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「隠れてる時間はないの。今すぐケインの居場所へ(連れてって)」「教えるから自分で行って」「君は?」「・・・行けば殺される。向こうから来たあなたたちも。ソルが去ってから父は人を信じない。父に逆らう者は皆なぶり殺しよ」ついこないだまで寒い日が続いて、こたつもしまっていなかったというのに、ここのところ急に気温が上昇。連日のように夏日が続いている。今年は春を通り越して、いきなり夏がやって来そうな気配だ。そんな中、観る映画も毛色が変わる。うん、夏はやっぱりホラーだな。吟遊映人は、夏を先取りするべく、本作「ドゥームズデイ」を鑑賞した。B級だなどと侮ってはいけない。恐れ多くも、本場イギリスのホラー映画なのだから!スプラッター一つにしても、甘めでどこかクール(?)な残虐性を感じるというものだ。 アクションに至っては、むやみやたらなムダを無くしたエコな格闘で視聴者を安心させる。とにかく、大英帝国を背負った優雅な(?)ホラー映画なのだ。スコットランドのグラスゴーで、突如として謎のウィルスが発祥。感染者は生存できず、“死のウィルス”として恐れられた。政府は、蔓延するウィルス感染を食い止めようと、イングランドとスコットランドの間に巨大な壁を作り、壁の北側に住む人々を隔離してしまう。時を経て2035年の近未来。すでに忘れ去られていた“死のウィルス”がロンドンの街にも発祥。政府は苦渋の決断により、抗ウィルス剤を求めて壁の北側にエデンたち精鋭部隊を送り込むのであった。見どころをどこか一つに限定することの出来ない難しさ。とにかくどこもかしこも面白かった。しかしあえて言うなら女戦士エデンが、暴徒化された住民たちのリーダーらしき男に捕まり、両手を縛られ天井に吊るされたシーンであろうか。いよいよ拷問を受けるのかと、肝を冷やしつつ恐る恐る観ていた。吟遊映人は、純粋にホラー作品を借りて来たつもりであったが、これはどうやらカテゴリ初の“ピンク”(←ポ○ノとも言う)を追加せねばと思ってしまった。が、違った。拷問と言っても大したことはなく、やはりそこは紳士の国イギリスなので、甘めであった。とにかく何が言いたいのかと問われれば、このテイストは観た者にしか分からない不思議な魅力のある作品なのだ。モノはためしとの言葉もある。皆様、一度この世界観を体感してみたらいかがでしょうか?(笑)2008年(英)、2009年(日)公開【監督】ニール・マーシャル【出演】ローナ・ミトラまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2010.05.29
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「せっかく助かった命を無駄にしたくないんなら目を覚ますんだ」「どういう意味?」「聞こえなかったか?」「全部聞こえてるわよ。妹は殺された。父は3週間前に死んだ。そして次は私の番」「もういい!」普段ハードボイルド小説などはほとんど読まないため、本作の原作となった著書がこれほどまでに話題を沸騰したとは知らなかった。なんと全米で「雨の牙」が大ベストセラーとなり、それを受け、日本とオーストラリアとの共同製作が実現し、晴れて映画化されたとのこと。それにしても日本を舞台にした日本人メインの作品であるにもかかわらず、メガホンを取ったのがオーストラリア人監督であるせいか、実に異国情緒に溢れている。東京という街が日本の都市ではないような、例えばニューヨークやロサンゼルスみたいな、乾いた香りを漂わせているから不思議だ。しかしその効果はてき面で、正義と悪が混沌とした、ハードボイルドに相応しい舞台に変身している。日系アメリカ人のジョン・レインは、依頼人から仕事を請けると卒なくやり遂げる敏腕暗殺者であった。今回は、国土交通省の官僚である川村を狙っていた。仕事を終え、帰宅の途に就く川村は地下鉄に乗り込んだところ、にわかに列車内で激痛に苦しむ。なんと、ジョンがケータイを使うことで川村の体内に埋め込まれたペースメーカーを狂わせていたのだ。こうして川村を自然死に見せかけ、ジョンはその隙に川村の持っているはずのメモリースティックを奪おうとする。一方、CIAアジア支局では局長のウィリアム・ホルツァーの指揮のもと、ジョンを拘束するために血眼になって東京中を奔走する。久しぶりにお目にかかったのは、CIAのホルツァー局長の秘書役(?)として出演している清水美砂である。清水美砂は演技派として名高く、この役者さんを上手く利用すれば、あるいはCIAの存在感がもっと過激でクールに際立ったかもしれない。主役ジョン・レインを演じた椎名桔平は、その甘いマスクとは反対に、泣く子も黙る冷徹な暗殺者として登場。だがこれも監督の裁量なのか、日本人の気質を見抜いて、どこまでもクールになれない義理人情にほだされてしまう暗殺者として、どこか甘めの主人公というキャラになっている。そして何より、ヒロインを演じた長谷川京子は、実に綺麗だった。透明感のある演技で、モデルさんのような立ち居振る舞いが、陰気になりがちなサスペンスに花を添えてくれた。邦画らしからぬグローバルな作品であった。2009年公開【監督】マックス・マニックス【出演】椎名桔平、長谷川京子、柄本明また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2010.05.25
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「紗江子ちゃん、大丈夫かい?」「すみません、心配かけて」「いや、こっちこそ本当に申し訳ない・・・クリスマスに間に合わなくて」「・・・?」本作は、フジテレビ開局50周年ということで、フジが総力を挙げて製作した記念作品とのこと。本場イタリアでの海外ロケを敢行し、その風光明媚で異国情緒溢れる大作となっている。 メインに流れるテーマソングは、かのサラ・ブライトマンが“Time to say good bye”を披露し、天使の歌声を響かせる。主役は織田裕二で、フジのドラマではお馴染みになっている。「東京ラブストーリー」の完治役でブレイクし、最近では「踊る大捜査線」でも、三枚目ながら熱くエネルギッシュな主人公を好演。“平成御三家”と謳われ、吉田栄作、加勢大周とともにトレンディードラマ界ではトップの座を欲しいままにしていた。その後、他の二人はともかく、織田裕二だけは役者としての人気や名声を絶やすことなく今に至っているのだ。イタリアを観光中の矢上紗江子とその娘まどかは、美術館に来ていた。まどかがトイレに行ったきりなかなか戻らないので、紗江子はトイレまで探しに行くが、どこにもまどかは見当たらない。言葉の通じない異国で、不安と焦燥感の中、領事館へ連絡する。一方、クリスマスにローマ市ではG8が開催されようとしていた。外交官の黒田は、G8出席のためイタリアを訪問する川越外務大臣の警備に追われていた。しかし、大使館では日本人少女誘拐事件の案件も抱え、てんやわんや。そんな中、紗江子のケータイに身代金目的と思われる犯人から連絡がある。だが犯人がイタリア語を話すため、黒田が通訳をしたところ、成り行きで自分が少女の父親だと名乗ってしまうのだった。映画と言えば、話題性のあるものは大抵洋画と相場は決まっているが、「アマルフィ」を観たら、邦画もなかなかどうして負けてはいない。もちろん、映画には演出やストーリー性などが重視されなければならない一面もあるが、本作のように、思わず惹き込まれてしまうような映像美に夢中になるのも悪くない。「アマルフィ」を観ると、ああイタリアへ行ってみたい、世界遺産を堪能したい、迷わずそんな気持ちになってしまう。ジャンルとしてはサスペンス作品の部類に分けられると思うが、吟遊映人としては、ムードを楽しむ一作として捉えていただきたいのだ。本作は、それほどに全編を通して、映像美に惚れ惚れとする作品であった。2009年公開【監督】西谷弘【出演】織田裕二、天海祐希また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2010.05.17
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「あやうくハメられたぜ。俺もボケてたがバカじゃない。この株屋はスーツを着て株市場の閉じてる日曜日に経済新聞を読んでた。ヘンだがまぁいい、認めよう。警察支給のベレッタを持った強盗もいいだろう。何で気付いたと思う? ・・・彼女だ。(俺の)叔母がレストランをやってた。ウェイトレスはハイヒールを履かねぇ。足にマメができちまう。彼女がニセならすべてはウソだ。だからそのドジ野郎が俺を撃ちっこないと分かってた。中身は空砲だ」速さや高さを競い、過激な要素を多く取り入れたスポーツのことを、エクストリームスポーツと呼ぶのだそうだ。一つ間違えれば命に係わる過激なスポーツなだけに、やる側の度胸たるや、想像を絶するものがある。もちろん、本作「トリプルX」の主人公もアクションシーンにスタントマンを起用しているが、そのスタントを担当した人物が撮影中の事故で亡くなられたようで、そのアクション性と過激性は高い。「ダイ・ハード」シリーズでお馴染みのブルース・ウィリスが、不死身のヒーローとして定番になっているように、本作の主役を演じたヴィン・ディーゼルも“絶対死なないキャラ”として安心して観ることが出来る。それでも、手に汗握るアクションのおかげでドキドキハラハラ感を、十二分に堪能することが出来るのだ。ザンダー・ケイジは首の後ろにトリプルXのタトゥーがあるため、“エックス”と呼ばれている。エックスは筋金入りのワルで、法を犯すことに刺激を求め、快感を得ていた。ある時、違法ビデオゲームの撮影のため、上院議員の所有する高級車シボレーを盗み、鉄橋から川にダイブした後、自分はパラシュートで脱出するという過激ゲームをやり遂げた。アメリカ国家安全保障局のギボンズは、そんなエックスのムチャ振りを見て評価し、エージェントになることを要請する。エックスは、チェコのアナーキー99という無政府主義組織に潜入し、化学兵器の行方を追う。アクション映画の楽しいところは、サスペンスのような謎解きもなく、社会派ヒューマンドラマのように堅苦しくもなく、ただとにかく場面ごとの奇抜な展開や、心臓が口から飛び出してしまいそうなドキドキハラハラ感であろう。娯楽映画とは、正にこのアクションこそが王道で、陽気でスリリングな感覚を視聴者に提供してくれるのだ。本作「トリプルX」は、気分転換とストレス解消に持って来いの作品なのだ。2002年公開【監督】ロブ・コーエン【出演】ヴィン・ディーゼル、サミュエル・L・ジャクソンまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2010.05.13
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「スカイ・ピープルは言ってる。“欲しいものをもらう”“邪魔をするな”と。奴らに返事をしよう。風に乗って飛び立とう。他の部族を集めるのだ。“トルーク・マクトが呼んでる”と。俺と一緒に飛び立とう! 兄弟よ! 姉妹よ! スカイ・ピープルに言おう。“勝手な真似は許さない!”“この星は俺たちのものだ!”と」本作は余りにも話題になりすぎて、内容よりも“3D”という視覚効果の言葉が一人歩きしてしまったような感がある。メガホンを取ったのは、言うまでもなく、ジェームズ・キャメロン監督であるが、この人物の凄いのは常に映画を進化させている点である。映画史上最大のヒットを記録した(後に「アバター」に記録を更新される)「タイタニック」では、大勢の人々を乗せた豪華客船が、一夜にして海の底へ沈没していくというリアルには表現しにくい大掛かりなシーンを成功させたのも、記憶に新しい。あるいは「ターミネーター2」で完成された液体金属の描写。あれは衝撃的だった。ワンカットで液体金属が自在に変化し、別人になりすますという設定なのだ。それもこれも、やはりCG技術の画期的な発展に寄るものであろう。キャメロン監督は、その時代の流れを巧みに利用し、映画製作をよりリアルで完成度の高いものへと成長させたのである。西暦2154年、衛星パンドラが舞台。パンドラは密林に覆われた未開の星で、青い皮膚と長い尻尾を持つナヴィという種族が生存していた。パンドラには稀少鉱物であるオンオブタニウムが眠っており、地球人は虎視眈々と採掘することを狙っていた。人間はパンドラの大気を呼吸することが出来ない。そこで、人間とナヴィの遺伝子の組み合わせによって作り上げられたアバターという肉体にリンクし、活動するのだった。本作を観てつくづく感じたのは、やっぱりキャメロン監督は強い女性が好きなのだということである。強い女性の代名詞とも言えるのが、「エイリアン」シリーズのリプリー役を演じたシガニー・ウィーバー。今回は科学者として登場しているが、なかなかどうして、屈強な男性の皮肉めいた言動にも怖気づかない。その他、女性陣はとにかく強い。メソメソした潮らしいシーンなど皆無に等しい。「アバター」は、その話題性からもアカデミー賞は堅いとされていたが、9部門にノミネートされるも、「ハート・ロッカー」に敗れている。奇しくも、メガホンを取ったのはキャメロン監督の元妻であった。とは言え、「アバター」のおもしろさは、超現実的な世界観と、まるで我が事のように体感できる浮遊感ではなかろうか。ゴージャスで繊細な特殊効果を駆使した逸品なのだ。2009年公開【監督】ジェームズ・キャメロン【出演】サム・ワーシントン、シガニー・ウィーバーまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2010.05.05
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