夫が「こんなのを買った」というのをちょいと横取り、あっという間に読んでしまった文庫本
『小銭をかぞえる』西村賢太
この文庫、短い間に版も重ねて売れているらしい、この作家さん知らなかった芥川賞を受賞した時にもヘンな言動で話題になったらしいが、それもスルーしていたらしい
ま、わたしの読書好きも偏っているから
それで
面白く読んだというか引き込まれたしまったわけはその文面の率直さにある
飾っていない傍若無人(風な)私小説である
私小説はつまらないもの(つまらなくても今は好きなのだがそれだからこそ好きになったのだが)という概念をぶちこわしてくれる
私小説ってこういかなくっちゃ、という清さがある
表題作のほか「焼却炉行き赤ん坊」なんていう物騒なタイトルの作品もあわせて作者(主人公)のハチャメチャな日常を描いているのだがどこか憎めないんだなー
こんな「ひでえ奴」身近にいたら即、わたしは近寄らない
だけどもしかし
はたし「てわたしはこの人より立派な人格かぁ?」と
人間の根源的な「悪」の部分をさらりと抉り出してくれる文芸なのだ
文間に立ちのぼってくるものなんだけど
ネット社会はすぐに作者の映像(ユーチューブ)やウィキペディアで半端な情報を知ることになるがその印象がわたしにはどーだったか、こーだったか(笑)
露悪趣味とは一味違うその文章はやはり創作文芸であることよな~
作家は文章で勝負、と、わたしはえらく得心をしたのであった
よみがえり 2023年12月21日
こういうエンタメが好き 2023年12月19日
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