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2008.07.06
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カテゴリ: 映画/パニック

「平和って、戦争の隙間に生まれると俺は思う。この国は60年もその隙間にいるんだ。俺はそれでいいと思うよ。」

この映画をどう捉えるかは各人様々だが、もしもこれに触発されて「いざ軍備強化」だと短絡的な行動に出ようとする者がいたら、「ちょっと待った」である。
原作を読んでいないため、テーマがどこにあるのかをこの映画のストーリーだけで推し量るのは難しい。
国防意識を煽っているのか、あるいは反戦映画なのか、それも捉え方しだいのような気がする。
ただ、キーワードとなるセリフが、作中いくつか散りばめられていた。
その一つが、中井貴一扮するヨンファのセリフ。
「よく見ろ、日本人。これが戦争だ。」である。
このことからもわかるように、日本が戦争のできる国家ではなく、そういう人間も備わっていないことが理解できる。

それなりに備えているわけだ。
では、何が欠落しているのか?
そこがポイントになっているような気がするのだ。

海上自衛隊イージスシステム搭載ミサイル護衛艦「いそかぜ」の副艦長である宮津2等海佐が、東京湾沖で訓練航海中に謀反を起こす。
それは、某国対日工作員のヨンファと共謀し、艦長を殺害したところから戦いの火蓋は切られた。
彼らの手には、特殊兵器グソーがあった。
その照準は首都東京に設定されていたのだ。
防衛庁情報局らが事態解決にあたるものの、最新鋭のシステムを持つ「いそかぜ」を前に、政府は成すすべもなかった。
テロリストたちから強制的に離艦を命令された乗務員たちの中に、先任伍長の仙石がいた。
仙石はいったんは艦を離れたものの、再び「いそかぜ」へ引き返し、艦を取り戻すべく勇敢に挑む。

日本がどうして戦争のできない体質になっているのか。

日本人は「国家」というものに対してどれだけの重要性を感じているだろう。
有事に、家族を見殺しにし、そして己の命を失っても国家を守る精神が備わっているだろうか。
キレイゴトではない。
「大切な人を守るため」の防衛などではない。
はっきり言ってしまおう。


そのために人質に囚われている家族や、己の命など切り捨てる潔さ。
それこそが「戦闘態勢」と言えるだろう。
この作品は戦争のできる国ではない日本の防衛能力の弱点を憂慮しながらも、それだけに平和を愛する島国民族として有事にあるべき姿を問うているのだ。

2005年公開
【監督】阪本順治
【出演】真田広之

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2008.07.06 06:40:16
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