音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年03月07日
XML
テーマ: 洋楽(3388)




 女性シンガーにこういう形容は失礼なのかもしれないが、ベリンダ・カーライルはいい中年の過ごし方をしたのだと思う。1958年生まれで、1980年にゴーゴーズの一員としてメジャーデビュー。ゴーゴーズ解散(注:後に再結成)の後は1986年にソロシンガーとして再デビューし、「へヴン・オン・アース」や 「輝きのままで」 などヒット曲を送りだした。

 ベリンダの成功は、ソロ転向後もゴーゴーズの遺産(つまりは“過去の栄光”)を引きずるのではなく、一人のヴォーカリストとしての成長にあった。環境も恵まれていたのかもしれないが、最終的には本人の才能と努力の賜だったのだろう。

 しからば、ヴォーカリストとして大成してしまった後はどうなったのか。円熟していく、新境地を開いていくとお思いの方も多いだろう。確かにそうなのだが、大成してしまったがために、大物ミュージシャンたちは皆がそういう人生の展開を歩めるとは限らない。有名どころでは、まだまだ若くして亡くなったマイケル・ジャクソンしかり。コマーシャリズムにのって一躍時の人となり、自己の立ち位置に迷いが生じたミュージシャンなんてのもよく考えてみれば数多い。 前回記事 のヨーロッパ活動がとまったのもそうした状況だし、 『ボーン・イン・ザ・USA』 でアメリカン・ヒーローに祭り上げられたB・スプリングスティーンなんかもその類だ。さらに付け加えれば、最近でも、若くしてスターダムにのし上がったW・ヒューストン(過去記事 『そよ風の贈りもの』 『ホイットニーII』 )の不幸な結末に衝撃を受けたばかりではないか。



 全体として非常に落ち着いたトーンと歌い口でアルバムは進んでいく。若い頃の溌剌としたベリンダを期待すると肩透かしを食らうかもしれない。でもここで“単調で面白くない”と即断してはいけない。1曲また1曲と聴き進めばわかるように、ベリンダはどの曲も楽しみながら歌っている。技術的な面でシンガーとしてはもはや前作までに十分なものを成し遂げてしまっている。次のステップは、人生の円熟を迎える中でいかに楽しく歌うことを表現するかである。本盤はそれができたという点で、すぐれたアルバムに仕上がっている。

 蛇足ながら、2.では ブライアン・ウィルソン がゲスト参加(バックコーラス)している。また、オリジナル(ヨーロッパ)盤と米盤で内容が異なるが、日本盤はオリジナルと同一トラックになおかつ2曲のボーナス・トラック入り。



[収録曲]

1. In Too Deep
2. California
3. A Woman and a Man
4. Remember September
5. Listen to Love
6. Always Breaking My Heart
7. Love Doesn't Live Here

9. Kneel at Your Feet
10. Love in the Key of C
11. My Heart Goes Out to You
~以下、日本盤ボーナス・トラック~
12. The Ballad of Lucy Jordan


1996年リリース。






  下記ランキングに参加しています。
  お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします!
        ↓           ↓          

にほんブログ村 音楽ブログへ 人気ブログランキングへ












お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012年03月07日 09時32分37秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Free Space

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ

にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ
      ↑        ↑
ランキングサイトに参加しています。よろしければクリックで応援お願いします!
      ↓        ↓
人気ブログランキングへ



↓相互リンク↓

ちょっと寄り道 [音楽の旅]




Calendar

Archives

2024年11月

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: