「ストームグラス」を作ってみました。 ![]() 製作1週間後のようす。 ストームグラスは天気によって 中にできる結晶の様子が変わると言われています。 涼しいなと思う日は綺麗な結晶, 寒いと多め,暑いと綿のようになっています。 市販品はこんな感じ。 Wikiに作り方が詳細に載っており ,それによると, 「樟脳 7.09グラム、硝酸カリウム 1.77グラム、 塩化アンモニウム 1.77グラムを粉末にして 56.7グラムの44.1%エタノール水溶液に溶かし、 長さ25cm・直径2cm程度の試験管に入れ、針で細孔を開けた紙や革で封じて作る。」 とあります。 この材料のうち「硝酸カリウム」は 燃焼を助ける物質として花火に使われるような材料であり, 消防法第一類の「酸化性固体」に分類されます。 これがないと作れないということはお家で作るのは 無理そう…と思っていたのですが, 「硝酸アンモニウムと塩化カリウムでも作ることができる」 と書いてあるサイトをいくつか拝見しました。 面白いアイディア! 詳しい理論は置いておいて,実験方法です。 ![]() 80%エタノール67gに樟脳15g, 水54gに硝酸アンモニウム3g,減塩用の塩5gを溶かします。 硝酸アンモニウムは保冷剤の中身、 塩化カリウムは減塩用のお塩に含まれるので 入手は簡単だし安全な物資です。 どちらも簡単に溶けます。 (ただし水溶液の方は何やら白いものが浮いてしまったので ろ過して取り除きました。) ![]() 2つ作りたかったので2つに分けて,同じ割合になるように 水溶液を注ぎました。 どんどんと白い結晶ができてきます。 出来上がり直後。ふわふわした結晶でいっぱいになりました。 ![]() 塩化アンモニウムの結晶に似ています。 ![]() 2日経ったところ。透明部分が増えて,出ている結晶は 小さな針のような結晶が多く硝酸カリウムに似ています。 ![]() 1週間経った気温25℃くらいの日の様子。 細い樹木のような繊細な結晶が現れました。 透明どうしの液体なのに,混ぜると結晶が析出してしまうのは エタノールと水の結びつきが強いので イオンの周りにあった水分子や,樟脳分子の周りにあった エタノールが減ってしまったからかと思われます。 ![]() 溶解度のグラフを見ると下の方にある線が今回溶かした量ですので 水だけなら析出することはありません。 析出するときは,エタノールの影響が同じなら 温度が低ければ硝酸カリウム 温度が高ければ塩化カリウム,塩化ナトリウムが 析出することになるのかな? もちろん樟脳も析出するし,複雑な平衡状態にあるのでしょう…。 材料配合レシピについて いかにwikiにある組成に近いものにするかを計算しました。 「硝酸カリウムと塩化アンモニウム」を溶かすと それぞれ水中で電離して 硝酸イオン,カリウムイオン,塩化物イオン,アンモニウムイオン になります。 ![]() これは「硝酸アンモニウムと塩化カリウム」の 組み合わせでも同じになります。 ![]() ただ、減塩用のお塩は半分は食塩(塩化ナトリウム)なので、 この方法だと本来のストームグラスにはない 「ナトリウムイオン」が含まれます。 ![]() さらに,塩の組み合わせが違うと量の割合は異なります。 どのくらい割合が違うのかな? 物質量モルに換算してイオンの個数で比べてみました。 ![]() 上がWikiにある組成,下が組み合わせを変えた塩のものです。 硝酸イオンとカリウムイオンを本来のストームグラスの量に合わせると アンモニアの成分が少なくなり, 代わりにナトリウムイオンが含まれます。でも思ったよりいい感じ。 小数点以下の重さを量るのは難しいので整数になるところで ![]() として作ってみることにしました。 ちなみにアンモニア水を加えることにすると ![]() だいぶ成分が同じになります。想像以上の一致。 減塩用のお塩のおかげで塩化物イオンがカリウムイオンの2倍ある のが辻褄が合う原因。 …とは言ってもあまり薬品の在庫を抱えたくないので, とりあえずはアンモニア水は 購入せずに試してみることにしました。 綺麗な結晶を楽しむには,きれいな形のガラス瓶が 不可欠です。 ハーバリウム用の容器は容器のゆがみが少なく 細かい結晶が見やすいです。 にほんブログ村 |
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