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言ったはずだ。我が使命は腹を空かせた者におでんを食わせること。空腹になった奴の苦しみは、ワシも知っている
味もあの時より腕を上げたな……ふん、今にして思えば、あの時、俺たち双子が腹をすかせていた時、あんたがおでんを食わせてくれなきゃあ死んでいたな
………ルールは簡単。お互い背を向け合い、1,2の3で振り向きざまに撃つ。よく西部劇でやる決闘方法だ
いいだろう。やはりデスファング・ザ・トライデントの勝負は、銃が相応しい
デスファング・ザ・トライデント、か……
三つの銃を持つ当時の最強最悪の犯罪者、か。
おでん師匠……
さあ、用意はいいか?
よーし。では行くぞ
……1
(來道よ。お前の人生を滅茶苦茶にしたのは確かにワシの責任だな。だが、あの時は既におでんと『技』しかやれる事は無かったのだ。だが、忘れるな)
(おでん師匠)(心身共にボロボロになっても、最後まで戦い抜こうとした奴がいた。大切なものをいくつも失い、何度も挫折しても、奴はそのたびに不死鳥のごとく蘇った)
(怒りと憎しみをその心に隠しながらひっそりと牙を研いでいる奴がいた。大切なものを奪った奴に対する怒りと憎しみを糧に生きてきて、それでも笑おうとしている)
(宝物を壊された奴がいた。僅かな希望を打ち砕かれ、絶望と憎悪を覚え、しかしそれでも宝物をしっかりと大切している。何時までも自分らしく生きるために)
(一人ぼっちの奴がいた。自分の生き方に絶対の自信を持ち、周囲から遠い距離で接されていた。そして信じていた物には否定され、裏切られ、そして散っていった)
(ワシはこの問題児軍団を 決して導こうとか思ってはいない。何故なら、奴らは自らの足で立ち上がることを知っているからだ。しかも天然で、な)
……2の、
(そんな不安定なあいつ等に、ワシがしてやることは熱いおでんを食わせることくらい。他にやることなんてないなぁ……それはお前もしっとるだろう、來道)
3!

ジャキっ!
ズダンズダンズダァン!
振り向いたのはほぼ同時……
……見よ、來道。デスファング・ザ・トライデント最後の獲物は、 見事このワシに一撃を与えたぞ
そ、そんな馬鹿な……! ぐ!(ばたり
來道が倒れたわ……!
命中した弾数は3……勝負は決まりましたね
何故だ……確かに一発はあんたの腕を狙った物だ。 しかし、残り二発は確実にあんたの頭をぶち抜いたはずだ!

な、なんだと!? では貴様の銃には……
ワシの銃はな。こいつがいるのだ
ど、どうもー……
ふ、はははははは! そうか、エクステンドしてやがったのか! 道理でアンタの銃が俺の弾丸二発を消し飛ばし、シルバージェネオンの装甲すら突き破るわけだ! は、ははは! ははははははははははははははははははっ!!
(その後、狂ったようにあの男、來道は笑っていた。壊れた人形のように、ずっと)
(総帥)(そして、おでん師匠氏は、彼が出血で息絶えるまで、ずっとその場を離れなかった。腕の治療もせずに、ずっと……)
マスター。お酒持って来ました
うむ。……來道よ。お前が成人祝いの時に買った酒だ。遅くなったが、祝杯と行こうじゃないか。………すまんかったなぁ、ワシは全く愛情を持ってお前を育てられんかった。自分では精一杯やったつもりでも、お前ら兄弟には辛かったんだろうなぁ
さあ、苦しかっただろう。お父さんとお母さんのところへ行け。そして、何時の日か生まれ変わって『おでん師匠のおでん』を食いに来るがいい。無論、お父さんとお母さんと一緒に、なSS『ハゲタカの逆襲』ゲスト紹介 2007.09.17 コメント(2)
『ハゲタカの逆襲』あとがき 2007.09.16 コメント(5)
『ハゲタカから泥棒へ』 2007.09.16
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