やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2009年07月11日
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カテゴリ: 読書感想

 最近出版される文学本がなんだかつまらない。どうしても近代文学(明治大正昭和時代の)が好みに合ってしまうのは「さてはわたしが古い人間だからしょうがないか」とも思っていたのだが。

水村美苗著『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』 を読んで少し疑問の糸口が見えた気がする。言葉とは奥が深い。

 平安のころ、文章といえば漢文だけが「書き言葉」で、『源氏物語』や日記などが「話し言葉」のやまと言葉をひらがなで書いたものだった。そんなことは習っていたのに忘れていた。

 つまり「書き言葉」は「話し言葉」と分かれていた。

 文明開化で外国語と外国の文化を取り込んだときの「言文一致」は優れていたが、戦後の国語教育ないし方針が「話し言葉=書き言葉」になって今に至っている現状は文学にとって悲惨な結果になったのではないか、というのが水村氏の説。(もう少し専門語でこの本には説明してあるが、だいたいそんなこと)

 現代文学と近代文学は、単に言葉の表現方法だけに違いがあるのではないが、このまったき「言文一致」の弊害の指摘に目からウロコの思いがした。

 それからもう一つこの本を読んでちょっと溜飲が下がった思いがあった。

 作家水村美苗さんは英語が苦手(嫌い)なのだけれども、英語がわからないのではない。12歳から20年アメリカに住んで教育も十分受けた(大学院までいってしまった)、羨ましい人だ。

 この羨ましいという日本人の大部分が感じることが、ことをややこしくしているという。英語教育を長々とやっているのに相変わらず日本人は英語が下手で損をしているという事実。

 だけど英語はいまや世界の「普遍語」になっている。事実化学や科学医学の分野ではもうそうなっている。英語で発信しないと世界に向かっては何も言わないのと同じになってしまう。

 なにも国民みなが英語のバイリンガルにならなくてよろしい(そうしない国もあるが インドとかフィリピン、でも元植民地などの深い理由がある。それもラッキーだったのか?国語のゆくえがどうなるのか?)。英語は易しくない、一部エリートが成し遂げれば十分ではないか。はい、おまかせします。チャン、チャン(笑) 






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最終更新日  2009年07月12日 08時50分41秒
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Re:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
Rinn さん
う~ん、どの時代に生まれたかによって、馴染んだ書き言葉ってあるようです。
言文一致で話すように書くことが当り前になって、一世紀以上。話し言葉が変われば、書き言葉も変わる。
例えば私の世代では、最近の女子高生言葉で書かれるケータイ小説には違和感がある。それが人として普遍の恋愛感情を描いていても、「うん、わかるわかる」となりにくい。
そう思うと、現代の文学において言文一致が功を成してない、どころか弊害があるかも、という主張はうなづける点もありますね。
自分にとって読みこなせるのは、漱石・鴎外から川端とか三島とかで、一葉になるとかなり読みにくい。しかし表現はそうでも、そこに書かれる感情には古さを感じない。
この表現法の違いより、感情に共感できるかどうかが、一番大きいように思います。
もし世界中の誰にでも理解・共感できる小説を書くのに、英語しかないなら、必死でバイリンガルにならなきゃいけないでしょうが、そうでないなら自分なりの書き言葉を磨くしかないのかな、と思いました。
(2009年07月12日 12時42分52秒)

Re[1]:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
ばあチャル  さん
Rinnさん

>う~ん、どの時代に生まれたかによって、馴染んだ書き言葉ってあるようです。

生まれた時代・・・わたしは戦後2、3年で小学校に入学しましたので、書く文章は新仮名遣い(現在のもの)、ローマ字のAIUEOの洗礼ばっちりだったのですよ!(それもGHQのさしがねでしょ)三つ子の魂100までもじゃないけど、文章を読み始めたときの印象は読みにくくて気持ち悪くて困りました。まだ巷は旧仮名遣いでしたからね。ほんとあの時は苦しかったです。だからだんだん出版物が新仮名になって近代文学つまり夏目漱石や芥川龍之介までがなってよかった!と思ったのですが、ことはそんな簡単な事じゃなかったのでした。

>言文一致で話すように書くことが当り前になって、一世紀以上。話し言葉が変われば、書き言葉も変わる。
>例えば私の世代では、最近の女子高生言葉で書かれるケータイ小説には違和感がある。それが人として普遍の恋愛感情を描いていても、「うん、わかるわかる」となりにくい。

そうそれ!やっぱり違和感ありますね。これでいいんだろうかと。

>そう思うと、現代の文学において言文一致が功を成してない、どころか弊害があるかも、という主張はうなづける点もありますね。

わたしも原因のすべてがそうだとは思いませんが、書き言葉っていうのがあれ緩和しますよね。工夫もしますよね。ブログだって工夫してなるべく伝わるようにしてるじゃありませんか。けして言文一致ではありませんよ。

(2009年07月12日 18時10分54秒)

Re[1]:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
ばあチャル  さん
Rinnさん

>自分にとって読みこなせるのは、漱石・鴎外から川端とか三島とかで、一葉になるとかなり読みにくい。しかし表現はそうでも、そこに書かれる感情には古さを感じない。

ほんとうは旧仮名遣い、旧漢字の方が雰囲気がでるのでしょうが、そういう旧い文章には香りと芯がありますね。わたしも懐かしくなってくるから不思議です。

>この表現法の違いより、感情に共感できるかどうかが、一番大きいように思います。

しかし、旧い文章は今や勉強したひとでないとわからない時代なのでしょうね。

>もし世界中の誰にでも理解・共感できる小説を書くのに、英語しかないなら、必死でバイリンガルにならなきゃいけないでしょうが、そうでないなら自分なりの書き言葉を磨くしかないのかな、と思いました。

水村さんの主張もそうでした。日本語の教育をしっかりしてほしいと。国語の時間が減っているそうですから。

何言葉でもいいから自分の意見、主張を言える文章を書かなければならないですね。
(2009年07月12日 18時30分22秒)

Re:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
alex99  さん

要するに、古いものの価値という命題だと思います

韓国の人と接して感じたのですが、韓国の人は古いものを大切にしません
意外でしょうが

ばあチャルさんも韓国観光をしてある (笑) 感慨を感じたようですが

私が感じたことは、韓国の人は、古いものを記帳だとか、大切だとか、と思う心が乏しい

衣類でも、ちょっと古いものだと、みすぼらしいから捨てたらいいのでは・・・などとひょけいなことを言う

日本人の「もったいな」とか、骨董趣味とか、そこまで行かないでも、ちょいと古いものを愛でる(めでる)私たちのこの感性、復古趣味?
それを、私は貴重だと思うのですが
アメリカ人など、欧州の安っぽいものでも、ありがたがって (笑) 施設博物館に収めたりします
欧州人はなおさら

半島の人は、いろんなモノが自分の上を跨いだり、流れたり、通り過ぎたりする経験を持ったのでしょう
古さを尊ぶ心が枯渇したのかな?


(2009年07月13日 05時35分11秒)

Re:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
alex99  さん

日本列島というものは、DNAでも、吹きだまりらしい
ユーラシア大陸を浮遊した人々が最後に日本列島に流れついて、これ以上移動できない
後は太平洋ですからね (笑)

だから、世界のDNAが寄せ集まる
文化も煮詰まる
それが日本の特質らしい

日本人って、いろんな意味で、かなり特殊

(2009年07月13日 05時39分25秒)

Re[1]:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
ばあチャル  さん
alex99さん

>要するに、古いものの価値という命題だと思います

そうです。人間も古くなってくると、より古いものに価値を見出す法則(笑)

>韓国の人と接して感じたのですが、韓国の人は古いものを大切にしません
>意外でしょうが

>ばあチャルさんも韓国観光をしてある (笑) 感慨を感じたようですが

>私が感じたことは、韓国の人は、古いものを記帳だとか、大切だとか、と思う心が乏しい

うーむ、意外です!それで重厚な建築物がなかったともいえますね。
壊された建物を惜しんで日本人に恨みを持つのではなく、日本人憎しだけの教育でそうであったのか。


>衣類でも、ちょっと古いものだと、みすぼらしいから捨てたらいいのでは・・・などとひょけいなことを言う

最近のニュースで飲食店が一度客に出した残り物をまた出す悪慣習を「もったいないから」なんていってましたが、真赤なうそ?(笑)


>日本人の「もったいな」とか、骨董趣味とか、そこまで行かないでも、ちょいと古いものを愛でる(めでる)私たちのこの感性、復古趣味?
>それを、私は貴重だと思うのですが
>アメリカ人など、欧州の安っぽいものでも、ありがたがって (笑) 施設博物館に収めたりします
>欧州人はなおさら

>半島の人は、いろんなモノが自分の上を跨いだり、流れたり、通り過ぎたりする経験を持ったのでしょう
>古さを尊ぶ心が枯渇したのかな?

たしかに、朝鮮半島は通り過ぎる地点ではありますね。おもしろいものですね。

(2009年07月13日 08時25分55秒)

Re[1]:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
ばあチャル  さん
alex99さん

>日本列島というものは、DNAでも、吹きだまりらしい
>ユーラシア大陸を浮遊した人々が最後に日本列島に流れついて、これ以上移動できない
>後は太平洋ですからね (笑)

>だから、世界のDNAが寄せ集まる
>文化も煮詰まる
>それが日本の特質らしい

>日本人って、いろんな意味で、かなり特殊

はじっこがどうも好きで、主張があいまい、片寄せあわないと行くところが無い、という気質はしょうがないか(笑)
だからそうじゃない気質のひと(突然変異?)は大変苦労するのだ!

(2009年07月13日 08時32分53秒)

Re:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
bonbonus さん
うーん。ばあチャルさんもこの間から言葉あるいは言語ということに
悩んでいらっしゃるのがひしひしと感じられます。

さて人生の6割を外国で暮らし,なおかつ母国語を何とか操り,人種の坩堝で日々もがいている私が感じている言葉についてコメントします。

まず言葉の定義ですが,私なりに整理しますと、「言葉というのは
その民族の固有の歴史的背景を元に形成される言語形態であるが故に
絶えず変化を余儀なくされる宿命にある。」と。

その国の言葉を喋る,読む,書く言う行為は,それと同時にその国の文化を背負い込むという作業的側面があると思います。

背負い込む固有の文化を抜きに,その国の言葉を操っても、それは
単なる伝達機能だけが特化したある意味では暗号でしかないと思います。

本当の意味でその国の言葉を理解するには,言葉の肉体化という表現が適当かどうか分かりませんが,頭の中で翻訳すべき他の言葉を持っていないのが理想だと思います。


(2009年07月13日 12時51分45秒)

Re:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
bonbounus さん
続き

ところが,外国語を真に理解し肉体化しようとした場合、それは残念ながら自分の持つ母国語を捨てたときに可能なメカニズムだと思います。

確かに現地語(外国語)を習得するのは,特に英米語、今の世界の状況
にとって必要不可欠だと思います。

ただ自分自身の骨と肉になっている母国語(日本語)をないがしろに
するのは,自分のアイデンティティ(存在理由)を自ら放棄する事に
なりかねないという懸念を絶えず念頭に置く必要があると思います。 (2009年07月13日 13時03分10秒)

Re[1]:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
ばあチャル  さん
bonbounusさん

悩んでいるほどではありませんが、気になりだしましてね(笑)

bonbounusさんのようにフランス語ならフランスに住んで日常に使って、日本語も忘れない方のコメントは重みが在ります。
むしろすごいです!頭の中はどうなっていらっしゃるのでしょうね。複雑なしわが...(笑)

顔のしわは増えても、脳のしわが減りつつあるわたしは悩んでもしかたないですね(笑)

(2009年07月13日 20時29分49秒)

Re:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
bonbonus さん
私の場合、月に1,2回海外(いや外国)に出張します。その時は英語を共通語にするわけですが、英米語が母国語でない人たちの英語は本来の英語ではなくプア(貧弱)英語(笑)で非常にわかりやすいのですが、母国語にしているアメリカ人の米語は耳を倍ぐらいに大きくして聞き取ります。ただ慣れで正確な米語を喋るのはほとんどおらず、
地方によって相当訛りがあります。ニューヨーク系は土地柄スピードが早く,1時間も話せば相手の生まれから現在までの人生を知ってしまいます。私はまるで精神科の医者みたいに相槌を打つだけ。
反対にカリフォルニア系の西海岸の野郎には「おまえチュウインガムをだせよ。くちゃくちゃいって何を言っているのかわからんよ。」と冗談を飛ばします。
彼ら曰く「お前のはフランス訛りでいやにスケベたらしいぜ。」とか
「どうもイギリス人が喋る英語は訛りがあってわかりづらいぜ。」とのたまう。
ここにたまにテキサス系がはいると私の耳は象の耳より大きくなった感じがします。
ーこれ英語(米語)僕が習ったジャックアンドベッティと全然違うじゃん。ー

個人的には英国英語が好きですが、英国生まれのフランス人の友人に(彼は英語で契約トラブル処理の仕事をしている.弁護士みたいな奴)ー英語らしく喋るにはどうしたらいいのか?ーを聞いたことがある。
かれ曰くー英語は舞台俳優が喋るように何事も芝居がかりでするのがいい。おおげさに。たとえばYES(イエス)をOH! yes(オウ!イエスウ)という具合にねーそれに口は縦に大きく相手の頭から見下ろすように喋るのさ。それと大事なことは口から発音する感じじゃなく、耳から発音しているイメージを作ることさ。ーだと。

言葉というのは面白い。
今度中国語をやってみたい。
(2009年07月13日 21時24分59秒)

Re:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
もろりん*  さん

ばあチャルさんこんにちは^^
毎日暑いですが、いかがお過ごしですが?
娘さんと赤ちゃんもお元気でしょうか?

今回のブログ、考えさせられる内容ですね。
みなさんのコメントもじっくり拝見させていただきました。
私もケータイ小説はかなり違和感があります(^_^;)

そうそう今、企画でばあチャルさんが挙げてくださった、三浦綾子さんの「道ありき」を読んでいます。
内容にも、文章にもぐいぐい惹き付けられています。
すごいですね~。
読み終えたらまた報告させてくださいね(^^)

今開催中の企画は「本をもってバカンスに行こう」です。時間もお金も気にせず、好きな風に過ごせたらどこで何を読みたいか、自由に考えるんです♪
もし興味がありましたら、ぜひご参加ください(^_^)v (2009年07月15日 11時12分33秒)

Re:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
もろりん*  さん
ばあチャルさん、何度もお邪魔しますm(_ _)m

「道ありき」読み終えました。
圧倒されて、昨日徹夜で読んでしまいました~。
本当に素晴らしかったです!感銘を受けました。
ほんとうに、三浦綾子さんって人を惹きつける不思議な魅力がありますね。

良い本を教えて下さってありがとうございました。
サイトに遊びに来てくださる方の中にも、ばあチャルさんの投稿がきっかけで、この本を読んだ方がいて、その方も感動していましたよ~^^ (2009年07月16日 10時05分56秒)

Re[1]:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
ばあチャル  さん
bonbonusさん

お返事が遅れてごめんなさい。

ふふふ、わたしでも英語圏でない方の英語のアクセント、発音が違うなーとわかります(おもしろいですね)単語の使い方の間違いまではわかりませんが(笑)

>言葉というのは面白い。
>今度中国語をやってみたい。

えっ、韓国語の他にですか!やっぱり語学って才能ですね!
(2009年07月18日 07時41分20秒)

Re[1]:「書き言葉」は「話し言葉」とはちがうのだっだ(07/11)  
ばあチャル  さん
もろりん*さん

お返事おくれましてごめんなさい。

>娘さんと赤ちゃんもお元気でしょうか?

お気遣い、ありがとうございます。
やはり孫の症状が重いものですから、病院で大きくなっています。先日は二度目の手術をいたしました。
娘は頑張っていると思います。わたしはたいしたことをしていないのにすぐくたびれまして、なさけないです。
口だけはたっしゃでこれじゃ、まるで「おばあさん」ですって、そうなんですが(笑)
だまって行動するが理想なんですが...。

さて、今度のもろりんさんの企画にある場所が浮かびまして、ぜひ参加したいと思っております。

三浦綾子さんの「道ありき」をお読みになったのですね!しかも徹夜とは!投稿してよかったわ♪と思います。

わたし、特定の宗教を信仰していませんが、人間の可能性のようなものに希望がもてますね。
(2009年07月18日 08時05分32秒)

ありがとうございました!  
もろりん*  さん
ばあチャルさん、投稿を受け取りましたよ~!
お忙しいのに本当にありがとうございました。

とっても素敵なバカンスの過ごし方ですね(^^)
お盆の東京状態・・・本当にそうなるみたいですよ。
毎年たっぷりのお休みがあるなんて羨ましいですよね。笑。

発表は八月の半ば過ぎくらいになるでしょうか。
楽しみにしていてくださいね(^^)v

「道ありき」は本当に良かったです。
今は結核といってもピンとこないのですが、当時は本当に死の病だったのですね。
13年間のつらい闘病生活の中、必死に心のあり方を見つけようとする綾子さんと、綾子さんを囲む人達の愛情に涙、涙でした。
文章も素晴らしかったです。
<青春編>とありましたが、3部作なのですね~。ばあチャルさんは他の2作も読まれましたか?


楽天のページをお知らせのみにしてしまってすみませんm(_ _)m
わざわざ見に来てくださっていて本当に嬉しいです。 (2009年07月18日 15時17分31秒)

こんにちは  
masakazu さん
作文と文体の違いですね。文語と小説の口語の違いは線引きが難しいです。源氏は、書き割りが分かりやすく今の小説に近いから、結構、ページをパラパラめくると意味がつかめたりします。枕草子は、地の文や回想、会話が、まざって分かりにくいです。一葉さんは、枕草子とおんなじように地の文と一人称がまざっています。
教養というものが今はアカデミック(大学教育)なものしか認知されなくなりましたが、鏡花や一葉さんは、高等学校も帝大も出ていません。なのに、あんな華麗な文体を獲得しました。
この辺の文語・口語の話は、「新潮」で松浦寿輝さんが「明治の表象空間」という連載で評しています。
口語というより、文体に基づいた語彙の多さにより感情の深さを的確な尺度で使い分けるのを目の当たりにするには、詩人(純粋に職業・詩人な文士達)の言葉に耳を傾ければ、ご納得していただけると思います。
純文学系の雑誌では、今もって文語は生きてるように感じます。野間文学賞や芸術選奨の正賞、谷崎賞、その辺の小説は、文語の系譜を引き継いだ文体だと思います。
あと、とある小説家が講演で、英語と日本語は、思考ロジックが違うから、英語をやると、日本語が理解できなくなるというようなことを言ってたっけ・・。
(2009年07月19日 11時19分14秒)

Re:ありがとうございました!(07/11)  
ばあチャル  さん
もろりん*さん

>発表は八月の半ば過ぎくらいになるでしょうか。
>楽しみにしていてくださいね(^^)v

みなさまのを読むのが楽しみです!


>「道ありき」は本当に良かったです。
>今は結核といってもピンとこないのですが、当時は本当に死の病だったのですね。
>13年間のつらい闘病生活の中、必死に心のあり方を見つけようとする綾子さんと、綾子さんを囲む人達の愛情に涙、涙でした。
>文章も素晴らしかったです。
><青春編>とありましたが、3部作なのですね~。ばあチャルさんは他の2作も読まれましたか?

はい、読みました!
『この土の器をも』と『光あるうちに』
ちょこっと感想も書きました。

plaza.rakuten.co.jp/bookmokko/diary/200802240000/

『氷点』は前に読んでいましたが、『続氷点』など読みあさりしばらく三浦さんづいていましたよ(笑)
(2009年07月20日 08時21分12秒)

Re:こんにちは(07/11)  
ばあチャル  さん
masakazuさん

ひさしぶりにいらしてくださりありがとうございます!

>作文と文体の違いですね。文語と小説の口語の違いは線引きが難しいです。源氏は、書き割りが分かりやすく今の小説に近いから、結構、ページをパラパラめくると意味がつかめたりします。枕草子は、地の文や回想、会話が、まざって分かりにくいです。一葉さんは、枕草子とおんなじように地の文と一人称がまざっています。

わたしも送ればせながら敬遠していた一葉をこの後、早速読んでしまいました。わかるではありませんか、というより、言葉の豊かさにびっくりしました。
なるほど、地の文と会話がとらえにくいのではありますが、慣れればどうということありません。
そういえば現代の現代ことば、会話体で書かれているおもしろい小説もそんなふうですね。

うーむ、わたしが読みたい小説というのは書き言葉、話し言葉うんぬんというより、語彙の豊かさも関係してくるのですね。

>教養というものが今はアカデミック(大学教育)なものしか認知されなくなりましたが、鏡花や一葉さんは、高等学校も帝大も出ていません。なのに、あんな華麗な文体を獲得しました。

教養も学校を出たかではなく、やったかどうかですね。

(2009年07月20日 08時40分54秒)

Re:こんにちは(07/11)  
ばあチャル  さん
masakazuさん

つづき
>この辺の文語・口語の話は、「新潮」で松浦寿輝さんが「明治の表象空間」という連載で評しています。
>口語というより、文体に基づいた語彙の多さにより感情の深さを的確な尺度で使い分けるのを目の当たりにするには、詩人(純粋に職業・詩人な文士達)の言葉に耳を傾ければ、ご納得していただけると思います。

勉強しますね。そろそろ、ですが(笑)

>純文学系の雑誌では、今もって文語は生きてるように感じます。野間文学賞や芸術選奨の正賞、谷崎賞、その辺の小説は、文語の系譜を引き継いだ文体だと思います。
>あと、とある小説家が講演で、英語と日本語は、思考ロジックが違うから、英語をやると、日本語が理解できなくなるというようなことを言ってたっけ・・。

ほんとにいいコメントを書いてくださり感謝です。

(2009年07月20日 08時44分53秒)

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