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2009.08.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
造船業界のことは、時々新聞に取り上げられるが、過去の記事は大体否定的なものが多かった。

私が入社した頃は、私が知らなかったのか、それとも本当にまだ日本の造船業界が重厚長大の基幹産業として持てはやされていたのか、今となっては大いに疑問な所があるが、造船は鉄鋼と並ぶ日本の基幹産業であると胸を張っていたものである。

造船と言えば、船を造ることであってそれ以上でもそれ以下でもない。
地球の7割方が海であり、日本は特に島国な訳で、貿易、通商に船は欠かせないという単純な発想で、造船は廃らないと短絡的に思っていた。

その後、追従が激しく、日本を脅かす韓国や中国の参入で、日本の造船業はだんだんと世界におけるシェアを奪われていった。

学生時代はともかくとして、造船会社に勤めた頃良く聞いたのは「今韓国とはどうなんだ?」という質問だった。

造船は多岐にわたる技術の総決算であるが、一旦マニュアル化されて、安直な造り方を知ってしまえば、それほど難しい仕事ではなくなる。日本の技術がどんどんと海外に流失してしまえば、労働力として安い賃金で働く国と競合できる訳はない。

船の種類も、穀物を運ぶバラ積み貨物船や、油を運ぶタンカー、さらに鉄鉱石を運ぶ鉱石運搬船などがあるが、これらは、1度開発して定型化されると殆ど高度な技術力は無くても造ることは可能である。
従ってこの種の船は、韓国や中国でつくる方が安価であることは間違いなく、日本のシェアは必然的に低下する。



その技術も韓国などがキャッチアップするに及んで、次に需要が高まったのが、LNG船である。当初はそれほどまでには持てはやされなかったが、今は石油などに比べてCO2排出の量が少ないとあって、LNG船が脚光を浴びるに至った。

今日の新聞記事には、日本の各社がそのLNG船の性能を競うという結構大きな見出しだった。
その記事の中にも、現在運行するLNG船の世界シェアは韓国が50%弱で、日本は30%を切る状態であった。
もはや誰も日本が造船大国などとは思っていないだろうが、過去に造船に関わったものとしては寂しい限りである。

何年か前には、TSL(テクノスーパーライナー)という、従来のコンテナ船のほぼ倍の速度である50ノット(時速約90km)で航走する海上での新幹線とも言うべきハイテク船が、造船7社の共同開発として注目を浴びたが、3-4年前から、その開発はどうなったのかとんとニュースにならない。

アメリカに端を発する世界不況で、自動車業界は大打撃を受けたが、そのあおりで、造船業界では、自動車運搬船がだぶつき、また、中国当たりの需要の冷え込みなどから、鉄の原料である鉄鉱石を運搬する鉱石運搬船の運航も少なくなったようである。

もちろん一般貨物の流通は極端に減少し、コンテナ船のヤードは閑古鳥が鳴くほどに寂れてしまった。

日本の造船会社でも、殆ど、純粋に造船の占める割合は少なくなっている。トップを行く三菱重工は、その割合が2割強であり、私が関係していた会社ではその割合は高いが、依然4割を下回っている程度である。

高度な技術を問われるLNG船と言えども、すでに韓国のシェアが勝ってきているのである。
この先日本における造船という名は消滅するであろう。
もっとも、韓国も人件費の高騰で、中国の勢力に押され、やがては東南アジアへと移りゆく運命にあると思われる。



その昔、海洋大国で、世界中に覇権を持っていた造船大国イギリスのように、日本における造船という名は風前の灯火のように思われる。

誠に残念なことではあるが、その基礎となる技術を多方面に活用できないかと考えるこの頃である。





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Last updated  2009.08.15 05:18:09
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