2012』審査会&懇親会出席=椿山荘とフォーシーズンホテルにて= 表彰式とテイスティング会の感想はこちら。⇒『日本で飲もう最高のワイン2012』テイスティング会出席=椿山荘にて= 今年も参加するかどうかは未定です。というのは、昨年要望を何回も出して、その結果『今年は検討します。』と回答をもらっていた件がどうなったかによります。その要望とは、『受賞したワインはブラインド•テイスティングした時のどのワインだったのか公開して下さい』というものです。ブラインドの試飲会でも後で結果が分かり、自分のテイスティング能力を確かめられるから面白いというものです。フィードバックのない審査は反省のない仕事、順位の付かないリーグ戦のようなもの。
2013.03.30
コメント(0)
読売オンラインにこんなニュースが載ってました。⇒ナパのワイナリー、海底で熟成実験 海外版:For taste, Mira Winery sinks its wine( ちなみに、海底に沈めている動画も見れます。) ボトル差やキュベの違いはどう対処? 一体何本海底に沈めたのでしょうか? ボトル差やキュベの違いを吸収するには、かなりの本数を沈める必要があります。同じキュベから取り出して比較しないと意味がなく、そのためにはナンバリング等をきちんと行う必要があります。また、海底に沈めてナンバリング等の情報を正しく回収できるのでしょうか? 3ヶ月で何が分かるの? 高々3ヶ月の熟成で、意味ある違いが出るのでしょうか? 機械で成分分析でも行うつもりでしょうか? 尤も、何ヶ月も海底においておいたら、回収できなくなるリスクも高まりますが。幾らで販売するの? 海底で熟成させるのは、かなりのコストがかかると思います。(動画を見ると簡単にやっているようには見えますが、少なくとも準備や実作業の人件費は馬鹿にならない気がします) そのコスト回収のために幾ら上乗せして販売するのでしょうか? その高くなったワインを一体誰が買うのでしょうか? (まぁ、最初は興味本位で買う人もいるかもしれませんが...)どんな結果になるのか、今後このワイナリーがどんな動きを見せるのか、逆の意味で興味があります。自分たちの消費用とか、ワイナリー訪問者への限定販売とか、特別顧客へのプレゼント用とかなら分かるのですが、利益アップを狙っているなら、かなりクエッションです。まぁ、聞いたことないワイナリーなので、話題作りで名前を売らんかなぁの狙いの気もしますが...
2013.03.25
コメント(0)
読売オンラインにこんなニュースが載ってました。⇒ナパのワイナリー、海底で熟成実験 海外版:For taste, Mira Winery sinks its wine ( ちなみに、海底に沈めている動画も見られます。)まぁ、こんな内容です。「ミラ・ワイナリーが、海底での水圧/水温/海流による穏やかな揺れがワインに好影響を与えるのを期待し、2009年のカベルネ・ソーヴィニヨンを南カロライナ州の海底で熟成させる実験に乗り出した。3か月後に引き揚げて、陸上での熟成との違いを調査し、結果が良ければ2013年から一部を海底で熟成させる。」詳細なことは分からないので何とも言えないのですが、下記のような疑問が浮かびます。ボトル差やキュベの違いはどう対処?実際何本のワインを海底に沈めたのでしょうか? ボトル差やキュベの違いを吸収するためには、同じキュベを何本か取り出して比較しなければ意味がないので、ナンバリング等を正確に行ってかなりの本数を海底に沈める必要があります。また、そのナンバリング情報は海底に沈めても正しく維持できるのでしょうか?3か月で何が分かるの?たかが3か月で有意ある違いが出るのでしょうか? 機械で成分分析でもやって確かめるのでしょうか? まぁ、何ヶ月も海底に置いておいたら、いくらGPSを装着しているとは言え回収できなくなるリスクが高いかもしれません。幾らで販売するの?海底で熟成させるのはかなりのコストがかかるはずです。それを回収するためには、幾ら上乗せするのでしょうか? 果たして高価になった海底熟成ワインを買う人が居るのでしょうか?コストに見合うだけのメリットが、果たして海底熟成で得られるのか?ざっと考えてもこれだけの疑問があり、この実験がどうなるか逆の意味で興味があります。メリットがあったとして、自分たちの消費用とか、ワイナリ訪問客へのプレゼント用とか、特別ゲストへの接待用というのなら分かるのですがね。実際に販売して利益アップを狙っているなら、かなりのクエッションです。まあ、聞いたことないようなワイナリーなので、単なる話題作りで名前を売らんかなぁの狙いのような気がしますが...
2013.03.25
コメント(0)
全6件 (6件中 1-6件目)
1