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『愛のはじまりを予感する時』

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2008年07月05日

　ゆみたろ、『本日封切り』の映画を観るのは生まれて初めての

　体験です！ (笑)

　まっ、そんなことはどーでもイイのですが。

　この映画を “骨太の社会派ドラマ” として成功させているのは、

　何と言っても実力派揃いである俳優陣の功績が大きいでしょうね。

　邦画に多いかな？とは思うのですけど、タマにというかシバシバ

　というか、原作も脚本も役者もイイのに、たったひとりの出演者

　その映画全体の価値や雰囲気が一気にトーンダウンしちゃうこと

　ってありません！？ (EX.『鉄道員』の△◇○子さんとかね★)

　この映画にはそれがない！

　いやいや、大事なことですよ。

　１９８５年の日航機事故のことは憶えています。

　ただ、当時まだ大人になってなかったコドモゆみたろなので、

　『とっても大きな飛行機事故で、たくさんの人が亡くなった』

　ってことだけ理解しましたが・・・

　それでも翌々年に人生初の飛行機搭乗となった海外旅行では、

　いろいろと処分したゆみたろなので、あの事故の映像は飛行機

　事故の原風景として強く脳裏に焼きついていたんだと思います。

　さて、ハナシは映画の内容に戻りますが・・・

　新聞社という大きな組織で働く主人公たちの、矜持や憤りを

　真夏の熱のような息苦しさをもって全編に感じました。

　しない上層部が、「足で集めた情報を誇れ！読者達はそれに

　感激するんだ」ってな、盲目的精神論をかましていた時には

　ゆみたろも客席で拳を握って『ふざけんなよ、おい』と怒り、

　『論点を摺りかえるなっ！美談で飯が喰えるかよ！？』って

　怒鳴りたくなりましたよ。ふぅ～っ (思い出し怒り)

　ゆみたろの職場でもしばしば起こるんですよー、この精神論

　至上主義最優先なカンチガイ現象が・・・(涙)

　日航機事故当時、実際に地元新聞 (劇中では北関東新聞社)＝

　上毛新聞の記者だった横山秀夫氏の体験を踏まえて書かれた

　原作なので、描かれ表現されているものはとてもリアルです。

　原作にはもうひとつ、人のいのちや身近な者の生死を、逆説的

　アイロニーを以って黙考せざるを得ないような『投書』という

　エピソードがありますが、映画ではそれは割愛されているので、

　当時この事件に関わった人々の葛藤や心の深淵をもっと描いて

　ほしかった・・・と感じる方は、併せて原作を読むことをお薦め

　します。

　映画のラスト近く、現実にあの事故で亡くなった内のひとりの

　方の遺書(部分)が朗読されますが、本当に胸が抉られるような

　気持ちになりますね。

　もしそれが自分であったら？　

　もしそれが自分の家族であったら？

　人の仕業とはいえ、決してエラーを起こしてはならない仕事の

　ひとつですよね。

　遺書、ではないのですが、事故機に搭乗していたＣＡのメモも

　遺品として見つかっています。

　コントロール不能になった機体が不時着(墜落)することを予測

　して書かれた機内放送用のメモで、不時着時に衝撃を緩和する

　体勢や、連れているお子さんへの配慮などが日本語と英語とで

　書かれています。

　乗客もスタッフも何もない、自分の命も同じように危機に脅か

　されているのに、パニックを起こさず、自分の家族への言葉を

　遺すわけでもなく、最期まで職務を全うしたこの人へは、同じ

　ように命を預かる仕事をする者として、これ以上ないほど強い

　尊敬を感じます。

　事故から２３年という月日が経ちますが、劇中にもあった台詞の

　ように、過失に目を伏せるのではなくきちんと対峙し学び取って

　こその “自尊と誇り” である。

　ゆみたろもそう思います。

　まだご覧でない方はぜひ。

　あっ、

　高嶋兄がしゃべっていた、あの不思議なイントネーションはもしや

　群馬弁のつもりなのでしょうか！？

　・・・・・激しく、謎・・・・・

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