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今日は東京に帰る日。帰る日だというのにこんな台湾にも近い南の島の誰もいないジャングルの中にいることに不思議な感覚を覚える。いや果たして今日中にほんとに帰れるのか?後の予定が詰まっていることもあって、今日はまだ真っ暗闇の5:00に起きて軽めの朝食をとり小雨の降る中出発の準備を整えた。道程が長いといったって、あと2~3時間川下りすればもはや白浜港。白浜発10:35発のバスに乗りさえすれば大原の港に12:00に着く。そうすれば12:50発の石垣島行きに間に合うはずで、そうすれば15:25分の沖縄行きに間に合うはずであった。何ともタイトな最終日だが、とにかくまずは下界にたどりつかねばならん。西表の朝は遅い。7:00になってもまだ薄暗い小雨降る中、水面にカヌーを浮かべ川面を下流へと漕ぎ出した。 朝のジャングルは静寂の中、不気味な気配を漂わせている、鬱蒼としたジャングルの中を蛇行する川に揺られていると、なんだか探検隊のような気分になった。水位から察して今は干潮から満潮へ向かっている気配。川の下流に向かって下るときは満潮→干潮の時間帯であれば引き戻しの潮に助けられてパドルが軽いのだが、今はその逆。じっとしていると上流に流されてしまうのだ。それでも順調に蛇行地点を下降していった。川が屈曲している地点から急に幅100M暗いの大河にさしかかる地点の手前で今まで鏡のように静かだった川面が急にざわめきだち、押し戻しの波にカヌーが揺さぶられた。「ん何だ何だ?」とうろたえつつ、流れの方角が北向きに変わると、強烈な向かい風が顔面をたたいた。とたんにカヌーが木の葉のようにぐらぐらと揺れ、全身がびしょぬれになった。そうなのである。昨日の天気予報で確認していたが、今日は北西の風が非常に強く、そしてこの川はまさに北西への流れであったのだ。風はものすごく強く、しかも雨まで強く降ってきてさながら嵐のよう。全力でパドルを漕いでようやく前に進むていど。少し気を抜けば上流に押し流されてしまう。この付近は干潮ならば浅瀬のはず。と右岸にカヌーを寄せる。今は潮位が高く、降り立つと膝まで程度の深さなので、浅瀬の部分は歩いてボートを引いた。しかし目も開けていられないほどの強烈な向かい風で歩くのも消耗する。やがて水深も深くなり再びカヌーに乗り込むとそんなことをしている間にもどんどん雨風が強くなってどんどん上流に流されてしまう。雨風の中川面に揺れる木の葉のようなカヌーに乗る自分を俯瞰して想像してみるとそれはまるで遭難者のようである。右岸のマングローブに捕まり休みつつ少しずつ前進する。もちろん写真など撮る余裕はない。イチバン川とヌバン川が右岸に流れこむ地点が正念場。風を全力で漕ぎ倒して川が東に向きを変える地点にたどり着くとまるで嘘のように風が止んだ。雨は尚強いが風のない今がチャンス!と全力で漕ぎ下って、まもなく懐かしい白浜の集落が見えてきた。風向きを考えれば、港の東はずれに上陸するのがベストだが、最後なので向かい風を押して港に上陸した。時間は9:10。ほんとならジャングルを愛でつつのんびりと下りたかったが全力で漕いだおかげで2時間ほどで下ってしまった。ああしかし全身はびしょぬれだが無事に帰れる安心感もあって気持ちは最高だ。ついに後半3日間雨が降り続いて、予定していた山には登れずじまいだったがジャングルの中の遡航とキャンプを楽しめたからそれもまたよし。何をかくそう実はカヌー初体験の身にして一人でよくやったもんだ。白浜の屋良商店でオリオンビールを買って港で乾杯しつつ、「ああ今度来るときには1週間ほどの休みであちこちの川を漕ぎまくりたいな」なんて新たな世界が広がっていく気分に浸ってみるのであった。(完)
2008年01月23日
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目が覚めるとやっぱり雨だった。しかし明日には帰郷である。文句をいうまでもなく、とにかく出航の準備である。雨は霧雨状態であり航行には問題はないが、山から吹く風が非常に強く、カヌーの身には厳しい。できうるならば、白浜の港から堂々と町を背に出航したかったが、向かい風が強いので白浜湾のもっとも山よりの町はずれに移動し、まるで人目を忍ぶようにして出発の準備を整えた。雨のため気持ちは盛り上がらずやや遅めの9:40に出発である。 さて、昨日の雨で1日つぶれたこともある。そして明日の午後には帰郷の途につかなければならんこともある。考えあぐねて今回の行程は縮小し、白浜湾から仲良川を遡り遡上限界地点まで航行。そこにキャンプを張り、仲良川の上流部を詰め反対側の源流域をまわり本日はキャンプに戻って宿泊。そして明日朝1日で白浜に漕ぎ下るという計画をたてた。出発地点の白浜は仲良川が流れ込む大きな湾になっており対岸まで数100mもあるほとんど海である。そこから湾の奥に流れ込む仲良川を目指してまずは静かにパドルを漕ぎ出したのであった。 雨は降ったり止んだりで、全身はすぐに塗れそぼる。できうるならば快晴の空の下、マングローブ林からあふれ出るこもれ陽が水面にきらきらと反射する中を旅したかったものであるが、全身濡れ鼠で、雨と風と波に翻弄されながら大河を漕ぎあがる木の葉のようなカヌー1隻・・・ 湾の岬を回り込むと白浜の町も視界から消え、非常に心許ない。2キロほど遡上し左手からイチバン川が流れ込むところで川はようやく川らしくなってくるが、以前川幅は200mはある。イチバン川からヌバン川の間は南東からの向かい風が激しく普通に漕いでいてはすぐに押しもどされてしまう。もともと上流に向かって漕いでいるのだもの。しかも、この時間はちょうど潮の引き時で遡上するには悪条件が整いすぎだ。あまりにすすみが悪いので、あえて浅瀬を選んで膝までの水をかきわけてじゃぶじゃぶと歩いて進んだ。川が東に屈曲するあたりから川幅は数十Mくらいになりジャングルの中をくねくねととうとうと流れ、その中をパドルの着水音だけを響かせて遡上していくのは何ともいえず気持ちがいい。 やがて遡上限界地点となる船着き場が現れた。12:40。なんと3時間もかかってしまったが、逆風に干潮に雨だ。仕方あるまい。カヌーはここに係留し、さあ、ここから山の世界に突入である!
2008年01月22日
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仲良川をカヌーで遡り、少し上流にあるナーラの滝まで散策するコースというのは実はこの島のエコツアーで中級者向けコースとして存在しているのである。つまりここまで今日たどってきたコースはいわゆるエコツアーと同じということである。ツアーが嫌い。ましてや「エコ」という言葉にアレルギーを禁じ得ない僕にとってはここまで来て、ああ楽しかったね。大自然ってすばらしいねなどと自然のことがわかったつもりになって帰途につくというのは何とも嫌悪感を禁じ得ないのである。だから、お金を払ってガイドに案内してもらい、自然への知識も危険も技量も体力もすべて人任せにして自然がわかった気になってしまうエコツアーとは完全に一線を画したい僕は、カヌーで遡り山を越え対岸に下るという山屋ならではのコースを企図したのである。しかしそれも天候によって阻まれ、残された時間は明日の午前中までとなってしまった。せめて山屋らしく今日は残された時間、エコツアー客が訪れもしない上流部を探索し、最後の夜をジャングルの中で盛大なたき火を囲んですごそうと思ったわけである。とりあえず。ナーラの滝を目指す。ここは昔の記録では道はなかったのであるが、ツアーの興盛とともに今では右岸に立派な道があった。15分程度でナーラの滝。滝壺は泳げるほどに広く、なかなかに立派な滝だ。これならなるほどツアー客も大自然はすばらしいなあと大満足だろう。さて僕の目的はこのさらに上流である。上流部の記録はあまり見かけないのであるが、いくつかの滝があるようである。さてまずはこの目の前のナーラの滝を越えなければならない。幕ならば左岸だろうと少し下流に戻った地点に目をやると赤布を発見。赤布の下にあるわずかな踏跡をたどりジャングルの中の高巻に突入である。河岸側壁は高い崖となっておりアダンだかなんだかしらないか細い植物につかまって泥のような急斜面を登る。ある程度登り切ったところで今度は上流に向かってトラバースするが、いっこうに滝を越えることができず。そういえば去年来た時にマヤグスクの滝の高巻で3時間くらいかかったことを思い出す。行って行けないこともないが、どうせまた戻らねばならんので、面倒になって高巻途中で引き返した。帰りは登山道ではなく川沿いにじゃぶじゃぶくだってそれなりに沢歩きを楽しめた。船着き場に戻ったのは17:00頃である。さて今夜はここにテントを張って明日の朝一で町に戻る予定である。船着き場より数段高い台地状の所にテントを張って、さて川に水をくみにおりた僕は、さっきよりも格段に水かさのました川を目の当たりにして愕然としたのである。ここまで雨は小止み状態になっていたから降雨による増水ということはない。だとすれば、ここは河口から8キロ入ったところとはいえ標高は海抜5mもない海岸沿いに等しいポイント。おそらくは潮の満ち引きによる水位上昇と思われた。そんなことを考えている間にも着々と水位は上がってきている。おそらく1mは上昇したであろうか満ちた潮はやがて引き潮に転じる。要は引き際がいつかというところ。テント場まではあと50cmもなかろう。テント場の土は比較的硬かったので潮につかることはなさそうだが、満潮時の潮位は日によっても違う。今回はカヌー持参なので潮位は気にしなかったが、もし今日は大潮なら大変なことだ。でもまあそのときはそのときだ。楽観主義の僕は、イヤなことを忘れて酒におぼれることにしたのである。周囲から適当な薪を集めて火をおこすものの、折からの強い雨にテントの中に潜らざるを得なかった。しかも蚊が襲来してテントのジッパを閉めざるをえず。それはそれで大変に暑苦しい。幸いよる20:00を天気に潮は引き始めたが、降り続く雨に明日の帰郷が心配になる夜であった。
2008年01月22日
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夜半から降り出した雨は朝になってもやむことをしらず。さすがに雨の中ひとりジャングルに漕ぎ出す勇気もない。そういえば昨年も4日滞在して晴れたのは1時間くらいだった。女将の話によるとこの時期は1年で一番天気が悪いそうである。それでも午後には雨は止むという予報を信じて、今日の午前中はレンタカーで島を回ることにする。レンタル料金は6時間4000円、12時間4500円、24時間5000円であった。今後の天候リスクを考え一応24時間レンタル。さあどこへ?・・・って行ったところでこの島の道はといえば西部の白浜から東南の南風見田まで55キロの1本道!とりあえず、東南に向かうしかない。せめて今度来るときのために各河川の河口状況を見ておこう。 浦内川の船着き場の奥地にある宇多良炭坑跡。川沿いのじめじめしたか細い道を20分ほど歩く。かつてここには炭坑が栄え集落があったということだが今はすべてジャングルの中だ。 星砂ビーチここのビーチの砂はすべて星砂!ツアー客に人気。ヒナイ川の河口。ここは昨年登ったのでスルー。 ナダラ川河口 大見謝川の河口濁流やんか後良川の河口この川はカヌーツーリングには最適らしい。上流部の記録も見たことないのでいずれ遡りたい。 前良川の河口放浪キャンパーの聖地、南風田ビーチ。ここのキャンプ場には五右衛門風呂がある。昨年入りそこねた西表島温泉。ここは高いし水着をもってきていないと全く面白くないのでパス。 道中ついに雨は降り止まず何の収穫もないままに白浜に戻る。今日午後から入山の計画も雨に流れ、今夜も同じ宿。4日間の日程ではまともに登れるのはもはや明日1日のみ。仕方ない。明日は多少の雨でも出航する決意をして今夜も部屋の中で泡盛の夜であった。
2008年01月21日
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昨年西表島の沢を歩いた時に最終日に浦内川の船着き場で足止めをくらい、翌日の仕事に間に合わぬかもしれぬ恐怖を味わった僕は「よ~し!今度西表に来る時にはボートを持ってこよう!そして西表の川を自在に歩き回るんだ!と思ったものであるが、その今度は思いもかけずにすぐにやってきた。今年も遅い正月休みをとり、ユナイテッド航空のマイレージを利用して石垣島までのタダ券をゲットした僕は勇躍、石垣島空港に降り立ったのである。背中にはゴム製のカヤックを含めざっと22キロの荷物を抱え、東京では雪が舞おうかというのにTシャツ姿で蒸し暑いほどの陽気であった。この1年の間に離島桟橋は立派な離島ターミナルに変貌! 石垣からスピードボートで40分で上原港へ。2回目ともなると感動は少ない物の、どこになにがあるかわかっているから非常に便利。スーパーで買い出しをして、ガソリンスタンドで300mlのガソリンを買ったらこの原油高にもかかわらず昨年と同じ値段(1リットル173円!)。 バスに乗って最西端の集落白浜へ。今日は雨の予報であったが、いつの間にか晴れ間が広がってきて暑いくらい。 さて今回の計画は白浜港から仲良川をカヤックで遡り、沢登りをして分水嶺を越え反対側の仲間川に下り再度カヤックで大原港まで出ようという計画であったのだ。初日は時間が中途半端なことと、今夜半に雨の予報が出ていたので今夜は宿に泊まることにした。金城旅館(1泊2食付き5500円)本日の泊まり客は僕一人。海側の1号質からの眺めは上々!宿の女将さんはこの島のエコツーリズムの役員をしていることもあり、いろいろと話がきけてためになる。明日の晴天を期待しつつ、泡盛を片手に最果ての旅情をかみしめるのであった。
2008年01月20日
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大変御無沙汰しております。そして皆様あけましておめでとうございます。 年末年始とフルタイムで仕事やら育児に追われてようやく只今遅めの正月休みをとったところ。そして休みとなれば赴くべきは彼方の土地。 というわけで只今、南は西表島にやって来ております。 昨年の正月休みに引き続いて今年も西表島のジャングルに突入すべく西海岸の白浜にやって来ております。東京では雪の予報だというのにこちらはTシャツ姿。外には虫の声… さて明日は目の前の仲良川に突入し山を越えて反対の仲間川を下りつもり。 いずれの川もアマゾンのような大河です。 えっ。そんな大河をどうやってさかのぼるのかって? 大丈夫! 昨年の浦内川で懲りた私は今回は秘密兵器、インフレータブルカヌー(早い話ゴムカヌーね)持参したのである! これさえあればどんな大河も思いのまま。 さあ秘密兵器に乗って未知なる土地へ出陣なのであります!
2008年01月20日
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