吟遊映人 【創作室 Y】

吟遊映人 【創作室 Y】

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

吟遊映人

吟遊映人

カレンダー

2011.11.01
XML
カテゴリ: 映画/ヒューマン

「そのことで説明したいんだ」
「女を動物と比較?」
「それはやめたよ」
「ブログに書いてあったわ。自分の考えがそんなにすごいと思ってるわけ? ネットの記事は消せない。私のことを“クソ女”と書いた上、親がドイツ系だとかブラのサイズとか、女子のランク付けまで・・・(中略)もう嫌がらせはやめて」

さすがはデヴィッド・フィンチャー監督だ。
この作品を見終わった時、思わずうなってしまった。
気に入らないところを探しても、とうてい見つかるまい。
それほど完成度の高い作品なのだ。

それぞれに共通しているのは、全て犯罪をテーマにしているところだろうか。
今回の『ソーシャル・ネットワーク』は、誰もがお分かりのように、テンポの軽妙なところだ。
セリフが早口というのも演出だとは思うが、このテンポこそ現代的で待ったなしの慌しさを際立たせている。
さらに、視覚的な効果もねらっているのだろうが、コンピューターの画面や堅苦しいセリフの掛け合いが続いた後、にわかにボート部の練習風景が視聴者の心を癒す。
画面の右から左へとボートが横切っていく光景は、格調高く、優雅で、ストーリー上の気分転換としても成功している。

ハーバード大学2年生のマークは、ボストン大学の彼女と口論になり、ふられてしまう。
20111101c

カッとなったマークは、すぐさま学生寮に戻るなりコンピュータをハッキングして女子大生の写真や個人情報を集め、女子の格付けサイトを立ち上げてしまう。
だがその行為は4時間後に大学側から阻止されてしまった。
その後、マークの並外れたプログラミング能力に目をつけたボート部所属のセレブなウィンクルヴォス兄弟に買われ、ハーバード大学専用サイトである“ハーバードコネクション”の制作を依頼されるのだった。
この制作に協力することになったマークは、名案が浮かび、親友のエドゥアルドをCFOとして融資を受け、“ザ・フェイスブック”を立ち上げることになった。
20111101b

今や未開の土地の者でもその名は知っているという“フェイスブック”の創設者、マーク・ザッカーバーグを中心とする成功物語、ではない。犯罪物語だ。

この人物の、好感の持てるキャラのおかげで、視聴者の同情とか共鳴を一気に彼へ向けることに成功している。
場面展開といい、キャラクター設定といい、正に計算しつくされた映画なのだ。
20111101d

2010年(米)、2011年(日)公開
【監督】デヴィッド・フィンチャー 【出演】ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.11.01 08:19:21
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: