ザビ神父の証言

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2021.02.20
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カテゴリ: 国際政治
バイデン政権の困難 その21

前回の最後に記したイランのザリフ外相の柔軟発言後、ほぼ1週間後の7日、イランの最高指導者ハメネイ師が、「もし彼ら(米国や欧州諸国を指します)がイランに核合意の履行に戻ってほしいなら、米国が最初にすべての制裁を解除しなければならない。我々はそれが適切になされたかどうかを確認した後に、我々の義務の履行に戻る。」と述べ、米国が先を強調して、ザリフ外相の柔軟発言を否定して見せたのです。

米国のトランプ政権が、一方的に核合意を廃棄して、一方的な制裁をイランに科し、イランに様々な困難を齎したのに対し、イランは核合意が順守されなかった時について定めた核合意の中の条文に則って、段階的に核合意離脱の方向に動いてきたにすぎない。だから核合意に戻ってほしいのなら、一方的に核合意を破った米国が、先ず制裁を解除するのが筋だという、原則論をハメネイ師は述べたのです。国内の強硬派に配慮した発言です。

これに対し、バイデン大統領は、「米国が一方的に譲歩することはありえない。イランが踏み出しつつある核開発の強化をやめなければならない」と述べています。

イランも交渉のハードルを上げる圧力強化策を繰り出しています。1日も早く制裁を解除させたいからなのでしょう。裏を返せばそれだけ経済制裁のダメージが大きいのでしょう。国際原子力機関(IAEA)は、2月日に、「イランが金属ウランの製造を開始したことを確認した」と報告しました。ここまでイランは金属ウランを製造していなかったのです。この金属ウランは平和利用に用いることもありますが、何といっても核弾頭の中核をなす主原料なのです。当然核合意ではその製造は禁じられています。従って、イランのこの行為は、米国や欧州諸国に対する挑発行為です。

さらにイランは15日、IAEAに対し未申告の施設に対する抜き打ち査察の受け入れを、2月3日に停止する方針を伝えてきました。IAEAの抜き打ち査察を停止すれば、イランが核合意に基づいて受け入れてきた核開発に関する制限措置は、全て撤廃されたことになり、事態は核合意締結前の状態に戻ることになります。

こうしたイランの攻勢に対し、バイデン政権の動きは、とてもゆっくりに見えます。チームで動く政権であっても、1月20日の就任後の動きは素早かったのですが、イラン核合意を巡っては、外交関係特に中東担当チームの中でも見解が分かれているのでしょうか、他の問題に比べ動きが鈍いというか、大変スローに見えます。一貫した方針がまだ固まっていないようです。  この項、まだ続きます。





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最終更新日  2021.02.20 22:13:35
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