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2007.09.14
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テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
星の王子と赤い薔薇4


これには、かなり違和感を持った読者も多かったのではないでしょうか。なぜ王子は死ななければならなかったの、と。永遠の謎ですね。この物語に触発されたからかどうかわかりませんが、1997年3月26日にはアメリカのサンタフェで、ヘブンズゲートというカルト集団が、ヘールボップ彗星の「後ろに隠れている宇宙船」に乗るため39人が服毒自殺しています。当時私は、米国マサチューセッツ州の大学院で留学生活を送っていましたが、夜遅く寮に帰るときに、凍てつく夜空にこの彗星が浮かんでいた光景を、今でもはっきりと覚えています。

このように一見理解できない行動も、文学的に解釈するのはそう難しいことではありません。文学ではよく、シンボルで解釈するからです。文学的に「死」は、古いものへの決別、つまり再生へのスタートを意味します。新しい生き方をするには、肉体(古い考え)を脱ぎ捨てる必要があったのでしょう。

私はまだコンスエロの『バラの回想』を読んでいないのですが、孫引きさせていただくと、『星の王子さま』を書き上げた直後の1943年、サン=テグジュペリは北アフリカへ出征する際、次のような言葉を妻のコンスエロに残します。

「僕は銃殺される必要があるんだ。自分が洗われたと感じる、この戦争の中で、きれいになったと感じる必要があるんだ」

この自分の過去への決別は、星の王子さまの決別を思い起こさせますね。なぜ、サン=テグジュペリが過去を消し去りたかったかについては諸説ありますが、ナチス占領下にフランスに誕生した親独的ヴィシー政権を支持した過去を清算する意味合いがあったのではないかと思われます。

サン=テグジュペリにとって、薔薇を残した自分の星とは祖国フランス、薔薇は祖国の誇りのことでもあったわけです。

ところが、ド・ゴール将軍指揮下の北アフリカでは、反ド・ゴール派だったサン=テグジュペリは、フランス空軍への復帰を拒まれます。これでは過去と決別できません。そこで知人の伝を頼って、なんとか米連合軍情報部の飛行士になることに成功しました。後はご存知の通りです。

1944年7月31日、九度目の偵察飛行に飛び立ったサン=テグジュペリは二度と戻ることはありませんでした。しかし物語と違って、彼は薔薇(妻)のもとへ戻ったわけではありませんね。気ぐらいの高い薔薇は、また一人残されてしまいました。



Il dit encore:
- Tu sais... ma fleur... j'en suis responsable ! Et elle est tellement faible ! Et elle est tellement naïve. Elle a quatre épines de rien du tout pour la protéger contre le monde...
Moi je m'assis parce que je ne pouvais plus me tenir debout. Il dit:
- Voilà... C'est tout...
Il hésita encore un peu, puis il se releva. Il fit un pas. Moi je ne pouvais pas bouger.
Il n'y eut rien qu'un éclair jaune près de sa cheville. Il demeura un instant immobile. Il ne cria pas. Il tomba doucement comme tombe un arbre. Ça ne fit même pas de bruit, à cause du sable.

王子はこう言いました。

「そう・・・僕の花・・・僕は、あの花に責任があるんだ! だって、僕の花はとっても弱いんだ! とっても繊細なんだ! 僕の花には、周りの世界から身を守るのに、取るに足らない4つの棘しかないのに・・・」

私(注:サハラ砂漠に不時着した飛行士。この物語の語り部で、作者自身の投影でもあります)も座り込んでしまいました。もう立っていられなかったのです。王子は言いました。
「そう・・・そういうことなんだ」

王子はまた少しためらって、そして立ち上がりました。王子は一歩前に進みます。でも私は動くことができませんでした。



祖国の誇り

(星の王子さまシリーズは終わりです。薔薇シリーズは続きます)





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最終更新日  2007.09.14 12:25:04
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