いずれにせよ、『ネブラスカ』の続編的に捉えられる、比較的地味なアルバムが1995年に発表された。それが本盤『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード(The Ghost of Tom Joad)』である。地味と表現したものの、それでも全米11位にチャートインしたのだが、前後作と比べれば、確かに大きくヒットしたとは言い難かった。今になってスプリングスティーンのキャリアを振り返って見れば、本作は『ネブラスカ』に続く社会派の作品で、なおかつアメリカ社会の裏側を告発する(したがって大衆の声を反映する)現在の立場を決定づけるアルバムになったように思う。
2. Straight Time 3. Highway 29 4. Youngstown 5. Sinaloa Cowboys 6. The Line 7. Balboa Park 8. Dry Lightning 9. The New Timer 10. Across the Border 11. Galveston Bay 12. My Best Was Never Good Enough