きょうのモヨウは
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祖母の命日が近いのでお墓参りに行った実家は山間の田舎で、今はやりの限界集落ともいえる。新緑の季節、お墓の奥は少し歩くと山に入り、実家やその近所の山で今頃はワラビがとれる。墓掃除してると見慣れないおじいさんが挨拶して通り過ぎた。もう嫁に行って30年になるし、小さな村とはいえ知らない人は少なからずいるので、何気なしに挨拶を返した。墓掃除が終わり、私も少し山菜をとって帰ろうかと一度車に戻ると、やっぱり知らない、だぶん近所のおじさんがバイクで来た。「あんたはだれかね?どこから来たかね?」「【とのや】の嫁に行った娘です。長女です。」同じ名字が多い田舎では、たいてい、生涯ファーストネームか屋号で呼ばれる。爺さん、ばあさんでも、「けんちゃん」「みよちゃん」嫁にきて20年たっても「坂の上の嫁」などと呼ばれる。【とのや】とは私の実家の屋号だ。全く知らない顔でも、「とのやの嫁に行った長女」といえばすぐ誰かわかる。その後に続いて、「あー、名前は何だったかね?」とか「今どこにすまいしてるかね?」とか色々再確認の作業をされる。写真入り身分証明書なんかなくても5分もすれば身元確認はばっちり。おじさんは家に戻っておばさんや近所の人と確認作業をするに違いない。そうするうちに、さっきあいさつしたおじいさんが戻ってきた。身元確認が始まる。「あんた誰かね?どこから来たかね?」「あ。。。隣町から来たもんです。」ジャンバーの胸元が変に膨らんでる。目も泳いでる。「その胸のもんはワラビだろうけど、あんたどこの土地で採ったかね?」「あ・・・・」この先の山の持ち主は数人いるので誰か関係者と思ってたけど、どうも違っていたらしい。「とのやの嫁に行った娘ですけえ、採って帰れいわれましたわ」と私が言えばそれはOKだけど、このおじいさんは誰の名前も、自分の名前も、屋号さえも言えなかった。「うちから見てたら、あんた、〇〇さんの山歩いとったが、 知り合いかね?頼んで入らせてもらったかね?」「・・・・・・」とろい私にもようやく、このおじいさんが山菜泥棒で、わたしも同じように泥棒の容疑者となっていたことがわかった。「もうとったもんはしかたがないけ、持って帰って、二度とこらんでごせ」吐き捨てるように言って、おじさんは泥棒を通した。泥棒は「この車があるので帰れません」と困ったように言う。あ、これは地元の人じゃない。私の車は泥棒の後ろにつけてあった。一見行き止まりに見える道路は、すぐ先で曲がって国道に抜ける道に出る。地元のものなら誰でも知ってる。おじさんは、時々山菜泥棒が来て注意していたところに、見かけない車が2台長時間止まっているので見に来たそうだ。泥棒は行き止まり(に見える場所)で私の車に塞がれて逃げるに逃げれなくなったらしい。「もう二度と来んでごせやい」おじさんに悪態つかれながらおじいさんは車で逃げていった。今日とても驚いたのは、泥棒は昼間から普通の格好をしてきちんと挨拶をしながら堂々と盗みに入るものなんだってこと。
2017.04.23
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