そうした現象、というかそのパワーが認知されることになった原点の一つは、80年代、USA・フォー・アフリカ(U.S.A. for Africa)の名のもとに著名アーティストが集合したあの企画だったのではないかと思う。曲を書いたのはマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチー。クインシー・ジョーンズがプロデュースを引き受け、当時の有名アーティストの大共演へと発展した。“アフリカの為に”といいながら欧米でお祭り的に企画・販売(ヒット)するという構図は確かにどこか欺瞞的ではあるが、音楽を通じてこれだけ人々に訴えかけられることの凄さをものの見事に証明した企画でもあったように思う。