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2025.02.08
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テーマ: 読書(10127)
カテゴリ: 本日読了
2025/02/09/土曜日/関東は晴天








〈DATA〉
出版社 岩波書店
著者   溝口睦子

2009年1月20日      第1刷発行

岩波新書(新赤版)1171



〈私的読書メーター〉 古事記は宮廷官吏に軽んじられ長く解読不能だった。本居宣長以来、江戸後期にはお伊勢参りが大ブームになるなど広まった。さて、幼児期以来折りにつけ読む古事記は、実は私にはさっぱり捉えられない神話なのだった。部分のエピソードが際立ち筋としての統一が無いのだ。著者は専門の立場から、ムスヒと土着神の皇祖神の交代を説く。学術認識の地点が明確になり私の疑問も緩んだ。ヤマト王権の臣君が土地に、連は職掌に因む、の指摘は目から鱗。本当に国譲りを迫ったのはアマテラスだろうか。中央集権のタテ構造に彼女は似合わない、と私も感じる。〉



本書は古代天皇制思想の核心部分である国家神についての疑問の解明がテーマであると序章で宣言されている。

歴史学や国文学、民俗学、思想史のあらゆる分野 、あの丸山眞男ですら、
天皇制思想の根幹をなす国家神はアマテラスであると固く信じられてきた
、と。


その背景には明治憲法に天皇をヒエラルキーの頂点に置く思想的背景の画策として、アマテラスを我が国独自の文化的な役割として利用?据えられたことにあった、ということ。

また学術関係者らの古事記に傾いた読み取りがあったこと←誰もが避けられない本居宣長? 日本書紀では タカミムスヒ 、と。


よく知られているように、日本書紀は海外=中華に向けて編纂された国史であり漢文で記され、古事記は国内一般に向けて大和ことば←漢字当て字、で記された。


中央集権国家として、いち早く大陸や半島の進んだ政治形態である王政に肩を並べるため、いわば輸入される形で登場したタカミムスヒを皇祖神にすえた、と結論付ける。


皇祖神が タカビムスビノカミ であると主張した端緒は昭和29年の昭和天皇進講を行った 岡正雄 氏の説であることも示している。


古代の神はどの文明でもあまねく女性神だ。
それは農耕と新たな命を生み出す、再生と豊穣の
シンボルなのだ。

やがて青銅器や鉄が発明されると、武力で支配する王制となり、女性は神の位置から排除され、男性中心の政治形態に変わっていく。

という説明をトルコツアーの現地ガイド氏である
考古学専攻、元教師の方から聞いた。
首肯。


そんな文明の大きな波が、ヨコ的だった秋津洲にも打ち寄せ、天の高い所由来の北方ユーラシア渡りの権威的な神を急遽据えることになった。


タカミムスヒの内、タカとミは美称尊称で、
神名としてはムスヒ。ヒを日とするか霊とするかは
別れるところらしいが著者は日と捉え
「万物を生成する日」 の意だとする。


外来神であるタカミムスヒは太陽の神であるばかりでなく、日月も象徴する天帝である。

皇室の子孫は故に「日の御子」と称され、ヤマト連合の王と画期された大王となる血筋となる。
まあ座布団、高下駄?としての外来のカミ。


やがて天照大神が皇祖神の位置に着くと、風土記編纂の8世紀後半にはムスヒは「魂」の一語で表されらようになった。

そんな記述に触れてみればなるほど、神魂神社は
カミムスヒ→カモスと人口に膾炙したのだろう。

天照大神の天照は太陽や月に用いる形容語なので
天照御魂神はアマテラスミムスヒの神であり、タカミムスヒである、というややこしさ。


4-5世紀の古墳から出土する副蔵品は、爪先から頭のテッペンまで大陸、半島由来で鹿鳴館時代どころではない、日本的民族的なものはどこに行ったのかという石母田氏に対して目に見えるものの変化は理解されやすいが、精神面での大きな変化を記紀に探るという解。


そうして見えてくるのが、北方ユーラシア騎馬民族が大暴れして周辺豪族を震撼させ、勢い、地域を国に凝縮させたタカミムスヒ系の天帝神話と、日本に古くから語り継がれたイザナギイザナミのクニトコタチら始源神の二つの流れを国譲り神話で結んだ記紀神話である。



私はこの本を読みながら、 出雲口伝 であるところの 『出雲と天皇』 との親和性もいくつか感じた。


スサノオの像に関しては其々異なるし、私自身どちらも腑に落ちない。

しかし学問をすることで明確になるなあ、と感じるのは、 天武の氏族政策 について書かれた第5章。

長年用いられた「臣、連、君」から「真人、朝臣、宿禰、忌寸」への撤廃と移行は先の姓が出自の差に伴っていたのを解消させたたが、その中にも天武天皇の政治力を著者は見ている。真人は天皇子孫。


天皇下でヤマト王権最大の連、大伴氏を第二位の宿禰に留め、大神氏を朝臣の筆頭に据えたのは、前者はムスヒ系、後者はアマテラス、オオクニヌシ系であるということ。


律令制に舵を切り始めた頃はまだ地方豪族の力が大きいということも背景にはあるだろうが、皇祖神にアマテラスを据えたのも天武天皇が直接関わった古事記において、なのである。


ある日をもって私部私民を公地公民とし、国からサラリーを貰う仕組みに、各地の豪族が納得したろうか。しかも祖神の存在まで否定され、渡来人が周囲を取り囲む大王に支えたろうか。

その辺りの統治者能力の高さを著者は天武に見ているのである。


何をもって国のまとまりとしたか。
日本人にとって最も親しいカミは、

しかし、私には朝日に向かい虚心に拝む遠い遠い
祖先神、サイノカミに行き着く。














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最終更新日  2025.02.08 14:05:41
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Re:『アマテラスの誕生』(02/08)  
「アマテラスの暗号」(泣かないでアマテラス) さん
 ≪…アマテラス…≫と[ヒフミヨ]の[シンタックス]と[セマンティックス]は、絵本の力で・・・

 「こんとん」
 「もろはのつるぎ」


 ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな

 神の旅根を集めてヒフミヨに


 もろともにあわれと思へヒフミヨは根より他に知る人もなし  (2026.05.21 09:48:02)

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