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2020年10月25日
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カテゴリ: ニューヨークにて
私のジャズ・ピアノの師匠ウィル・ブールウェアに、
「あなたはもう今は音楽をたくさん持っているね~!」
「グッド・ラック!」
のように言われました!!!

師匠ウィルはこんな感じのことを言っていましたが、「もう今は音楽をたくさん持っている」という意味は、「ウィルから教わった内容の曲を着実に弾けるようになって習得していっているから、弾ける曲が貯まってきたね~!」というようなことです。
ウィルの人生でたった一人だけ彼のレベルの内容について来ることが出来たという弟子第一号が、無事に育ってきているからとても喜んでくれています☆

(昔、ウィルに教えて欲しいと頼んできた人々は、結局、誰一人彼のレベルの内容についていけなかったから脱落して辞めてしまったのです。私以外の人々は、全員ついていけなくてすぐ辞めたのだそうです。
 教えてもらい始めてから最初のうちは、”なぜ他の人々は全員ついていけなくて脱落してしまったのだろう?”と不思議だったのですが。

 ・・・しばらくしてだんだん分かってきました。ウィルの演奏は並のピアニストにとっては難しすぎるのだと思います。普通にジャズを弾く並のジャズ・ピアニストにはそこまで要求されていないようなところまで非常に高い世界頂点のレベルの演奏をなさるからなのです。別にそこまで習得しなくても普通にでしたら並のジャズピアノなら誰でも練習すれば弾けるのですが、それに世界頂点のレベルになるとプラス・アルファが加わるから難しくなってきて、ウィル独自の唯一無二の奏法になっています。



 それはシート(名曲の楽譜集であるリアルブックThe Real Bookの譜面)のコード名のとおりではないですし、彼はこういう一般の譜面のコードを普通には弾かないですから、独自のコードなのです。これはややこしすぎるし難しすぎるし、本当に世間ではこんな究極のレベルまで求められてはいませんし、どこの音楽大学のジャズ学科でも教えてないレベルの究極の内容です。

 私もウィルからリアルブックの譜面を元にして発展した内容を教えてもらっていますが、それについてはウィキのページをはりつけますね~。セッションする時も各自が練習しておく時も、リアルブックの譜面で合わせるものです。これはジャズ・ミュージシャンにとって共通言語みたいな基本の本で、必須で、音楽大学のジャズ学科でもこの本を教材に使います。
 私が現在、ブラジル人ギタリストと各自練習してセッションの準備中ですが、その際も合言葉のように、「リアルブックの譜面とコードで練習しておこうね~」と話していますよ。

リアルブック

 ところが、ウィルの演奏のコードを教えてもらったら、ものすごく多重に音を重ねてハーモニーを作るから分厚いコードになっていることが分かり、一人で二人分を弾いている感じで、まるで2名の連弾みたいになります。それでそのウィルが使うコードがリアルブックのコード名とかけ離れていて違うので、コード名を書いていただいたら、ずらずらとすごく長いコード名になっていて難しいのです。日本で学んだ時は、こんなコード、聞いたことがなかったです。・・・これが世界で一握り(10人以内)の世界水準のジャズ・ピアニストの演奏なのか!と思い知りました。←本当に大げさではなく、F1レーサーの中でもトップの人々であるセナやプロストから、幼稚園児の私がドライビングを教えてもらっているようなものです(笑)。並のジャズ・ピアニストが幼稚園児と例えるとイメージが分かりやすいです。一般のプロのジャズ・ピアニストとウィルは、子供と大人くらい違うのです。
 もちろん、ウィルの演奏は、そういう技術的な面だけではなく、1音1音の細かい強弱や長さに全て深い意味があって、弾き方や指の動かし方、背筋をびしっと伸ばした姿勢とか、ひじの位置とか全てにおいて素晴らしいです。学ぶことばかり多いです。そこには数学みたいな世界が広がっていました。

 そしてウィルの奏法は、最低限私の手のサイズと指の長さがないと鍵盤が届かないから弾けないことも分かってきました。ピアノの鍵盤の下のドから上のミまで軽く届く私で指がパツンパツンでギリギリの時があるから、”私でも弾くのが指がきついと、他の女性は全員これは弾けないなあ~、過去には教えを乞うた人々が全員ついていけなかったのは無理ない気がするなあ~”と分かりました。どうして誰もついていけなかったのかな~ことごとく全員ってなぜだろう?根性が足りなかったのかなあ?と思いましたが、彼らの根性の問題だけではなかったかもしれません。
 例えば片手でドからミの距離を押さえた間に2つ音が加わって全部で4つの鍵盤を同時に押さえることがありますが、これは、ドからミまで指が届くうえに少し余裕がないともう2つの鍵盤を押さえることが出来ないですよね。ドからミが届くのがやっとだと間にあと2つも鍵盤を押さえる余裕がないから無理ですし、演奏は音楽ですから続いていきますので、次々にそういう箇所が連続して出てきますから、難しいです。ですからこれでは指が届かない場合は、音を減らして弾くとか鍵盤の位置を近距離に変えるしか仕方がなくなりますよね。
 かといって鍵盤を近距離の位置に変えて鳴らしてみると、なんかにごったような音になり響きが違うのですよ。1音1音をどうしてその音を選んでいるのかに全て意味があるのですね。)

ウィルについていけている私は、本当の彼の弟子第一号です。

それで、「グッド・ラック!」と言われたのは、私にとって意外で(!)、これはウィルにとってジャズとは外で生演奏することが基本なため「もう弾ける曲がたくさんあるから(生演奏する準備が出来てきてるから)、生演奏の機会へグッド・ラック!」ということなのです。
・・・ビックリです。まだまだそれには早すぎると思いこんでいたので!!!


ウィルにとってジャズとは、家で自分一人のために演奏することではなくて、外で他のミュージシャン達とジャム・セッションして生演奏することであり、また生演奏をして人々に聴いてもらって楽しんでいただくことであり、それはアメリカのジャズ音楽の文化の本当の姿なのですね。

(他のミュージシャン達とジャム・セッションするためにはジャズのフォームを知っていなければならないですし、家でまず自分一人で練習を積み続けていなければならないです。)

ニューヨークらしい生活になってきました(笑)。

師匠ウィルについていって習得して、私自身の音を出せるようになっていきたいと思います。


キーボードを再び毎日練習するようになってしばらくしてから、指が以前のように動いて演奏できるように戻ってきて、自由に動くようになりました。短期間ですぐに指の動きが元に戻ったのでよかったです。

ジュエリー製作のためにも効果があるので、演奏の練習は続けていきますね~。


あと、なぜ指が以前のように演奏できるようにすぐ戻ったのかな~と思いますが、これは昔子供の頃から15年間は続けたことだからでしょう。子供の頃から長く続けたことは消えずに自分の中に残るのだなと実感しました。何事も長く続けてきたから、自分の中に残って軸となったのだと実感しています。


お陰様で、楽しい毎日を送っていて張りがあります。楽しくて幸せです☆

音楽のことで幸せいっぱいなので、最近はいつも移動中やこまぎれ時間にも頭の中で音楽の復習をしたり演奏が鳴っている状態です。そのため、新型コロナウイルスのこととか心配が頭から吹っ飛んでしまい(笑)、いつも楽しい音楽が頭の中で鳴っているから新型コロナウイルスとか天災とかを思い浮かべる隙間が全く無くなってしまいました~。ニューヨークの地下鉄とかコロナのリスクは大きいだろうけれど、でも地下鉄の中にいても頭の中は音楽が鳴っていて復習でいっぱいになっているので、コロナのコの字も考える瞬間がなくなって、こんなんでいいのだろうか~?

でも心配不安恐怖を入れる隙間が無くなってしまったので、音楽の練習があるほうがそれで頭を占めるから精神衛生上は良いと思います。

神に感謝いたします。





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最終更新日  2020年10月29日 14時11分07秒
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