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2025年10月22日
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カテゴリ: 読んだ本


戦後間もない小金井を舞台に五人の男女の心理を描いた小説である。大学教授秋山とその妻の道子、事業をやっている大野とその妻富子、そして復員してきた道子の従弟の勉が登場人物であるが、道子は貞淑でやさしい女性、富子は善良だがコケットな女性と対照的。男性も、秋山はプライド高く打算的、大野は鷹揚で社交的、勉は戦場の体験から屈折したところがあると、三者三様である。秋山と富子は不倫関係にあるが、富子と道子は勉を愛し、勉は道子を愛しているが、富子にも惹かれるものがある。
恋愛といっても理想的な恋愛の描写はない。旅館の朝の描写では富子は秋山のいびきをきくとともに、朝の光でみる白髪や皺に気づく。秋山と道子は望み望まれて結婚したが、世間知らずの道子はなにかに夢中になりたかっただけだし、秋山は道子の家柄と財産も計算に入っていた。勉も優しい従姉の道子への恋に、反抗的な喜びを感じたのかもしれない。勉の自堕落な生活の描写もあり、彼もまた決して理想的人物ではない。登場人物の中で一番「いやな奴」は秋山であろう。自己の都合の良いように解釈した近代文学論で不倫を正当化し、道子に財産がなくなると、離婚を持ち出す。ここまでこうした人物の性格を生き生きと描いているのは、作者の身近にモデルがいたとしか思えない。
五人の男女の愛憎劇なのだが、小説全体の雰囲気が爽やかなのは、題名のとおりその武蔵野の描写によるところが大きい。丘陵があり、はけという崖があり、湧水があり、川がある。昭和30年代以降に急速に宅地化する以前の武蔵野にはこんな雰囲気のところがあちこちにあったのだろう。自分もそんなところに育ったので、目の前の川からは蛙の鳴き声が聞こえ、森からは毎晩フクロウと声が聞こえてきた情景を思い出した。





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最終更新日  2025年10月22日 08時51分52秒
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