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2012.12.03
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トンネルが崩壊との最初の報道に驚いたが、案の定トンネル本体ではなくトンネル内を換気するためのダクトを兼ねた天井板が崩落したとのことである。それならばあり得るといった感じだ。

様々な情報からエキスを拾うと、2日午前8時ごろ、中央自動車道路の東京よりの大月ICと勝沼IC間の上り線笹子トンネル(長さ約4.784km)内において、東京側の出口まで1.7kmの場所で、コンクリート製の天井板が約130mにわたり330枚が崩落したという。天井板(1枚は幅5m、奥行き1.2m、厚さ8cmで重さ約1.2ton)は左右に1枚ずつ計2枚1組で中央部の中壁で仕切られその中壁に沿って、トンネル上部から長さ約5.3mのつり金具で1.2mピッチで吊す構造となっている。

この換気方式は「横流方式」と呼ばれ、天井板を底辺に、つり金具に沿った中壁で仕切られた左右の空間(天井裏に相当する箇所)が排気と送気に分かれ、トンネル内を換気している。最近よく見かける天井に航空機のジェットエンジンの様なものを取り付けたジェットファン方式とは異なっている。

原因は、天井板が止めてあるボルトの劣化乃至は基部コンクリートの割れなどが考えられている。
このトンネルは、竣工後30年を経過していると言い、決められた点検は行っていたようであるが、当該部所は打音検査も行われず、お座なりであったようだ。

この崩落範囲に、運悪くトラックと乗用車、ワゴンカーが通過中であった。崩れてきた天井版の下敷きになって、9名が命を落としたと言うことである。
走行中にトンネル内で天井が落下する事を予想して走る人間など居ないのは当然である。突然降ってきた天井板にさぞかし度肝を抜かれたであろうし、気がつけば天井版の下引きになっていたと言うところだろう。

トンネル自体が崩壊すると言ったことはないくらいに十分安全側に建造されているであろうが、こういった駆体そのものに対する安全性は十二分に検討が行われ、対策は採られているのは通常である。


しかし、今回も問題となったのは、補助的な部材についてであった。詳しい原因を聞いてみなければ解らないが、現在は、つり具と天井板をつないで固定しているネジが、振動などで少しずつゆるんだか、腐食するなどしたのではとする原因が考えられている。特にトンネル内部は排ガスがたまりやすく、腐食が進行する要素はあるようだ。

さらには、地震などにより、周辺の地質の変化が影響した可能性を指摘する声もあるようだ。トンネルは常に外側から内側に向かって力が加わっている。トンネル周辺の岩盤が変形しやすい性質であればトンネル全体が変形して天井板を支えていた中壁辺りがねじれて、バランスが崩れたという可能性も考えられる。

1日あたりの平均の交通量は上下合わせて約4万6千台が通ると言うから、車の振動が外壁を伝わってボルトを緩めたのかも知れない。こう云ったことを未然に防ぐために、重要性の高い道路トンネルでは年に1回、一般のトンネルでも5年に1回程度は点検が必要と定めているが、これをお座なりに済ませていれば何をか況やと言うことになるわけだ。

3.11の福島原発事故も然りだが、本体は十二分に安全に対する配慮が成されていても原子炉を100℃如何に冷却する為のボイラーに同様の配慮がなされていなければ、今回の事故のような悲惨な結果になってしまう。それと同様に補助的な役割の部材といえども、今回のように落下してしまえば、トンネル本体が崩落したと同じくらいに大惨事となるわけである。

かのスペースシャトル、チャレンジャーの事故もほんのちっぽけなOリングの不具合によって起こったと言うことを肝に銘じなければならないだろう。しかもそのことが軽微な問題として無視されたこと(検査で素通りとなったこと)に依ると言う点も見逃されてはならない。

「横流方式」の場合の天井板をつるす強度計算では、単純にボルトの強度を吊り荷重(1枚1.2ton)に安全率を幾らと言った単純な計算であろうし、この安全率の中にボルトの腐食代や、振動による動的な荷重なども見込んで算出していると思われる。なんだかの異常荷重が掛かったのか、過度な振動でボルトが緩んで外れたのか、ボルトの材質が基準を満たしていなかったのか詳細の解析を待たなければいけないが、1箇所でも崩れると、括弧撃破的にその累は他に及ぶことも考えられるわけで、原因究明とその対策には十分意を尽くしてもらわなければならない。

こういった「横流方式」の換気方式を使ったトンネルは全国で、20箇所とも40箇所とも言われているが、早急に対策を講じてもらわなければ、トンネルこそ地獄への入り口にならないようにしてもらいたいものである。





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Last updated  2012.12.04 11:12:19 コメント(4) | コメントを書く


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