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2011.12.25
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カテゴリ: 映画/戦争・史実

「奴らのやり方よ。子どもを育てられないように、母親である女の乳房をえぐり取るの・・・本当にひどい奴ら!」
「・・・ドク、モルヒネを・・・」

こういう作品についてあれこれ言うのはとても勇気がいることなので、歯切れの悪い物言いを、先に詫びておくことにする。
内容は、南アにおける民族紛争のもとでの米海軍の、勇気ある人命救出活動のドラマである。
舞台となるのはナイジェリアで、作中ではフラニ族というのが徹底的な悪役となっている。
そのフラニ族がキリスト教系のイボ族を大量虐殺し、嫌がらせ、見せしめ的な暴力、殺人、強かんを犯すというどうしようもない惨たらしい部族として描かれている。
気になったのは、一方的に被害を受けたらしいイボ族なのだが、どうやらキリスト教系でアメリカ寄りなムードが漂っている。
このようなストーリーが構築されたのは、おそらく世界に、限りなく似た事例があってのことで、そこで活躍する米海軍を礼賛し、激励の意味も込められているかもしれない。

それに気付かないで、作品が発するプロパガンダに踊らされてしまうと、非常に危険なのだ。

民族問題を抱えるナイジェリアでは、フラニ族がイボ族を大量虐殺することによって、政権を掌握しようとしていた。
反米で、しかも反キリスト教系のフラニ族との対立が激化する中、アメリカ海軍特殊部隊SEALのウォーターズ大尉率いるチームに命令が下る。
それは、アメリカ国籍を持つ女性医師であるリーナ・ケンドリックスの救出であった。

ウォーターズは7人の部下を連れ、内戦下にあるナイジェリアの村に到着する。
そこには傷ついた村人たちが収容される教会があった。
ほとんどの患者が虫の息で横たわり、リーナは必死で治療に専念しているのだった。
20111225b

アントワーン・フークァ監督は黒人の監督で、代表作に『トレーニング・デイ』や『クロッシング』などがあり、社会派サスペンスを得意とする傾向があるようだ。
主人公のウォーターズ大尉に扮したブルース・ウィリスも、『ダイ・ハード』シリーズで培ったタフ・ガイのイメージで、過酷な環境をものともせず潜り抜けていく軍人役を見事に演じていた。
ラストは、アメリカ海兵隊の見事な連携プレーと、誇り高きアメリカ人と、そしてキリスト教の神を信じたくなる出来映えだ。
・・・とはいえ、『ティアーズ・オブ・ザ・サン』は、おそらく賛否両論わかれそうな作品ではある。


【監督】アントワーン・フークァ
【出演】ブルース・ウィリス、モニカ・ベルッチ

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2011.12.25 08:25:24
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