上記デビュー盤がリリースされたのは1985年。その後、1986年にセカンド・アルバム(『スカウンドレル・デイズ』)を発表し、映画主題歌(007シリーズ主題歌の「ザ・リビング・デイライツ」)のシングルを挟んで発表されたのが1988年のこの『ステイ・オン・ディーズ・ロード(Stay On These Roads)』であった。
同じく聴きどころなのは7.「ネヴァー・ア・フォーエヴァー(There’s Never A Forever Thing)」というバラード曲。これも後々の壮大なサウンドへの布石となっている。その他、有名曲としては、表題曲と同様にヨーロッパでシングルとしてヒットした3.「タッチィ!」、さらには、本盤リリースの前年に映画(『007リビングデイライツ』)の主題歌となった6.「ザ・リビング・デイライツ」も収められている。ただし、この曲については、映画に使われたのとは別ヴァージョンが収録されている。これには裏話があったそうで、映画主題歌のヴァージョンをa-haは気に入っておらず、バンド独自のヴァージョンに固執したとの事。筆者も個人的には、華美なサウンドの映画ヴァージョン(これはこれで映画にあっているとは思う)よりも、本盤収録のややまろやかになった独自ヴァージョンの方が気に入っている。
ちなみにどうでもいいことかもしれないが、アルバム・タイトルの日本語は『ステイ・オン・ディーズ・ロード』として発売されているが、何故ゆえに? と思ってしまう。原題は『Stay On These Roads』で、“道”は複数形。どうも落ち着きが悪い。先頃邦盤タイトルに変更が加えられたビートルズの『ハード・デイズ・ナイト』(原題は『A Hard Day’s Night』でなぜか“ア”が脱落、旧邦盤タイトルは言わずと知れた『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』)も同様。どうせカタカナでやるんなら、日本語の表記が可能な範囲で細部もオリジナル通りに合わせた方がいいように思うのだけれど…。
[収録曲]
Stay On These Roads 2. The Blood That Moves The Body 3. Touchy! 4. This Alone Is Love 5. Hurry Home 6. The Living Daylights 7. There's Never A Forever Thing 8. Out Of Blue Comes Green 9. You Are The One 10. You'll End Up Crying