吟遊映人 【創作室 Y】

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2011.08.12
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「焼いてきたの」
「よかったな。誰と行った? 誰と一緒だった?」
「一人よ」
「一人で出かけたとは信じられんな」

80年代前半は、日本もアメリカも好景気に沸いた時代だ。
当時、流行した音楽やファッションからも分かるように、軽薄で上っ面なノリが世間を横行した。
人々は陽気で明るく、ファンキーな時間が永遠に続くのだと勘違いしてしまった。
だが、80年代も半ばを過ぎてみると、感受性の強い一部の人々は、このままじゃダメだと思い始める。

正に、映画の世界では、この時代の世相が鋭く反映されることとなった。
「追いつめられて」の主人公トム・ファレルに扮したのはケヴィン・コスナーだが、このキャスティングも肯ける。
ニコラス・ケイジではなく、ケヴィン・コスナーである理由。
それは、外見からかもし出される真面目さ、朴訥さのあるなしに他ならない。
バブル期の終焉とともに、ケヴィン・コスナーが頭角を現すのだ。
代表作に「アンタッチャブル」や「ダンス・ウィズ・ウルブズ」「JFK」などがあるが、どれも一貫して正義とか誠実とかあるいは実直などのイメージがピタリとあてはまる。
正に、ケヴィン・コスナーのハマリ役であろう。
そういう路線にケヴィン・コスナーという役者さんを配置してみると、本作「追いつめられて」もまずまずの適役と言えるだろう。20110812b

海軍将校トム・ファレルは、国防長官ブライス氏の秘書であるスコットと友人関係であった。
トムは、スコットの招待で長官就任のパーティーに呼ばれる。
会場で、トムは目の覚めるような魅力的な女性・スーザンと出会う。

そんな中、スーザンの愛人であるブライス氏が、突然アパートを訪ねて来る。
慌ててトムは裏口から逃げるが、スーザンとブライスの間では押し問答になっていた。

ブライスは思わずカッとなり、スーザンに対し暴力を奮う。
そして成り行きで二階から彼女を突き落としてしまうのだった。

作品の構成として残念なのは、やはり事件につながるまでの冒頭部が、やや間延びして感じられるところだろう。

共演のジーン・ハックマンもすばらしい。
悪役ながらも、正統派としてのイメージが全面に出ていて、ケヴィン・コスナーの個性を上手く引き出しているように感じられた。
心理的緊張感にあふれるとまではいかないが、80年代にあって、真面目な(?)サスペンスという点で評価したい作品なのだ。20110812c

1987年(米)、1988年(日)公開
【監督】ロジャー・ドナルドソン
【出演】ケヴィン・コスナー、ジーン・ハックマン

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2011.08.12 10:53:50
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