いずれにしても、この路線は、その後もひそかに継承される。ややポップな味付けがなされているとはいえ、1988年のサード・アルバムのタイトル曲「ステイ・オン・ディーズ・ロード」(原題はStay On These Roadsだが、なぜかカナ書きの邦題は単数形"ロード")がこれに当てはまる。続く4枚目のアルバム(『イースト・オブ・ザ・サン、ウエスト・オブ・ザ・ムーン』、1990年)からはプロデューサーが交代され、叙情派盛り上げ路線に拍車がかかる。そんな中、欧州ではそれなりに受け入れられるものの、世界的ヒットからは遠ざかり、グループ自体も活動を停止してしまったりする。けれど、その前後に発表された『メモリアル・ビーチ』(1993年)や『遙かなる空と大地(Minor Earth|Major Sky)』(2000年)もこうしたサウンドを踏襲した好作品である。