不純な動機で購入した本である。欲しい本一冊だと送料が掛かるので、加えて買ったほうの本。久しぶりの読書感想。
「週刊文春’08年ミステリーベストテン第一位」とか「本屋大賞ノミネート」、「小説推理新人賞受賞」などと周辺が華々しいとつい割り引いて読んでしまう。
こういう新人本の場合、そういう前評判で選ぶよりも、本屋で「あ、これ!」と、カンで選ぶほうがわたしは好き。大抵当たる。
それはこちらが天邪鬼なので、作家さんには悪いが。で、割り引いて読んでしまったのだけど、一気にも読んでしまった。
読みあたりがいい。特に書き出しのスムースさには感心した。「第一章 聖職者」はさぞかし雑誌発表の折からすごい新人だと思われたのじゃないかな。
先生が退職するにあたって、受け持ちの生徒に最後の挨拶をしている、改行のない文が印象深い。とても新鮮に感じた。ありそうな現実に思えるほど。
そして各登場人物の「告白」が続くのだが、章を重ねるに従って、一章にくらべると印象がぼやけてくる。最終章はちょっと不満。
「そこまですることない!」と後味が悪いということではなくて、一章の冷静沈着なしかし暖かい「先生」から遊離したイメージと思った。
えー、読んだ人向けの感想になった。読まないひとはさっぱりわからないと思う。
『影法師』百田尚樹 2016年12月11日
悲しみよ こんにちわ 2010年08月25日 コメント(9)
PR
カテゴリ
コメント新着
七詩さんサイド自由欄
フリーページ
カレンダー
キーワードサーチ