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2008.12.17
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カテゴリ: 映画/TVドラマ

「乗り越えられなかったら?」
「乗り越える力をつけることがちゃんとした大人になるってことだよ。」

やっぱり宮部みゆきの作品はおもしろいと思う。
重厚さとか奥行とか、そんなものを現代人は大して求めていないことを知っている作家なのだ。
復讐とか怨恨とか、ギトギトした人情沙汰を好しとせず、あくまでドライで、多少の残酷さとスリリングをほど良くミックスしたミステリー小説を得意とする。
導入部は特に気を使い、読者が飽きないように次なる展開へと移行するにもわかり易い文体と、無理のないドラマ性で読者を納得させるのに成功している。
数年前に、遅ればせながら読んだ本に「火車」があるのだが、実におもしろかった。
90年代、バブル崩壊とともに社会問題となったカード会社(ローン会社)の在り方をテーマにした作品だった。


都内において、一人の男がひき逃げされる事件が発生。
しかしこの事件は、単なる交通事故ではない雲行きに見舞われる。
なぜなら被害者の妻には愛人がいて、三億円もの多額の保険金がかけられていることが判明。
愛人は有名レストランのオーナーで、たちまちマスコミによって報道合戦がくり広げられる。
限りなく黒に近い被害者の妻とその愛人ではあったが、彼らには揺るぎないアリバイがあり、捜査は難航した。

この作品の見どころ、それは“刑事の財布”“目撃者の財布”“犯人の財布”といった具合に、各人の財布を擬人化し、財布が持ち主のことを語るという表現スタイルを取っていることだ。
また、出演者たちの顔ぶれもなかなかのもので、最初から最後まで目が離せなかった。

「火曜サスペンス」や「土曜ワイド劇場」などを観て育った(?)当管理人にとっては、とても楽しい2時間ドラマを視聴した気持ちでいっぱいなのだ。

2007年WOWOWにて放送
【監督】麻生学
【原作】宮部みゆき


また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2008.12.17 06:24:49
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