やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2009年01月05日
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カテゴリ: 名作の散歩道

 『戦争と平和』の伯爵令嬢ナターシャは浮気性なのか?それとも、人間というものはふと魔が差したようになるものだというトルストイのメッセージなのか?

 ダンスを踊って夢中になり、あまりにも唐突にアンドレイ公爵と恋に落ち、婚約期間が一年間ということになると、その間に遊び人のアナートリー・クラーギンに鞍替えしてしまい、しかも破綻して恥じて毒を飲むなんて、信じがたい。幸い命はとりとめたけれども、病気になってしまう哀れさ。

 でも、登場する男性たちは適当に遊んでいる風だ。女性だって目移りするのは当然だとでもいうのか。

 この小説に登場する若い夫婦たちは、結婚してすぐと不和になったり、うまくいかなかったりするように描かれている。トルストイの経験だろうか、好みだろうか?

 小説だからおもしろいのだけれど、結婚はうまくいかないのが普通に思えてくるから困ったもんだ。えっ、困らない!?

 わたしの周りにもうまくいってない夫婦がたくさんいる。別れはしないがなんとなく当らず触らず暮らしている。別室主義、家庭内別居。うまくいってないというほどでもないが、遊びに行くにも別々の方が気楽だ、そのほうが楽しいという別行動パターンの夫婦も意外と多い。

 もしくは奥さんの他に彼女がいるのが公然の秘密になっている。しかも男たちはそれを許容しているふしがある。もしかしてお互い助け合っているのかもしれない。果てはうらやましがっているかもしれない。もしわたしが若かったら知らなかったかもしれないが、もういまや筒抜けなんだから皆様(苦笑)

 いやいや、奥さんのほうにも彼氏がいるのかもしれない。わたしは聞いたことないけれども(笑)

 これが熟年離婚しないけれども、なんとなく暮らしてる60代~70代の夫婦の姿だと思う。ちがう?

 わたし?

 わたしは同室主義、旅行も一緒、ご飯も向き合って食べてるよ~~。(ごそまつさま)

 さて、ナターシャも病気が治りかけたよう、続きにかかるとしよう。ピエール・ベズウーホフ伯爵は結婚生活に幻滅を感じている。ナターシャの精神的相談相手だ。とすると、どうなることか?






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最終更新日  2020年12月19日 19時03分01秒
コメント(13) | コメントを書く
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Re:恋の鞍替え、結婚のゆくえ(01/05)  
alex99  さん

う~~む

ロシアの文豪の長編小説を読み込んでゆくと、こういう世界が見えてくるのですね
ばあチャルさんでないと読み解けない世界ですよ
すごい

私の元妻もロシアに近いある国の没落貴族でして、曾祖母の時代には、毎晩、舞踏会に明け暮れていたそうです
お屋敷の他に別荘や領地もあったり、六ヶ国の外国語の新聞を購読していたとか

そんな生活の社交界の世界は、ちょっとコンボに慣れした (笑) われわれの世界とは感覚的にちがうかも知れません

実生活そのものが、一種の遊びになっていたのではないでしょうか?
フランスのルイ14世と愛人などのストーリーを、ロワールの城などとからめて知ってみると、ゲームの要素がかなりあるかと、思うのです

今夜は知ったかぶりで、書いてみました


(2009年01月06日 01時46分43秒)

Re:恋の鞍替え、結婚のゆくえ(01/05)  
alex99  さん

失礼
誤変換です

コンボ → コンビニ

 m(_ _)m

(2009年01月06日 01時47分59秒)

Re:恋の鞍替え、結婚のゆくえ(01/05)  
七詩  さん
初めて読んだ時にはその浮気の部分どうもよくわかりませんでしたし、そもそもナターシャというヒロイン自体にそれほど感情移入できなかった。でも、再度よみかえしてみるとこの浮気にはいくつもの伏線があるように思います。
婚約したもののなぜかそれを秘密にしておけという不可解な婚約者の態度。婚約者の父や妹から受け入れられなかったという悲哀。さらに幼馴染であり憎からず思っていた初恋の人が結婚して夫婦で幸福そうにしている姿を見るなど。
そこに遊び人だが美しい容姿の男が現れ、歯の浮くような言葉で求愛をする・・・という具合です。
それでもちょっと浮気から自殺未遂には飛躍があるように思いますけど。
たしかにアンドレイと最初の妻との不和などはどうも原因がわかりませんね。 (2009年01月06日 05時33分17秒)

alex99さん  
ばあチャル  さん

>私の元妻もロシアに近いある国の没落貴族でして、曾祖母の時代には、毎晩、舞踏会に明け暮れていたそうです
>お屋敷の他に別荘や領地もあったり、六ヶ国の外国語の新聞を購読していたとか

>そんな生活の社交界の世界は、ちょっとコンビニ慣れした (笑) われわれの世界とは感覚的にちがうかも知れません

>実生活そのものが、一種の遊びになっていたのではないでしょうか?
>フランスのルイ14世と愛人などのストーリーを、ロワールの城などとからめて知ってみると、ゲームの要素がかなりあるかと、思うのです

>今夜は知ったかぶりで、書いてみました

うーむ、そうだったのですか、思ったとおりだ(ってなにが 笑)

この小説の時代、舞台はナポレオンがロシア遠征した時の話、もちろん現代とは様相は違うでしょうが、男女間の事情は変わらないでしょうよ。
日本だって源氏物語の時代があってその様相が(あるひとたちには…高貴とかにかかわらず)脈々と流れていると思います。

だから古典的ロシア小説でもおもしろく読め、うむうむとうなずけるのですが。
(2009年01月06日 06時54分26秒)

七詩さん  
ばあチャル  さん

>初めて読んだ時にはその浮気の部分どうもよくわかりませんでしたし、そもそもナターシャというヒロイン自体にそれほど感情移入できなかった。でも、再度よみかえしてみるとこの浮気にはいくつもの伏線があるように思います。

『戦争と平和』はナポレオンの戦争にからめて、そのなかのでの人間としての悩み苦しみや悲しみ喜びを描いている壮大な小説ですよね。「人間性の不思議」発掘の宝庫(笑)

だからヒロインナターシャもおっしゃるように「?」な乙女。

前にも言いましたが同じトルストイ『アンナ・カレーニナ』のキティという乙女も状況はちがうけれどそんな風に描かれています。トルストイの好みかも(笑)

>婚約したもののなぜかそれを秘密にしておけという不可解な婚約者の態度。婚約者の父や妹から受け入れられなかったという悲哀。さらに幼馴染であり憎からず思っていた初恋の人が結婚して夫婦で幸福そうにしている姿を見るなど。
>そこに遊び人だが美しい容姿の男が現れ、歯の浮くような言葉で求愛をする・・・という具合です。

おお、七詩さんこれは書かれてはいない。なるほど伏線ですね。

>それでもちょっと浮気から自殺未遂には飛躍があるように思いますけど。

そのあとのロシア的迷信に近い信仰の様相につながるのかもしれないですね。ドストエフスキー「カラマーゾフ」の「リーザ」も激しい乙女でしたよ。

>たしかにアンドレイと最初の妻との不和などはどうも原因がわかりませんね。

そこでトルストイの有名なフレーズ
「幸福な家庭はみなおなじように似ているが、不幸な家庭は不幸のさまもそれぞれ違うものだ。」(アンナ・カレーニナ)
が生きてくるのでしょうか(笑)
(2009年01月06日 07時19分20秒)

Re:恋の鞍替え、結婚のゆくえ(01/05)  
ひよこ7444  さん
我が家も同室主義,旅行も一緒。

でも趣味だけは違うので、映画は私一人で行き、主人は将棋サロンに赴いています。

う~ん、まだ大丈夫かな?? (2009年01月06日 09時28分46秒)

ひよこ7444さん  
ばあチャル  さん

>我が家も同室主義,旅行も一緒。

>でも趣味だけは違うので、映画は私一人で行き、主人は将棋サロンに赴いています。

そうですよ。趣味まで一緒だとあきてしまいます。同じ趣味もあるし、違うのもある。それぞれの都合によってしばしの別れ(笑)

>う~ん、まだ大丈夫かな??

だから大丈夫なのです。なにが?(笑)
(2009年01月06日 12時26分39秒)

でなに  
オーキリ  さん
どう言うこと?
病気の治ったナターシャとベズウーホフ伯爵が
浮気をするのかしら。
なんか今の時代より男女関係がグチャグチャ
節操もなにもあったモンじゃないって気がするけど
.....。
でも今の家庭内別居だとか別室生活だとかで
お茶を濁している(?)仮面ふ~ふよりは
はっきりしていて気持ちよい?。 (2009年01月06日 18時33分26秒)

Re:恋の鞍替え、結婚のゆくえ(01/05)  
msk222  さん
>わたしは同室主義、旅行も一緒、ご飯も向き合って食べてるよ~~。(ごそまつさま)

エライ! っていうほどでもないか。
僕は別室です。そのほうが、互いにゆっくり眠られるから。僕が遅くに帰ることが多いから起こしたくないのです。ひとつ屋根の下にいるんだから、同室でも別室でもそんなにかわりないと思うけれど…。ちがうかなー。
ゴハンは2食は向かい合ってたべますよ。
そういえば、よその人と食べるときには隣り合って…(笑)
(2009年01月06日 21時01分20秒)

オーキリさん  
ばあチャル  さん
Re:でなに
>どう言うこと?
>病気の治ったナターシャとベズウーホフ伯爵が
>浮気をするのかしら。
>なんか今の時代より男女関係がグチャグチャ
>節操もなにもあったモンじゃないって気がするけど
>.....。

なにってこともないけれど、まだ続きをよんでいないもので(^^ゞ
まあ、ナポレオンの時代ですから、貴族から何から好き放題の中で人間性が…、といいながら嘘くさくなってきました(笑)

>でも今の家庭内別居だとか別室生活だとかで
>お茶を濁している(?)仮面ふ~ふよりは
>はっきりしていて気持ちよい?。

「仮面夫婦」という言葉はなつかしいです。もう?
(2009年01月07日 07時10分15秒)

msk222さん  
ばあチャル  さん

>エライ! っていうほどでもないか。

>僕は別室です。そのほうが、互いにゆっくり眠られるから。僕が遅くに帰ることが多いから起こしたくないのです。ひとつ屋根の下にいるんだから、同室でも別室でもそんなにかわりないと思うけれど…。ちがうかなー。

そう、この同室か否かは都合や選択ですから、夫婦関係ではありませんね。わたしは別の部屋がないだけ(笑)

>ゴハンは2食は向かい合ってたべますよ。
>そういえば、よその人と食べるときには隣り合って…(笑)

これにもふかーい(それほどでもないか)意味がありまして、隣り合ってTV見ながら食べていた事もあるんですよ。でも、それじゃいかん、と向かい合ってきちんとしたマナーで食べる事にしたのです。まあ、老顔を見合っても珍しくはありませんが、話は出来ますね。でも喧嘩(議論)になって険悪の状態になることもあるにはある…(笑)
(2009年01月07日 07時23分34秒)

Re:恋の鞍替え、結婚のゆくえ(01/05)  
朱鷺子6565  さん
この小説は、本を読んだらまた感じが
違うのでしょうね。
私は中学生の時だったか、高1だったかな?
映画を観ただけですけど、
ナターシャの役のオードリー・ヘプバーンを
中心にした映画になっていて
ものすごく可愛く、魅力的だった。
違う男性に、すぐに惚れちゃう
お馬鹿さんな女の子だなんて
思いもしなかった~
映画は
本とは違うものに仕上がっているのかも
知れませんね?


(2009年01月08日 15時20分23秒)

朱鷺子6565さん  
ばあチャル  さん

>私は中学生の時だったか、高1だったかな?
>映画を観ただけですけど、
>ナターシャの役のオードリー・ヘプバーンを
>中心にした映画になっていて
>ものすごく可愛く、魅力的だった。
>違う男性に、すぐに惚れちゃう
>お馬鹿さんな女の子だなんて
>思いもしなかった~
>映画は
>本とは違うものに仕上がっているのかも
>知れませんね?

映画を知らないものですから、想像ですが、やはり映像と文章のニュアンスはちがうのでしょう。よりシンプルに魅力的にナターシャを表現していると思います。小説を読んだ限り、オードリー・ヘップバーンがぴったりはまり役ですよ♪
(2009年01月08日 18時51分36秒)

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