ご無沙汰しています。ブログ自体が久々なもので、前の日記に遡ってのコメント、失礼いたします。m(__)m

帚木蓬生さんは、「閉鎖病棟」「安楽病棟」を続けて読んで、私も一気にファンになりました。
両方とも、患者の気持ち、看る側の気持ち、そしてどちらにも属さない外部の気持ち、三者三様の心理が見事に描かれていて、痛いほどでした。
が、続いて手に取った「薔薇窓」が良くなかったので、その後すっかり手が止まってしまって・・・。
ばあチャルさんが続けてお読みになった「三たびの海峡」で、帚木作品に戻って見たいと思います。 (2006年10月14日 10時49分21秒)

やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2006年09月14日
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カテゴリ: 読書感想
読子さんのブログ を見てさっそく読んだのは、私も身近に終末を迎えんとしている老人に接しているからだ。帚木蓬生の小説は初めてで、それも興味があった。

解説に「ノンフィクション風ミステリー」とある。言い得て妙。

長寿国になった日本のいまやどこにでもある老人施設、病棟で、起こっているかもしれない終末医療の現実と問題点を、時にはルポルタージュ喜劇風、恋愛小説風とあきさせないミステリー小説仕立てで、内容は真剣、真摯。ぐんと引き付けられ読んだ。

新任看護士の介護に燃える情熱とベテラン医師の終末医療の理想の追及(安楽死)との対決は、冷静に老人終末の問題点を掘り起こしてみせてくれた。重い重い内容ではあるが。

さて、この小説は痴呆症にかかった老人病棟の話。もし頭がはっきりしていて身体が動けなかったら…。

大たい骨骨折してしまったの私の97歳の姑は痛い、痛いとまだ寝たきりに近い。

一応病院は退院して、老人ホームに併設されている保健施設のショートステイにはいれて、それはラッキーだったのだが、長い間自分のことは自分で身じまいしてきたえらさが、「両刃の剣」本人もまわりも苦労している。

姑「長く生き過ぎたよ、、、」(といって食事の量を減らす、オムツが嫌で水を飲まないなど)
みんな「そんなことないよ、長生きしてね」(というけど、施設に世話になっていても遠路見舞う労力的大変さ、経済的にもどうしょう?というのが本音)



人生85歳くらいででいいかなーと、ちょっと過激だけれどそう思ってしまう。

死ぬのはきらいだけれど、でも85歳以上の年月を生きていたくない気がしてくる。母と姑とを観察しいると85歳くらいから健康に問題がなくても独立して暮らせなくなった、という実情をつぶさにみている。

病気でなくても衰えによる身体の不自由はつらい。まして病気ならもっと不自由な生活に本人は希望がない。

「これが何が楽しい?」という顔でみられると苦しい。気丈というのは自身が身動きできない時には周りが振り回される。やさしい気持ちも萎えてしまう。

しかしまあ、そんな質問を受けて困った顔の私たちを見て、ぼけてはいないから少しは気遣ってくれるだけでも慰めであるかな、と思うには思うが。

思うようにいかないのが人生なら受け入れるのみ、というちかごろの心境でこの重いテーマの小説を読んだ。なんだかシリアス過ぎた、でもけして嫌じゃなかった。

一気にファンになった感。帚木蓬生の他の作品も読もうと思う。


安楽病棟





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最終更新日  2006年09月14日 16時18分30秒
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Re:『安楽病棟』帚木蓬生(新潮文庫)(09/14)  
もろりん*  さん
お久しぶりです(^^)
長い雨でいやですね。

帚木蓬生さんは私も好きです♪
初めて読んだ「臓器農場」でとても感動しました。
信兵衛さんに教えていただいた作家さんです♪

安楽病棟は、途中まで読んだまま、ほうってしまっているなあ(^^ヾ

(2006年09月14日 18時43分03秒)

もろりん*さん  
ばあチャル  さん
>長い雨でいやですね。

窓ガラスに涙のごとくすべって、いやがうえにも情緒をゆさぶりしんみりします(苦笑)

>帚木蓬生さんは私も好きです♪
>初めて読んだ「臓器農場」でとても感動しました。
>信兵衛さんに教えていただいた作家さんです♪

「三たびの海峡」は読みたいと思っていたのですが、その前にこれが気になりました!
御茶ノ水の丸善には帚木蓬生はたくさんの文庫本ありました。でも新宿のある病院の近くの本屋さんは売り切れ状態でした。これって?
(2006年09月14日 19時32分44秒)

帚木さん~よく読みます。  
オーキリ  さん
帚木さん好きで結構読んでます。
 私は父と母を86歳と82歳で5年前の同じ月の月初と月末に亡くしました。どちらも長く患いましたので、それはもう今、思い出しても大変でした。
それでも私達の年代は介護するのが当たり前と思ってきた最後の年代だと聞いた事があります。辛いことは一杯あるし、優しくするのも大変!でもやるしかないですよね。 (2006年09月15日 21時16分11秒)

オーキリさん  
ばあチャル  さん
>帚木さん好きで結構読んでます。

こんなに読んでいても知らなかった作家さんの多いことよ!です(笑)


>それでも私達の年代は介護するのが当たり前と思ってきた最後の年代だと聞いた事があります。辛いことは一杯あるし、優しくするのも大変!でもやるしかないですよね。

無理をしない、サボらない、ですね~♪
(2006年09月17日 15時11分08秒)

Re:『安楽病棟』帚木蓬生(新潮文庫)(09/14)  
☆かよ  さん
この本は未読ですが、私も帚木さんの作品大好きです^^
いつか この本も読んでみたいと思います。 (2006年09月21日 02時38分14秒)

☆かよさん  
ばあチャル  さん
>この本は未読ですが、私も帚木さんの作品大好きです^^

「三たびの海峡」を読み始めました(^_^)vもう二年も前に☆かよさんの感想を拝見して読みたかった本です。

ところでイングランドの印象、楽しみにしておりますよ!
(2006年09月21日 19時36分57秒)

Re:『安楽病棟』帚木蓬生(新潮文庫)(09/14)  
hako0418  さん

hako0418さん  
ばあチャル  さん
>が、続いて手に取った「薔薇窓」が良くなかったので、その後すっかり手が止まってしまって・・・。

そうですか。たくさん作品を生み出されているので…、ばらつきもあるでしょうね。「三たびの海峡」は読み応えあります!
(2006年10月14日 12時16分50秒)

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