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2008.06.26
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カテゴリ: 映画/TVドラマ


久しぶりに上川隆也の演技を見せてもらった。
初めて彼を目にしたのは、’95NHKドラマ「大地の子」に出演していた時だ。
その後、当時勤務していた職場の同僚が「こんなのがあるよ」と教えてくれたのが「演劇集団キャラメルボックス」の存在だ。
上川隆也はその劇団に所属している。
そして看板役者でもあるわけだ。
設立まもなかった劇団にとって、「大地の子」でブレイクした上川のおかげで観客動員数を大幅に増やすことに成功したのだから。
キャラメルボックスは、決して斬新ではないが、爽やかですっきりとした台本に定評があり、高校演劇において多くの支持を持つ。
芝居の世界では何かと前衛的で左翼的なものが好しとされる風潮の中、キャラメルボックスは思想的な思惑もなく、主にエンターテイメントとして演劇振興に力を注いでいる。

本作でも他の演技派俳優に呑まれることなく互角に対峙しており、見応えを感じた。

舞台は1995年1月。
その日関西では空前の大地震に見舞われた。
一方、とある県警察署では、警務課長の不破が失踪したということが問題になっていた。

県警最高幹部の6人が捜索の算段を練る。
ところがキャリア組で県警ナンバー2の冬木と、叩き上げのノンキャリアで刑事部長の藤巻が、現場の実権をめぐり対立する。
やがて不破についてのさまざまな人間模様が明るみになる。
金髪の若い女性と密会していたこと。
4年前の県議選や指名手配犯との関係など、徐々に点と点が線で結ばれていく。

この作品の見どころは、何と言っても警察という組織の内部事情であろう。
そして、真実と正義が真っ向から対立する心理描写だ。

人間とは、救いようがないほど欲深い生きものであることを、これでもかとばかりに見せつけてくれる作品なのだ。

2007年 WOWOWにて放送
【監督】水谷俊之
【出演】上川隆也

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。





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最終更新日  2008.06.26 07:00:36
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