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2008.03.08
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カテゴリ: 映画/戦争・史実

「何・・・?」
「せっかく整備して下さった大事なゼロ戦を壊してしまいますけど、許して下さい!」

「貴様ら、わざわざそれを言いに来たのか・・・?」
「(若き特攻隊員3名そろって)はいっ!」

戦争コードの映画は、あまりの残酷、無惨なシーンに驚愕して後味の悪さだけが残るものと、悲哀さのあまり、涙無くしては見られないものとの2パターンがあるように思える。
第二次世界大戦において敗戦国である日本が制作した映画は、それだけに哀切極まりない、死にゆく者たちの慟哭が聞えて来るような錯覚に陥ってしまうのだ。

1940年、日独伊三国軍事同盟が締結。
翌年、同盟国であるドイツのソ連に対する宣戦布告に後押しされる形で、日本軍もベトナムへ進出。

日米交渉も虚しく決裂に終わり、いよいよ太平洋戦争へと突入する。
連合艦隊司令長官である山本五十六の作戦により、真珠湾攻撃を実行。
それにより、真珠湾停泊中のアメリカ太平洋艦隊は大打撃を受ける。
日本軍の快進撃も長くは続かず、1942年、アメリカ空軍の日本本土初空襲を受ける。

この攻撃を受け、山本はアメリカ太平洋艦隊の残存部隊を全滅させる必要性を説き、ミッドウェー攻略を打ち立てる。
だが、ミッドウェー海戦において、事前に日本軍の作戦情報が完全にアメリカ軍に傍受されており、日本軍の完敗に終わる。

「連合艦隊」は、そうそうたるスタッフ、キャストによる優れた戦争映画に仕上がっている。
デジタル化の進んだ現代においては、当時の特撮技術の甘さが気になる視聴者もあるかもしれないが、研ぎ澄まされた高度な演出と無駄のない脚本、そして卓越した演技力が見事に調和し、非常に完成度の高い作品となっている。

注目すべきは連合艦隊参謀長の宇垣纏(うがき まとめ)である。
宇垣はインテリでプライドの高い、賛否両論のある人物だが、対アメリカ戦になることを当初から懸念し、一貫して三国軍事同盟に異を唱えて来た。
しかし、一たび太平洋戦争に突入すると、その手腕を発揮。

それまで宇垣を無能呼ばわりしていた山本五十六は、一転して彼に篤い信頼を寄せるというエピソードがある。
(しかし、このエピソードは作中にはない。)

映画「連合艦隊」では、宇垣を高橋幸治が好演。
冷酷非情でインテリジェンスなムードを漂わせ、ひときわ存在感があった。
作中、日本海軍の誇る戦艦が次々と撃沈されてゆくシーンがあり、BGMに「海行かば」が静かに流れる。


海行かば
水漬く屍かばね
山行かば
草生す屍かばね
大君の辺にこそ死なめ
かへり見はせじ

※日本民族の意識、精神の理解に苦しんだアメリカ軍は、この歌を持って分析、解読を労し、対日作戦を立てたとされる。

1981公開
【監督】松林宗恵
【出演】小林桂樹、丹波哲郎

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2008.03.08 06:43:24
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