音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年09月01日
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 1969年にデビューし、サザン・ロック、スワンプ・ロックの元祖とされるオールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)。セルフ・タイトルのデビュー作がこの『オールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)』である。オリジナル・メンバーは、デュアン(または原音に即してデュエイン)・オールマン(ギター)、グレッグ・オールマン(キーボード・ヴォーカル)、ディッキー・ベッツ(ギター・ヴォーカル)、ベリー・オークレー(ベース)、ブッチ・トラックス(ドラム)、ジェイ・ジョニー・ジョンソン(ドラム)。

 中心メンバーのデュアン・オールマンは、セッション・ミュージシャンとしても数々の名演を残しており、スライド・ギターの即興的演奏で知られる。デレク・アンド・ザ・ドミノス『いとしのレイラ』への参加の他、別記事で取り上げたボズ・スキャッグスのアルバム(『ボズ・スキャッグス(邦題:ボス・スキャッグス&デュアン・オールマン)』 )でも名演奏を披露している。1971年、バイク事故により24歳で死去し、半ば伝説的プレイヤーとして語り継がれている。

 このアルバムは、何度聴いても“貫録”があるという印象が強い。デビュー作なら、普通はもっと若々しく(それゆえ未完成や未熟、あるいは荒削りな部分などが見られ)てもいいのかもしれない。けれども、オールマン・ブラザーズ・バンドは、見事に“出来上がって”しまっているのである。しかもそれは既存の枠にはまったありきたりな音楽ではなくて、ツイン・ギターにツイン・ドラムという特異な編成で、ブルースをベースとしながらも、後々“サザン・ロック”と呼ばれて定着していく米国南部の泥臭いロック・スタイルである。

 少し広い文脈からこのスタイルの完成度を考えてみると、次のようなことになるのかもしれない。時代は、当初の試行錯誤の中でもがきながら産声を上げたブルース・ロックが消化され、既存のロックンロールが一皮むけて新たな形式をとり、いわゆるサマー・オブ・ラブを経て若者音楽の変革が訪れ、綜合的には現代へとつながるアメリカン・ロック・ミュージックの基礎が出来上がっていく…。そんな時代だった。この前後のミュージシャンたちは、某かの既存のスタイルに乗っかることは難しく、自ら“どんな音楽を演りたいのか”を否が応でも考えさせられた(あるいは、考えられなかった人たちはシーンから消えていった)。その意識が強かったからこそ、こういう完成されたスタイルが最初のアルバムから提示され、結果、私たちはそこに貫録すら見てとることができるのかもしれない。

“時代が熱かった”という一言で片づけるのは安直と言われるかもしれないが、オールマン・ブラザーズがその熱い時代の寵児であったのも確かということだろうか。



[収録曲]

1. Don't Want You No More

3. Black Hearted Woman
4. Trouble No More
5. Every Hungry Woman
6. Dreams
7. Whipping Post

1969年リリース。







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Last updated  2011年10月01日 14時39分42秒
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