音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年08月17日
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テーマ: 洋楽(3405)
「テイク・オン・ミー」だけではない、a-haの叙情性


 a-haはノルウェー出身の3人組で、1985年にデビューしたバンド。世界的大ヒットとなった「テイク・オン・ミー」という曲のイメージが強烈で、むしろそれしか耳にしたことがないという人も多いのではないだろうか。ポップで軽快でダンサブル。シンセが頭の中で繰り返し鳴り響き、まぶたにはMTV時代を象徴するビデオクリップ(鉛筆画風アニメーション)…。80年代のひと時を思い起こさせてくれるという意味ではいいのだが、個人的には、いまだにあの「軽さ」、もっと言ってしまえば、あの「軽薄さ」に馴染めないでいる。

 a-haの多少なりともファンという人であれば、他のよさを既に見出していることだろう。けれども、上のような「軽薄イメージ」しか抱いていないという人には、ぜひa-haの本当の姿(と筆者は思う)を知ってもらいたい。その真の姿とは、この「ハンティング・ハイ・アンド・ロウ」という曲を出発点とする、叙情性に満ちた一連の楽曲群である。

 「ハンティング・ハイ・アンド・ロウ」という曲名を聴いて、「おやっ?」と思った人もいるかもしれない。「テイク・オン・ミー」を含む世界デビューアルバムのタイトルは『ハンティング・ハイ・アンド・ロウ』であった。つまり、この曲は、1985年にリリースされたファースト・アルバムのタイトル曲である。

 「ハンティング・ハイ・アンド・ロウ」は、叙情性に富んだ落ち着いたバラードである。この曲名をさりげなくアルバム名にしてしまったというのは、もしかすると本当にやりたかったはこちらの方であったというささやかな意思表明だったのかもしれない。

 いずれにしても、この路線は、その後もひそかに継承される。ややポップな味付けがなされているとはいえ、1988年の サード・アルバム のタイトル曲「ステイ・オン・ディーズ・ロード」(原題はStay On These Roadsだが、なぜかカナ書きの邦題は単数形"ロード")がこれに当てはまる。続く4枚目のアルバム(『イースト・オブ・ザ・サン、ウエスト・オブ・ザ・ムーン』、1990年)からはプロデューサーが交代され、叙情派盛り上げ路線に拍車がかかる。そんな中、欧州ではそれなりに受け入れられるものの、世界的ヒットからは遠ざかり、グループ自体も活動を停止してしまったりする。けれど、その前後に発表された『メモリアル・ビーチ』(1993年)や 『遙かなる空と大地(Minor Earth|Major Sky)』 (2000年)もこうしたサウンドを踏襲した好作品である。

 以上のような路線の端緒となるのが、デビュー・アルバム収録の「ハンティング・ハイ・アンド・ロウ」である。レコード棚の奥に古いアルバムが眠っている人は、ぜひ取り出して聴いてもらいたいし、そうでない人にもぜひお試しいただきたい。





[収録アルバム]
『ハンティング・ハイ・アンド・ロウ』(1985年)
その他、ベスト盤類にも収録。






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Last updated  2013年02月09日 09時53分49秒
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