音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年06月19日
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80年代アメリカン・ロックの超特大ヒット・アルバム


 音楽を含め、芸術的創作は人目に触れた瞬間から、受け取る側(そこには個々の愛好者もいればメディアもいる)の感性によって様々な解釈を受ける余地が生じる。不幸なケースばかりではないにせよ、創作者の意図とまったくかけ離れたものとして、作品が“独り歩き”していくという現象も多々見られる。

 ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)の本盤『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)』もまた、そんな作品の一つである。ベトナム帰還兵の苦悩を歌った1. 「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」 をそのままアルバムタイトルとし、アメリカ国旗の縞をあしらったジャケットにジーンズの後ろ姿の写真。歌のサビは「俺はU.S.A.で生まれた」。確かにレーガンの政治的キャンペーンに誤解を含んだ形で利用される素地はあったのかもしれない。良くも悪くもスプリングスティーンは、このアルバムで80年代半ばの“強いアメリカ”を象徴するアイコンになった。

 収録された12曲中半数を超える、何と7曲もがシングル・カットされた。表題曲1.のほか、2. 「カバー・ミー」 、11. 「ダンシング・イン・ザ・ダーク」 、などなど本作からは、シングル・ヒット曲が連発した。スプリングスティーン自身が流行りのサウンドにあわせようとした節もないわけではない。2.のギター・ソロ(およびリフ)のメロディは“背伸びをしたテレキャス(スプリングスティーンは通常、フェンダー・テレキャスターを使用)”な音だし、11.では、70年代からのロッカーぶりにそぐわず、ステージで踊るというPVを披露したりしている。

 筆者はガキの頃からメジャーな流行りに乗るのは嫌いだった。でもスプリングスティーンは好きだったので、本盤は微妙な位置づけの作品になった。30歳代に差し掛かるまで、上記2.や11.をはじめとする本作の多くの曲には、正直なところどこか反感を抱いていた。当時好きだったのは、7. 「ノー・サレンダー」 や12. 「マイ・ホームタウン」 『ザ・ライブ』 、1986年)こそ出したものの、次作をリリースするまでにはしばし沈黙を保ち、ようやく仕上がったその次作( 『トンネル・オブ・ラブ』 、1987年)はE・ストリート・バンドのメンバーをサポート的に使っただけの、私的独白的なアルバムになった。さらにその後、スプリングスティーンはE・ストリート・バンドをいったん解散し(1999年に再結成)、セッション・ミュージシャンを集めてアルバム( 『ヒューマン・タッチ』 『ラッキー・タウン』 、共に1992年)を作ったかと思えば、その次はソロに近いアコースティック作( 『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』 、1995年)のリリースと、迷走を続けていくことになる。



[収録曲]

1. Born in the U.S.A
2. Cover Me
3. Darlington County
4. Working on the Highway
5. Downbound Train

7. No Surrender
8. Bobby Jean
9. I'm Goin' Down
10. Glory Days
11. Dancing in the Dark
My Hometown

1984年リリース。





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