『銃口』三浦綾子
大正天皇の御大葬から昭和天皇の御大葬まで、昭和史のような時代を背景に生い立ち、教師として生きていく主人公「北森竜太」を描く。
裕福な家庭に生まれた素直な少年の彼が、小学校時の受け持ちの先生の影響を受けて教師となる。
天皇のご真影を拝する学校教育に何の疑問も感じず、その時代のごく普通の教師であった。
しかし、情熱を持ってした綴り方指導が言論統制の当局の目にとまってしまった。
治安維持法で勾留され、教師をやめさせられ、教師なら免除になって逃れていた軍隊への召集もかけられ戦争に参加しなければならず、さまざまな苦難を味わうことになるのである。
ストーリーは太平洋戦争のあとさきに限られており、戦後の教師はどうだったかというテーマもあれば昭和をたどったことになろうが、そこまでは筆が及ばなかったようである。
だから教師の昭和史と言うより、国策により権力を持った憲兵が自分の保身のためどんな風に悪知恵を働かせ罪を作って個人にかぶせ翻弄させられるか、さすが三浦綾子さんの筆運び、迫真に描かれてあり、読後すごく怒りを覚えさせられた。
思えば状況は今も同じようである。実際検事局が状況証拠を捏造したりするのをまのあたりにしたのだもの、油断ならない、怖ろしい。
追記:読み直してみてなんだか支離滅裂だったので昨日のをアップしなおしました。たいして変わりばえしないかもしれないけれども(笑)
よみがえり 2023年12月21日
こういうエンタメが好き 2023年12月19日
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