音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年02月20日
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 ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)は、1984年にデビューした米国ニュー・ジャージー出身のロック・バンド。途中ソロ活動の増えた時期もあったものの、現在も元気に活動中の有名バンドである。とはいえ、そんな彼らも、当初はあまり売れなかった。デビュー・アルバムの『夜明けのランナウェイ』は米国よりもむしろ日本、イギリスで売れた。時々あるパターンと言えばそれまでかもしれないが、日本で人気に火がつき、やがて米国でもメジャー・アーティストとしての道を歩むというパターンをたどったバンドの一つがボン・ジョヴィというわけである。

 そうしたこともあってか、彼らは日本びいきである。来日回数もとても多いし、今回取り上げた「TOKYOロード(Tokyo Road)」では、もろにその日本の象徴としての“トーキョー”をテーマにしてしまっている。この曲が収められているのは、1985年発表のセカンド作『7800°ファーレンハイト』というアルバム。

 イントロはオルゴール音と女性コーラスでの“サクラ~、サクラ~”。英語訛りの日本語発音なところが微笑ましいが、そこは御愛嬌。このバンドが、自分たちのブレークのきっかけを作ってくれた日本のファンへの愛着がよく表れている。しかも、こういう和風メロをロック・アルバムのイントロに強引に持ってきてしまうところが、何とも心憎い。その上、続いて繰り広げられるのが、いかにもアメリカン・ハード・ロックという曲調なのである。

 このミスマッチがただのミスマッチに終わらず、以後もみられるボン・ジョヴィ節に仕上がっているところが爽快である。そう言えば、収録アルバムのタイトル(上記の『7800°ファーレンハイト』)に関して、“ロック(=岩)が解けてしまう温度”との説明がされていたように思う。ということは、“サクラ~、サクラ―~”は、バカボンのパパ流に言ってしまえば、“これでいいのだ”。すっきりしたアメリカン・サウンドの象徴みたいな曲をやりながらも、サクラ・イントロあり、トーキョーというテーマ選択あり、すべてOK。実際、この曲を含むセカンド・アルバムの時点では、日本でのセールスがなお先行したが、次のサード作(『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』)で一気に大ブレーク。ボン・ジョヴィはハード・ロックの大衆化を進めつつ、アメリカのトップ・バンドとしての地位を築き上げていくことになった。そんな彼らが、“最初のファンたち”に捧げた心地よいオマージュ、それがこの「TOKYOロード」と言えるのかもしれない。



[収録アルバム]

Bon Jovi / 7800°Fahrenheit (1985年)
Bon Jovi / Greatest Hits (2010年)





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Last updated  2011年02月20日 20時24分20秒
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