やっぱり読書おいのこぶみ

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2007年06月01日

アン・タイラーの作品

(2)

テーマ：最近、読んだ本を教えて！(24652)

カテゴリ：読書感想

先月、ほのぼのじんわり、あのアン・タイラーの作品を３作読んだ。

『ブリージング・レッスン』
『パッチワーク・プラネット』

『あのころ、私たちはおとなだった』これこそどんぴしゃり、私達1940年代生まれが共感する。

今からは想像できないだろうけど、早く大人になりたかった年代、18歳のころからきっちり大人だと自覚していた世代があったのだ。

といってこの小説、こむずかしい「大人でなくちゃいかん」という主題ではない。「大人だったはず」の選択が青臭かったなーといったような、せつない後悔のようなノスタルジーにあふれているのだ。なあんだ、みんな同じね。

主人公は「もしかしてあの時、間違った選択した？」と突然思いついた熟年女性、つまりおばさん。

「あの時」って結婚の相手を選んだそのことなのだ。これはしまった、でももうおっつかない。なぜってその夫は早世してしまい、自分は事業を引き継いで八面六臂（はちめんろっぴ）なんとかやっているのに、どうしようがあろうか。

『ブリージング・レッスン』も親切にいろいろ手助けしているつもりが、何か見当違いのとんでもないことになってしまうおばさんの行動パターン。

友人の夫の葬式に出るため出かけた、たった1日の出来事が描いてあるのだが、若い時の思い出も含めてなんだかなー、なにやってるんだろうなーという、情けなーいのさ。

『パッチワーク・プラネット』主人公はバーナビは30歳のばついち、職業、便利屋のようなものだけれどお年寄りに頼りにされている貴重な存在。主人公はやや若いのだがお年寄りが出てきて泣き笑いの人生劇場。

そうアン・タイラーの主題は、せつないほどありふれた人生の機微を、うまーくとらえてみせてくれるのだ。しかもお説教調でなく。ほのぼのと。でも、結末はない。

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