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↑猩々草(ショウゾウソウ)・サマーポインセチア今朝、初めて気がつきました。見た目は、まるで矮性の「ポインセチア」。道路脇のコンクリートと物置の隙間に根を下ろして咲いて(?)いました。初めて見る植物です。さーて、これは一体何でしょう???キーワードを変えながら検索→「画像」を順に見ながら探しましたがなかなか見つけられず、最後に「ポインセチアに似た植物」で検索、名前が判明しました。灯台草(とうだいぐさ)科。ユーホルビア属の一年草で、よく知っているポインセチアは和名を「猩々木」といい、同じ、灯台草科、ユーホルビア属でした。因みに「花」は、ポインセチアと同じく、赤い葉の中央にあり、蕾が開き始めたばかりでした。かぎけんWEB → ショウジョウソウ(猩々草)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆ 峰公園 ☆↑ルドベキア タカオ群れて咲く花が可愛い〜♪↑エキナシアパープレア
2015.07.30
↑ゴーヤのカーテン↑今朝の収穫今年、主人が植えた苗は3本だけ… 。大丈夫かしらと心配しましたが、梅雨明けと同時に一斉に花を咲かせ、リビングの南面(2間)の幅一杯に葉を繁らせ、見事なカーテンが完成しました。肝心のゴーヤも、毎朝たくさん収穫できる様になりました。弦は2階のベランダの手すりまでよじ登り、屋根の上でも実をつけはじめました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑青紫蘇のジュース庭の至るところで繁茂する、青紫蘇を摘み、友人のSさんに教えてもらった紫蘇ジュースを作りました。作り方はとても簡単!分量と作り方は、クエン酸の容器に書いてあったのと、Sさんに教えてもらった方法のミックスです。薄茶色だった青紫蘇の湯で汁が、クエン酸を入れると綺麗な赤?に変わります。好みの分量の水で薄め、氷を浮かべていただきます。☆材料青紫蘇=200g砂糖=500gクエン酸=15~17g水=1000cc☆作り方1.青紫蘇の葉はよく洗い、ザルに上げて水切り。2.沸かした湯に青紫蘇を全量入れ、3分茹でる。4.葉を取り出し、砂糖とクエン酸を入れ、溶けたら火を止める。5.目の細かいシノワ(こし器)か、ガーゼで漉す。6.ガラス容器に入れて、冷蔵庫で保存。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑今朝の収穫・ピーマン今年のピーマンは、去年と違って身が薄いタイプでした。元の苗は2本だけですが、収穫量が多く、今年のピーマンの方が料理にも使い易くて重宝しています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑ブルーベリー七月初めから、少しずつ収穫が始まったブルーベリーも、いよいよ残り少なくなって来ました。写真は、相性の良い品種を選び、昨秋2本植えた苗木の内の一本です。こちらは、初めてにしては予想以上の収穫量でしたが、味は大味・・・。もう一本は、収穫量は少なかったのですが、甘くてとても美味しい実をつけてくれました。他には、胡瓜が2本と、まるで茄子そっくりの、紫紺色の実を付ける、奈良の伝統野菜の「紫唐辛子」が植わっています。
2015.07.29
残月♤ みをつくし料理帖シリーズ8☆残月(ざんげつ)・高田 郁(たかだ かおる)・角川春樹事務所・ハルキ文庫、2012年3月18日 第一刷発行吉原の大火の折、あさひ太夫と一緒にいて助けられた翁屋の上客、攝津屋がつる家を訪ねて来た。あさひ太夫の身を案じる澪に、攝津屋は太夫が無事であることを告げ「太夫とお前さんの関わりを知りたい」という。太夫が何も話さないと聞いた澪は「それなら私が勝手にお話しすることは出来ません。どうぞ、お許し下さい」と畳に手をついた。また、自分の命の恩人、又次が「頼む、太夫をあんたの…あんたの手で…」と言った、最後の言葉の意味を知りたいという問いにも、澪は再び手を畳において、額を擦り付けた。上野宋源寺での又次の満中陰の法要のあと、一人不忍池に向かった澪は、かつての想い人、小野寺数馬の実妹、早帆に出会った。お互いに身を案じる言葉を交わしたあと、早帆は「如月の末に兄が妻を娶り、安堵したのでしょう、弥生十日に母がみまかりました…」という。そして躊躇いがちに「兄嫁は齢十七ながら、これまで生家の手持ちの駒として、女の幸せとは遠いところで生きて来たのです。……兄もまた、澪さんに抱いていたような思慕ではないにせよ、夫婦として幸せになる道を模索している様に思います」言った。何の後ろ盾もない料理人の自分を、息子の嫁にと願ってくれたひと。去りゆく早帆の背中にそのひとの面影を重ねて、澪は両の掌を合わせ、深々と首を垂れた。行き方知れずだった天満一兆庵の息子、佐兵衛の消息が分かり、天満一兆庵の再建を、とにじり寄る母 芳に、佐兵衛は「料理の道に戻る気ぃはおまへん」と告げた。黙って二人の遣り取りを聞いていた一柳の店主 柳吾は、富三の名を出し「富三は、主の放蕩で天満一兆庵は潰れたと吹聴していたが、おそらく富三が店の乗っ取りに何らかの形で加担していたのだろう。主人が奉公人に背かれて店を失うほどの恥はない。その恥を知ればこそ、誰にも話せないものです」と言い、さぞや辛かったことでしょう、と柳吾は佐兵衛を労った。佐兵衛の双眸から涙が吹き出し、畳に突っ伏して号泣した。息子の背に手を置き撫で続ける芳もまた、静かに涙を流していた。全てを話して胸の閊えがが取れたのか、佐兵衛は来た時とは別人かと思うほど穏やかな表情をしていた。澪には「登龍楼にだけは決して関わったらあかん。私は下手に関わったさかいに、結局、料理を捨てる羽目になった。何も知らんまま一切関わらんことや。分かったな」といい、柳吾と芳には必ず連絡すると言い置いて、振り返り振り返り、俎橋を渡って行った。芳は、傍に立つ澪に「跡取りの佐兵衛が断念した江戸店の再建をお前はんに託すことは出来ん。…もうお前はんを縛りとうないんだす。忘れておくれやす」といい、娘の手をやさしく握った。ふきの料理人としての素質を早くから見抜き、ふきを仕込んでいた又次の心を引き継ぎ、ふきを料理人に育て上げようと、澪は心に決めていた。一方、戯作者 清右衛門から、翁屋のあさひ太夫の身の上、太夫と澪との関わりなど、洗いざらい聞かされた種市は、澪を自由にしてやるべく、つる屋から送り出す算段を整えることを決めた。登龍楼の店主 采女宗馬は、吉原に再建中の店に澪を板長として迎えたい、ついてはつる家に引き抜き料として幾ら必要かと問うた。受ける気の無い澪は、法外な「四千両」と答えた。芳は「過去の想いも全て受け止めて、芳と生きてゆきたい、どうか私のもとにいらして下さい」と言う一柳の店主柳吾の言葉に泣き続けた。芳の柳吾への想いを知る澪は、芳の幸せを願いつつ背を撫で続けた。源斎の仲立ちで、つる家の料理人と吉原の太夫と言う形では有ったが、再会も果たせた…。漸く訪れた幸せの兆しに、澪は寒中の青々とした麦の姿を重ねあわせていた… 。
2015.07.29
↑ ピンクのデュランタ近所の家で、咲き始めたばかりの、珍しいピンクのデュランタを見つけました。デュランタといえば、濃い青紫と白だけしか見たことがありませんでした。調べてみると、もっと濃いピンクの花も有りました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑ 花笠菊(ハナガサギク)毎朝通る家の庭に咲いています。ひょろひょろと背ばかり高くて、細い茎の割りに花が大きい…。何ともアンバランスな花なのに存在感がある…。この辺りでは見かけない花で、なんと言う名前の花なのか、ずっと気になっていました。庭の手入れをしていらした家の方に教えて頂いた、○○キク、△△△キクと言う名前は、残念ながら違っていました。いつもの掲示板に質問するにも、花や葉の大きさ、背丈の記憶が曖昧でした。仕方がないので、キク科、黄色い花、夏…、など、思いつくキーワードを入れ、出て来た画像を順に見て行き、やっと見つけました*\(^o^)/*地面からの高さは、1.5~2m位でしょうか。地面が道路より高いので、見上げる様な高さで、いつも風に揺れて咲いています。お家の方は、花が咲いている期間が長く切り花に重宝していると仰っていました。☆7.29 追記「植物図鑑 Weblio辞書」によりますと、北アメリカ原産。キク科オオハンゴンソウ属の「オオハンゴンソウ(R. laciniata)」を改良した八重咲きの園芸品種で、一部では帰化しているとか。英名は Golden glow rudbeckia。詳しくは、下記のリンクをご覧ください。植物図鑑 Weblio辞書 → 衣笠菊とは
2015.07.28
☆ 上大岡・大賀の郷の向日葵畑 ☆三万本の向日葵お使いのついでに、駅の一つ手前のバス停で下車、向日葵畑へ寄って見ました。10日ほど前には未だ固い蕾だった向日葵が、既に満開でした。きょうは、ちょうど「向日葵フェスティバル」だったらしく、9時半ごろ到着した時には、向日葵畑へ入るための行列が出来ていて吃驚しました。向日葵や、団扇、ドリンク類のサービスもあり、大賑わいでした。私は30分ほど見たあと駅へ向かいましたが、向日葵畑へ向かう大勢の人達とすれ違いました。この向日葵畑は上大岡駅東口から徒歩で5~6分、住宅地の中にあります。☆向日葵畑の地図 → 横浜市港南区上大岡東1丁目34↑上記の住所の部分をクリックorタップすると地図が開きます。開いた地図の矢印「⬅︎」マークをクリック=左側のフレームが消えます。プラス「➕」マークをクリック=地図が拡大します
2015.07.25
↑オニユリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑コオニユリオニユリは梅林、コオニユリは公園の土手、どちらも岡村公園で咲いていました。松江の花図鑑→オニユリ、コオニユリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花が咲き終わった後の、装飾花だけ残った紫陽花も素敵!こちらも、岡村公園で写しました。このまま放置すると、花も葉も茶色く枯れて、ドライフラワーの様になります。それもなかなか素敵なのですが、多分それまで残してはくれないでしょうね・・・。
2015.07.24
♤ みをつくし料理帖シリーズ7☆夏天の虹(かてんのにじ)・高田 郁(たかだ かおる)・角川春樹事務所・ハルキ文庫、2012年3月18日 第一刷発行想い人と生きる道か、料理人としての道を全うするか…、悩み苦しんだ澪は、後の道を選んだ。小野寺の前で「お許し下さいませ。料理は私の生きる縁(よすが)です」と額を地面に額を擦り付け詫びる澪に、小松原は、暖かな声で告げた「ならば、その道を行くのだ。あとのことは何も案ずるな。……全て俺に任せておけ…もはや迷うな」言い置くと去って行った。間も無く小松原が嫁を迎えたと知った澪は、自ら選んだ道なれど、料理人の命とも言える嗅覚と味覚を失った。翁屋の楼主、伝右衛門は又次を2カ月だけ貸してくれたが、澪の嗅覚と味覚は戻らないまま約束の期限となった。又次がつる家の人々だけで無く客にも惜しまれながら帰って行ったその日、吉原の大火で翁屋は焼け落ち、あさひ太夫を救い出し大火傷を負った又次は死んだ。又次が焼け死んだ場所から持ち帰った灰は、小さな壺に入れて、つる家の調理場の棚に置かれた。澪の嗅覚と味覚は、野江(あさひ太夫)の髪の焦げた匂いをきっかけに戻ったが、その巡り合わせの何と言う皮肉さであろうか…。
2015.07.24
↑白蝶草(ガウラ)・あけぼの↑白蝶草(ガウラ)☆7.23 追記一番上の、花弁にピンクの混じった'ガウラ'は珍しいかと。調べてみました。日野春ハーブガーデン → 白地にピンクが混じった品種 ↓ガウラ・あけぼのみんなの趣味の園芸 →
2015.07.21
↑S小学校のカサブランカタチアオイやウチワサボテンの花は終り、カサブランカやスカシユリ、白粉花が咲いていました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑ルリマツリ近所の知人の家のルリマツリが、風に揺れて涼しげです。やっぱり、真夏には、バラより涼しげな花が似合いますね^_−☆
2015.07.19
☆ 7月のバラ・フラワーセンター大船植物園バラ園 ☆真夏の日差しの中で、薔薇の二番花が咲いていました。5月の一番花と比べると、花は全体に小振りでしたが、負けないくらいたくさんの花を咲かせているバラもありました。
2015.07.18
フラワーセンター大船植物園台風の先触れで、今日は一日中、雨が降ったり止んだり・・・。昨日、出会った花たちが、どうしているかと気がかりです。.フラワーセンター大船植物園
2015.07.16
フラワーセンター大船植物園↑山百合・花の築山↑ 山百合・ツツジ&石楠花園午前中、大船にある植物園へ行って来ました。このところ忙しくてどこへも行けずにいる内に、紅筋山百合は完全に咲き終わっていました。白い山百合が辛うじて残っていましたが、今年は生育状態が悪く、花が少なかったとか・・・( ; ; )ラジオ体操+駅との往復+園内をうろうろで、ただいまの歩数が既に13000歩です(*^^*)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑蓮の花・入り口付近↑蓮の蕾とトンボ・蓮池蓮池は花が少ないので、未だ時期が早いのかと思っていましたが、今年は生育状態が悪く花が少ないそうです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑ブットレア・さるすべり園近所の、峰公園にも咲いていた赤紫色のブットレア、こちらはかなり大きな木でした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑真紅の百日紅・さるすべり園フラワーセンター大船植物園
2015.07.15
↑一才百日紅(赤)・親・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑一才百日紅(ピンク)・子供どちらも、矮性の'一才百日紅(イッサイサルスベリ)'です。以前にも書いたことがありますが、赤はご近所の方から頂いた背丈15cmにも満たない苗でした。翌年から花を付け、40年経ったいま、幹の太い所でも直径6cm。子供のピンクの直径は3cm位です。晩秋に、1.5~2mくらいの高さで刈りこむと、程よい高さで見事な花を咲かせてくれます。
2015.07.14
↑サッコウフジ(醋甲藤)朝の散歩道は、季節ごとに新しい発見があって楽しみです。又々珍しい花を見つけてしまいました。花は萩に似ていますが、全体にもっと逞しい感じです。あれこれ検索しても分からず、またまたいつもの掲示板で教えて頂きました。萩と同じマメ科ですが、この花は「サッコウフジ」、別名を「紫夏藤」と言うのだそうです。草花を愛でる方々のためのお尋ねBBS に投稿、chi さんが教えて下さいました。ありがとうございました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・姫檜扇水仙(ヒメヒオオギスイセン)私の住む町内会の中にある公園は、合わせて三カ所だと思っていましたが、もう一つあるのを忘れていました。写真の花は、岡村公園の近くにある、その1番小さい公園で、ただいま満開でした。
2015.07.12
♤ みをつくし料理帖シリーズ6☆心星ひとつ・高田 郁(たかだ かおる)・角川春樹事務所・ハルキ文庫、2011年 8月 日 第一刷発行翁屋の楼主、伝右衛門の力を借りて、吉原に天満一兆庵を再建するのか。登龍楼の神田須田町の店を、居抜きで30両という破格値で買い取り、つる屋を移転するのか。選択肢は二つに一つ…。料理番付の行司役、日本橋にある料理屋「一柳」の店主、柳吾は「人は与えられた器より大きくなることは難しい」と言う。りゅうは「一柳の旦那は若いですねぇ。器が小さければ自分の手で大きくすりゃあ済むことですよ」と言った。りゅうのその言葉を聞き、思いあぐねていた澪の心は決まった。つる家を自らの手で大きくすると。黒塗りの宝泉寺籠が、つる家の前に止まり、武家の奥方と思しき女が降り立った。女は、世継稲荷の縁日に助けてもらった早帆と名乗り、澪に料理を教えて欲しいと切り出した。折々に見せる早帆の人柄にふれ、澪はこの人のためなら、残りの日々、持てる限りの料理のコツを教えて差し上げようと思った。料理指南もいよいよ明日一日となった日、早帆に「もしや心に思う殿方が居るのではありませぬか?おそらく、どれほど慕っても添えぬひとが」と問われた澪は「その方は私の想いをご存知ないのです。私も報われるなど端から望みません。想いを打ち明けることも、悟られることもない。ただ、その方が健やかで幸せで居てほしい、と祈るばかりです」とこたえた。「真実、そこまで想うてくれる人がおりましょうか。私がその殿方なら、冥利に尽きるというもの。お気持ちを聞かせてくださってありがとう」と言い早帆は帰って行った。明くる日、徒歩でやって来た早帆は、実家の母に是非会わせたいといい、澪を連れ出した。連れられて行った武家屋敷で待っていた老女は、かつて澪が作った箒草の料理を食べに、つる家へ来た老女で、里津と名乗り「そなたが小野寺と呼ぶ浪人は、実名を小野寺数馬といい、早帆の兄に当たる」とつげ「昨夜、早帆がそなたを数馬の嫁にと、懇願しに参った」「町娘が御膳奉行の妻となるには、数多の苦難もあろう。早帆の駒澤家で二年かけて旗本の奥方となるに相応しい作法を身につけるため、武家奉公をなさい、そしてそののち、然るべき旗本の養女となり、小野寺の家へ嫁いで来なさい」と言った。返事を縋る老女の声は耳に届いても、澪の体は震えるばかり。ようやく「お許し下さい」とだけいい、振り返りもせず、逃げるように部屋を飛び出した。つる家へやって来た小松原は「俺の女房にならぬか。ともに生きるならば下がり眉が良い」と言い、「はい」と答えた澪に「旗本の養女になってしまえば難しいが、それまでならお前次第で道を変えることは出来る。決して無理はするな」と言い置いて帰って行った。想いびとと添えるだろう喜び。野江とは一生会えぬだろう悲しみ。種市や芳の想い。清右衛門の失望。塗り箸は格が低い、という早帆の悪意なき指南。考えれば考えるほど、心が四方八方から引き千切られて、湧き上がるような幸せは、何処かへ消えてしまっていた。「道が枝分かれして、迷いに迷った時、先生ならどうされますか」と問う澪に、源斉は「私なら心星(しんぼし)を探します。あの星こそ天の中心で、全ての星はあの心星を中心に回っいるのです」とこたえ、淡い黄色の光を放つ星を指した。そして源斉は「悩み、迷い、思考が堂々巡りしている時でも、きっと自身の中には揺るぎないものがあるはずです。これだけは譲れない、というものが。それこそが、その人の生きる標とな心星でしょう」と言った。「探そう、揺るぎない心星を」澪はそっと、胸のうちに誓った。澪の料理を喜ぶ客の声を聞きながら、ふいに胸が一杯になった澪は店を飛び出した。涙があとからあとあら流れて止まらない。天を仰ぐ澪の目に、源斉に教わった心星が北空に輝いていた。その仄かな黄色の輝きが、澪に語りかけてくる。ここだ、お前の目指す道はここにある、と。刹那、決して譲れない、辿りたい道が目の前にはっきり見えた。
2015.07.12
↑ダリアご近所の家の階段脇で、大輪のダリアが咲いていました。右上に見える「キンレンカ」が玄関まで続いて植えられていました。雨模様の鬱陶しい朝、そこだけ明るく見えて素敵でした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・毎日雨続きで、鬱陶しい天気が続いています。おまけに隣家は解体中で賑やかなこと・・・(´・_・`)そろそろスッキリした青空が見たいです。昨日掲載した、この謎の植物は「アスパラ・デンシフロルス・マイヤーズ」と言い、アスパラガスの園芸品種だと分かりました。アスパラガスと言っても食用ではなく観賞用で、花のあとには小さな実がなるそうです。↑アスパラ・デンシフロルス・マイヤーズ詳しくはこちらをどうぞ ↓科学技術研究所 → 農林水産物図鑑 →アスパラ・デンシフロルス・マイヤーズ草花を愛でる方々のためのお尋ねBBS に投稿したところ、C-NA様が教えて下さいました。ありがとうございました。
2015.07.09
☆ 岡村公園 ☆向日葵このところ雨続きで何処へも出かけられずにいるうちに、いつの間にか向日葵が咲いていました。どうやら「ムーランルージュ」という品種のようです。タキイネット通販 → ひまわり・ムーランルージュ↑ヤブカンゾウ( 笹ゆりさんが教えて下さいました )・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑ワンちゃんのおすそ分けをもらっています↑岡村公園のカラス公園のカラスは、とてもフレンドリー。人が近づいても警戒するわけでも無し、のーんびりと歩いています。ワンちゃんがいると、そばで待っていて、時々おやつのおすそ分けをもらっています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑これは何でしょう?ご近所の家の玄関先にありました。何とも不思議な姿をしています。一体これは何でしょう?☆7月9日 追記上の植物は「アスパラガス・デンシフロルス 'マイアーズ」という名前だと分かりました。(詳しくは、9日の日記に記載)
2015.07.08
このところ、毎日よく降ります。木々の葉は水滴がいっぱいついて、重そうに垂れ下がっています。昨日、雨でラジオ体操をお休みしたら、なんとも体が重く、夕食後に家の近くをぐるぐる回りました(笑)今朝は歩くだけでもと思って公園に行ってみると、同じ思いのメンバーと遭遇、笑ってしまいました。ポケットラジオを枝にかけ、木の下で雨の雫を避けながら、体操をして来ました。一生懸命歩いた積りが、残念ながら6月の歩数は、7831歩。(全会員平均歩数=8492歩)目標の8000歩に少し足りませんでした。公園の花壇やプランターの花
2015.07.06
♤ みをつくし料理帖シリーズ5☆小夜しぐれ・高田 郁(たかだ かおる)・角川春樹事務所・ハルキ文庫、2011年3月18日 第一刷発行暖簾を終う間際になって、その女はやって来た。悪意に満ちたしゃがれ声が響く。老婆の前へ出た種市は、その顔を見て形相が一変した。女は、おつるが6才の時に若い男と家を飛び出した別れた女房だった。20年前突然訪ねて来た母親の痩せた姿を案じ、おつるは母親と住みたいと言いだし、種市は一年限りの約束で許した。借財の形として、お蓮の亭主に金貸しのところへ無理矢理送られたおつるは、辱めを受けることを良しとせず自ら首を括って死んでしまったのだ。伊勢屋の使いが「診察先で倒れた源斉を伊勢屋に運び込んで休んでもらっている。食事を受け付けない源斉のために、口に合うものを作ってもらえまいか」との、主、久兵衛からの伝言を伝えた。年明けから悪い風邪が流行り、多くの患者を抱えて走り回ることになった源斉は、ついに過労で倒れたのだった。澪の作った粥だけは口に合うらしく、装った分を綺麗に平らげた。庭の柿の木に止まる鶯の下手な初鳴きが可笑しくて笑いを堪える澪の姿に、源斉は肩を揺らせた。そんな二人の様子を、庭越しに久兵衛がじっと見つめていた。如月の最後の三方よしの日、又次は澪に「今夜、翁屋の楼主、伝右衛門がやって来る。ある頼みごとをされるだろうが、断らずに受けて欲しい。あんたの為だけでなく、あさひ太夫のためでもあるんだ…」と言った。その夜、一人でやって来た伝右衛門は、お客たちが切り上げたあと、店主と又次、そして澪を前に「月が変われば弥生、吉原で弥生と言えば花見でございますよ。… 翁屋の上客を、高いばかりか、途方もなく不味い仕出しでもてなすのが、ほとほと嫌になった」と言い、澪に「翁屋で花見の宴の料理を作ってみる気はないか」といった。翁屋へ行ける。野江のいる翁屋へ。澪の心は定まっていた。あれこれとその日の料理を思い迷う澪に、ふらりとやって来た小松原は、去り際「料理で人を喜ばせる、とはどういうことか。それを考えることだ」さらりといい置いて、さっさと帰ってしまった。江戸町一丁目、翁屋。飯碗、汁椀、平腕、それらを載せる蝶足膳は常より大きく朱一色に塗られている。大きな膳を見たとき、澪は多くの品数の料理を一度に目にする喜びと驚きを思った。膳の上が花盛りになるのも花見の宴ならではと。せめてお客たちの反応を間近で見せてやりたいとの又次の配慮で、澪は前掛けを外すと最後に残った膳を運んだ。広間の中ほどには桜の太い枝が据えられ、部屋に居ながら花見の風情が感じられるように工夫されている。床の間を背にして二人、残る八人が左右に分かれて座り、すでに酒を酌み交わしていた。楼主の前に膳を置き、そのまま下がろうとする澪の袖を伝右衛門が見えないところでさっと押さえた。澪は一礼して部屋の隅に控えた。朱塗りの椀には白魚と黄色い菜の花。「畑にあらば小判に変わる菜の花を…。何という贅沢、何という極み」菜の花尽くしの料理に客が賛嘆の声を洩らす。宴の半ば、客人たちの前に置いた青白磁の茶碗に、遊女たちが熱い酒を満たしてゆくと、茶碗の中で八重桜が一輪、緩やかに花弁を広げてゆく。酒に酔った桜花は、なんとも儚げで美しく、且つ香りの芳しさ・・・。医者に化けた僧侶の祥雲だけが、酒に酔い「あさひ太夫とやら出て参れ、顔を見せよ」と言い、飛びかかった又次に憎悪の眼差しが向け「誰かある、誰か刀を持って参れ」と叫び、楼内は騒然となった。そのとき、眼前に大きな金扇、片手に桜の花枝を持った艶やかな遊女が滑るように近づき、すっと祥雲に桜の一枝を差し出した。そして、甘やかで、気高く、美しいその声で「咲く花を 散らさじと思ふ 御吉野の 心あるべき 春の山嵐」と詠んだ。その姿にどすんと腰が抜けたようにその場に座り込んだ祥雲に、最早騒ぎ立てる意思がないことを見て取ると、あさひ太夫は踵をかえして去った。「祥雲さま、お忘れなさいませ。これ以上、かかわりになられては、色々と差し障りが出て参りましょう」という声に、祥雲は項垂れ、供のものに支えられたまま帰って行った。伝右衛門が差し出した二つのご祝儀のうち、嵩の低い翁屋からのご祝儀だけ受け取った澪が、五両の小判を目にして「宴の料理を作っただけなのに、こんなに受け取れる道理がありません」というのに、伝右衛門は目尻に涙を滲ませながら大笑いした。そして「この吉原で料理屋をやる気はないか。…お前さんほどの腕があれば、年に八百、いや千両稼ぐことも夢ではあるまい」と言った。せめて三ノ輪まで送るという又次を断って、澪は大門前で又次と別れた。重い足取りで衣紋坂をのぼっていると「澪さん」と声がかかった。顔を上げると、この近くまで往診に来ていたという源斉が立っていた。卯月二度目の「三方よしの日」客が絶えた頃合い、勝手口からぬっと顔を出した小松原の表情が何処となく暗い。二人は禄に話もしないで黙々と蚕豆を食べ、笊一杯の蚕豆を食べ尽くすと、小松原は腰を上げた。去り際、唐突に「どんな菓子が好みだ」と問い、澪の「…煎り豆です」という返事に、そうかとだけ呟くと背を向けた。初夏を思わせる朝、つる家の一行は伊勢屋の美緒と共に、屋根付き船で浅草へ向かった。人混みの中に息子の佐兵衛を見つけた芳が、不意に鋭い声を上げ駆け出した。指差す先にその姿を見た澪は、突き飛ばされて転がり、足蹴にされながらも必死に追った。その男の姿を見失い、橋の欄干に凭れ途方にくれている澪の目の下を、佐兵衛らしき男を乗せた筏がゆく。大声で「天満一兆庵の若旦那さん」と呼び、顔を向けた男に「元飯田町のつる家だす。そこに御寮人さんも一緒に」と叫んだ澪は、その男の口が「つる家」と動いたのを確かに見た。指が元通りに動くようになるのか尋ね涙する澪に、源斉は、回復は難しいことを告げ、澪の手を取り、己の力量の無さを詫びた。その様子を襖の隙間から、美緒がじっと見つめていた。あんなに嫌っていた親の決めた番頭との婚礼を決めた美緒は「本当に良いの?」と問う澪に「あなたを嫌いになれれば良いのに。心から憎めれば良いのに」と答えた。御膳奉行、小野寺数馬は「嘉祥(かじょう)」の儀式に出す菓子を決めかね、思い悩んでいた。「煎り豆」という澪の笑顔が浮かび、思わず数馬の石臼を挽く手が止まった。「一体どの様な娘かと問う妹に「花にたとえれば駒つなぎ、食に例えるなら、この煎り豆よ」と答えた。そして「あれは根っからの料理人なのだ。あれと俺の人生が、母上やお前の案じるような形で交わることはあるまいて。いらぬ心配はいたすな」断ち切る口調で告げ、きな粉と水飴を練りはじめた。練り上げて丸く丸めた飴を、三本の指で摘まんで宝珠の形にした菓子に、妹の早穂に摺らせた砂糖をまぶす。数馬はもう一つ生地に抹茶を混ぜた菓子を作った。朱塗りの折敷に置いた宝珠型の菓子はふたつ。ひとつは黄、もうひとつは緑。ともに砂糖の白粉をはたかれて、澄ましながら寄り添う。「ひとくち宝珠」菓子の名はそれ以外にないだろう。好きな菓子を問われ、煎り豆と答えた娘。その下がった眉を想いながら、数馬はゆっくりと、ひとくち宝珠を味わった。
2015.07.06
我が家は酸味と香りの高い梅ジャムが大好き!毎年、完熟梅が手に入ると梅ジャムを作ります。今年の梅ジャム作りは、これで2度目。今回は、何故か色も香りも殊の外良く出来ました*\(^o^)/*いつもの手順と違ったことと言えば、冷凍庫に10日ほど入れたままにしていたこと位でしょうか・・・。完熟で木から落ちたばかりの梅とはいえ、フリーザーに入れた時には、黄色も薄く、未だ青みが残っていました。それが、冷凍庫から出すと、10日ほどの間に綺麗な黄色に熟れていたのです(゚o゚;;☆材料完熟梅砂糖=梅の総量の50パーセント(種も含む)(今回は、梅=700q、砂糖=350g)1.ヘタを取り、洗った梅は、布巾やキッチンペーパーで水分を取り、ジップロックに入れて凍らせます。2.凍ったままの梅を水に入れると、簡単に皮が剥けました。3.耐熱容器に入れた梅の上に、砂糖をすっぽり被せる様に載せます。4.ラップをせずに、そのまま電子レンジへ。凍っているため、最初は500Wで15分。アクを丁寧に掬います。2回目からは、吹きこぼれない様に様子を見ながらレンジにかけ(目安は5~7.8分くらい)、同じ様にアクを掬います。これを何度か繰り返します。5.アクが綺麗にとれ、好みの硬さになったら、熱いうちに種を取り除きます。小さい泡立て器を、真上から直角に立て、梅の身と種を剥がす様に、トントンと何度も種をつつきます。剥がれたら、更に種をつつきながら、今度は泡立て器の中に種を取り込みます。6.泡立て器を使って取り出した種。(泡立て器を使う方法は、フト思いついて、初めて試して見たのですが、面白い様に簡単に種を取り除くことが出来ました)7.8.煮沸消毒した瓶に詰めて、完成です。*梅を凍らせて皮を剥く方法は、ペピママさんに教わりました。テレビでご覧になったとか仰っていました。
2015.07.04
♤ みをつくし料理帖シリーズ4☆今朝の春・高田 郁(たかだ かおる)・角川春樹事務所・ハルキ文庫、2010年9月18日 第一刷発行神無月13日の三方よしの日、やって来た小松原は具合が悪いのか、目の周囲にむくみがあって表情も暗い・・・。その人は、大根と鯖の汁物を「うまいな」と平らげ、慌ただしく帰っていった。「一体どんな身分の方なのだろう…」想い沈む澪に、黙って二人の話を聞いていた又次がぼそりと言った。「…ありやぁただの浪士じゃねぇな、そして多分、料理にまつわる役職だろう。それも下っ端じゃねぇ、もっと上の方だ」と…。小野寺の身を気遣い、浮腫みに効くという箒草の実を懸命に洗う澪の前に立った御高租頭巾の老女は「何をしておる」と問うた。おずおずと「浮腫みのあるお客のために・・・」とこたえた澪に「五日後、首尾を尋ねましょう」と言い、約束の5日後にお忍びでやって来た。老女は、澪の作った箒草の料理を食べて涙し、小松原と名乗る男は自分の息子であることを明かした。澪の手をとり、かんで含めるようにゆっくりと言った。息子がどうやら気にかけている娘がいるらしいと知り、町人であっても釣り合う家の娘なら、とそう思うたのですが。日本橋伊勢屋の娘ならまだしも、何の後ろ盾もない、それも女料理人では話にならぬ。…武家の格式とはそうしたもの。なれど…と言い、澪の荒れたその手を柔らかな掌で優しく包み「精進を厭わぬ心ばえ、決めたことをやり通す芯の強さ、加えて心根の温かさ。そうそういる娘ではない。あれのひとを見る目の確かさを、今度ほど誇りに思うたことはない」といい、帰って行った。端から身分違いとして気持ちを断ち切ろうと決めた澪と、源斎への叶わぬ恋心を募らせる美緒…。同じ名を持つ二人の娘が、肩を寄せ合い寂しさに耐えながら見送る前を、慎ましやかな花嫁行列が通り過ぎて行った。又次が突然、こぼれ梅を届けに尋ねて来た。戯作者、清右衛門が卯吉の胸ぐらを掴み「お前の話す、あさひ太夫の身の上は、どれも偽りだらけではないか」と言う声を耳にした又次は、清右衛門の眉間を拳で打ち付け、女衒の卯吉の首を締め付けた…。「あなたを人殺しにしないで、と、野江ちゃんに頼まれたの。…」と必死でとめる澪の声に、又次の腕が緩んだ。騒ぎになる前に又次を逃がした澪は、卯吉に告げた。「今度あさひ太夫に関わったら今度は助けへん。私があんたを三枚に下ろしたるさかいに」。清右衛門の戯作が世に出たら・・・。野江の身を案じる澪は「旨い料理を考えたら、一つ褒美をやる…」と言った清右衛門の言葉に賭けようと決めた。澪の渾身の蕪料理を食べ終え「何を寄越せと言うのだ」と問う清右衛門に、澪は、あさひ太夫と自分が幼馴染みであること、12年前のあの水害からこれまでの、二人の身に起きたことの真実を、感情を交えず淡々と話した。清右衛門が、かつて、あの水害の後のむごい情景の中に身を置いた、その一事に縋りたかったのだ。長い長い沈黙の後、男は一言も発せず静かに部屋を出て行った。澪との約束を守り、書くことをやめた清右衛門の前で、両の手をつき、深々と頭を下げる澪に、清右衛門は「天満一兆庵の再建を果たし、見受け銭を用意して、お前があさひ太夫を見受けしてやれ」と告げ、からからと笑い声を上げながら部屋を出て行った。その道筋のあまりの遠さに胸が潰れそうになり、化け物稲荷の祠の前で、一心に祈る澪の耳に、その人の声が届いた。ーあれこれと考え出せば、道は枝分かれする一方だ。良いか、道はひとつきり、それを忘れるな、と言い切った時の表情までが鮮やかに蘇る。手を抜かず、心をこめて料理を作る。料理に身を尽くす生き方を貫こう。そうすることで拓ける道もきっとあるーそう信じて生きていきます。澪は心の中の男の面影に告げていた。年の暮れ、登龍楼と競うことになり、勝ちたいと思い悩む澪に、りうは「見返りを求めず、弛まず、一心に精進を重ねることです」と応えた。澪の作った「寒鰆の昆布締め」を食べたあと、どの客も押し黙り、一様に手を合わせて帰っていく。三日目に坂村堂と訪れた清右衛門すら、料理の名を問うただけで「滋味滋養」とだけ言い置いて帰って行った。三日間の競い合いを終え、澪の勝ちを確信して番付表を買いに行った種市がなかなか戻らない…。伊佐三が届けてくれた番付表の大関位には、果たして、登龍楼の名が大きく記されていた。皆の落胆振りを思うと、澪の胸は痛む。けれども、何故か気持ちは平らかで穏やかな気持ちだった。その夜は夢も見ずにぐっすり眠った。翌朝、せめて皆に美味しい朝餉を作ろうと襷をかけた。ふいに背後から声をかけられ振り返った澪の前に、見慣れた縞木綿の男が酒徳利を手に立っていた。「今年の料理番付だが、早くも異議を唱えるものが、版元に押しかけているそうだ。それほどまでに、つる家の昆布締めは、ひとの心を掴んだのだろう。傍らの娘をちらりと見て「だが、登龍楼は唐墨を出した。…公方さまさえ虜にする珍味中の珍味。…唐墨がどのようなものか下手に知識がある分、行司役や勧進元も登龍楼を勝たせるしかなかったはずだ」負けた澪を労い、慰めてくれているのだ、と澪は気付く。「料理の優劣よりもこの店に通い、美味しく料理を召し上がってくださるお客さんの方がずっと大事なのです」そうか、と静かに応える男の、澪を見る眼差しが温かい。そして、澪の身を気遣う優しい声をかけて、小松原は俎板橋を渡って行った。♣︎小松原いつもふらりとやって来て、澪に的確な助言を与える謎の侍。澪の想い人。実は、御膳奉行 小野寺の、世を忍ぶ仮の姿。
2015.07.04
想い雲♤ みをつくし料理帖シリーズ3☆想い雲・高田 郁(たかだ かおる)・角川春樹事務所・ハルキ文庫、2010年3月18日 第一刷発行芳が昆布や鰹節を買うために売った珊瑚の簪を、種市が八方手を尽くして探し出し買い戻した。澪に料理を教えて欲しいと、坂村堂店主が連れてきた料理番は、元は天満一兆庵の料理人富三だった。「富三」と名を呼んだきり声を失った芳を、肝を潰した様な顔で見た富三は、ぱっと身を翻して裸足のまま飛び出して行った。翌朝、津村堂に諭され訪ねて来た富三は、芳に詫びをいい「若旦那の佐兵衛は吉原通いに明け暮れ、馴染みになった松葉という遊女を見受けしようとまでした。佐兵衛は、業病をうつした上に袖にしようとした松葉花魁を絞め殺し、行方知れずとなっている」と話した。話を聞いた芳は伏せってしまい、坂村堂店主の配慮で人手が足りなくなったつる家へ富三が手伝いにやってきた。富三が作った料理は客に不評で、あさひ太夫の使いでやって来た又次は、富三の料理を一口食べ食べるなり「包丁の手入れも出来ない料理人は碌なもんじゃねぇ」と言い切った。つる家の暑気払い料理は『土用「う」尽くし』酢締めのアジの卯の花和え、梅土佐豆腐、瓜の葛ひき、埋め飯。相変わらず不機嫌な顔で食べる清右衛門の隣で、泥鰌に似た坂村堂がこの上なく幸せそうに「うまい美味い」と食べている。佐兵衛捜しには軍資金がいると、芳を騙して簪を巻き上げた富三は、簪を売り払い、吉原で呑んで来たのだろう、酒の匂いをさせながら、何食わぬ顔で包丁を取りに来た。又次に嘘を見抜かれ問い詰められた富三は「世間知らずのぼんちの若旦那は、うかうかと騙されて、やってもいない女郎殺しに慄いて逃げ出してしもうた」といい、更に「二年前、白魚橋の袂で、釣り忍売りをしている佐兵衛とすれ違ったが死神が取り付いているようだった。生きているとは思われへん」と、捨て台詞を残して逃げ去った。忍び瓜や泥鰌汁、澪の料理を目当てに、源斉はこのところ度々つる家の暖簾をくぐる。その源斉に会いたい一心で伊勢屋の美緒が度々やってくる。ある日、突然訪ねて来た源斉は、翁屋の店主、伝右衛門に鱧の料理人捜しを頼まれ、咄嗟に澪の事が脳裏に浮かび引き受けてしまった。一緒に翁屋へ行って欲しいという。翁屋の楼主、伝右衛門は「女が作った料理など、この翁屋で出せる道理がない・・・」と激怒したが、彼が呼んだ料理人は誰も鱧を扱えず、渋々澪が料理することを了承した。出来上がった料理を一口食べた伝右衛門は「…よもや、たかが料理でここまで心を揺さぶられるとは……。」と言い、澪と源斉に頭を下げた。今宵は十五夜、以前のつる家の近くへ薄を取りに行った澪は、店のあとがどうなっているのか気になり立ち寄った。そこに建つ真新しい店を見た途端、我が目を疑った。そこには「つる家」の文字があり、店にいた男は、あの登龍楼を追い出された料理長の末松だった・・・。お台所町だけでなく、八ツ小路、福井町に下谷車坂町と、いずれも「器量よしの女料理人」を売りにした店が幾つも出来、つる家は客が減ってしまった。やがて、偽の「つる家」が、食中毒を出し、これでお客が戻ると喜んだも束の間、追い打ちをかける様に、ばったりと客足が途絶えてしまった。そんな折、伝右衛門が訪れ「澪が作った八朔の鱧は大変な評判で、来年の八朔にも同じ料理を作りに来て欲しい」と袱紗に包んだ礼を差し出した。澪は、袱紗包は受け取れないが、代わりに「月に何度か、料理番の又次さんをお借りしたたいのです」と頭を下げ、『お楽しみの日』を作ってお酒を出そうと思っていると話した。又次が月に三度、通ってくれることになり「三方よしの日」に因んで、三のつく日に酒を出すことにしたつる家は、また以前の賑わいを取り戻した。♣︎坂村堂=清右衛門が連れてきた版元♣︎富三坂村堂の料理番。元は天満一兆庵の料理人、佐兵衛とともに江戸へやって来た。♣︎永田源斉御典医・永田陶斉の次男、町医者
2015.07.04
↑ キバナコスモス写真は、今朝、ラジオ体操会場に向かう途中に咲いていたキバナコスモスです。未だ七月になったばかり・・・。キバナコスモスって、こんなに早く咲きましたっけ???最近は、少し早めに家を出て毎日色んなコースを通ってラジオ体操会場に向かっています。思えば、このコースを歩いたのは久し振りでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・↑ ヒバの花? or 実?ヒバの木についているのは「花?」それとも「実?」でしょうか?検索してみましたが、両方で掲載されていて、どちらとも確定できませんでした。
2015.07.02
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