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2011.10.17
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テーマ: お勧めの本(7255)
カテゴリ: オススメの本

作者のそういうストーリー・テラーとしての力を感じさせる小説だ。

舞台は長野県堀金村。
事の発端は山の散策も兼ねてきのこ狩りに出掛けた主婦が、忽然として消息を絶ったことから始まる。
その後も神隠しの仕業のように、行方不明者が続出。
調査の結果、どうやら本州の山には棲息するはずのないヒグマが、何らかの事情で棲息していることが判明。
ヒグマは肉食動物のため、人間を襲い、人肉を食い散らかす傍若無人な振る舞いを繰り返すのだった。

この小説は、山や自然を畏怖する気持ちを忘れてはならないという明確なテーマによって構成されている。
定石ながら、小説という表現形式において、これだけ理知的に委ねられた描写力は、見事なものだ。

ノンフィクションとは違い、ややオーバーなドラマ性に傾く嫌いもあるが、ホラーの要素をふんだんに含んでいる小説なので、演出や脚色によって、身の毛もよだつ大掛かりな恐怖映画に生まれ変わる可能性を感じた。

作者の早逝が惜しまれる、エンターテインメント小説だ。
20111017a

2010年12月25日発売
【著者】北林 一光
【出版社】角川書店(角川文庫)





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最終更新日  2011.10.17 08:08:25
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