音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年07月24日
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テーマ: 洋楽(3310)
「ロックンロールの未来」は既にこの時点で見えていた!


 「僕はロックンロールの未来を見た」。この台詞は音楽評論家だったジョン・ランドウがブルース・スプリングスティーンを形容したものだ。そのランドウがプロデュースに加わった1975年のアルバム 『明日なき暴走(Born To Run)』 で、スプリングスティーンは一気にブレークし、その地位を不動のものにする。この『明日なき暴走』のキャッチコピーとして広まったのが、上の台詞である。

 ここで紹介するのはその一つまえ、1973年に発表された2ndアルバムだ。原題は『The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle』。ファーストアルバム(『アズベリー・パークからの挨拶』)がリリースされた時には、スプリングスティーンを「第二のボブ・ディラン」として売り出そうという意図があったため、ある種、無理にフォークロック的サウンドに色づけられた部分があった。それに対して、『青春の叫び』では、デビューまもないスプリングスティーンがやりたかったことをもう少し具体的な形にできた。

 とはいえ、この作品は全くもって売れなかった。それどころか、本作は今もスプリングスティーンの代表作とは捉えられていない。「ロックンロールの未来」という台詞だけが一人歩きし、セールスを記録した『明日なき暴走』こそがスプリングスティーンのロッカーとしての出発点のようなイメージが流布ている。けれど、この作品を聴けば、決してそうではないことがわかるだろう。後の 『闇に吠える街』 『ザ・リヴァー』 へと続いていく、叙情溢れるストーリー性と活気に満ちたバンドサウンドの形は、この『青春の叫び』ではっきりとした形を見せるに至っている。

 その意味において、「ロックンロールの未来」は既にこの時点ではっきりと見えていた。あとはそれを売り出せる環境さえあれば、ブレークは必然だったのだ。

 おそらく、スプリングスティーンの過去作を聴こうという人がこの作品を最初に手に取る可能性は低い。私自身もそのような人に会ったら、きっと『ザ・リヴァー』か『明日なき暴走』あたりを勧めるだろう。でもその次の段階でこのアルバムを逃がすのは惜しい。そんなわけで、スプリングスティーンを気に入ったら2枚目か3枚目には必聴の作品だと言える。





1. The E Street Shuffle
2. 4th of July, Asbury Park (Sandy)  ←おすすめ!
3. Kitty's Back
4. Wild Billy's Circus Story
5. Incident on 57th Street ←おすすめ!
6. Rosalita (Come Out Tonight)  ←おすすめ!
7. New York City Serenade ←おすすめ!

*結局のところ、自分でも何回聴いたかわからないほど聴いた「LP時代のB面」がおすすめ。

1973年リリース。






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Last updated  2019年06月02日 07時26分22秒
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