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2013.07.14
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【続・男はつらいよ】
20130714

「人生相見ズ動モスレバ参ト商ノ如シ。今夕マタ何ノ夕ベコノ灯燭ノ光ヲ共ニス。寅、分かるか? この意味が」
「ダメだよ先生。俺ぁ英語はぜんぜんダメだよ」
「バカだなぁお前は。これは英語ではない、漢詩だ」


一作目もおもしろかったが、この二作目もおもしろいのなんのって!
この作品で寅さんの産みの親が登場するのだが、さすがは寅次郎を産んだ母親のことだけはある。寅さんに負けじ劣らじの軽妙な喋りっぷり。
この寅次郎の母・菊役に扮したのは、ミヤコ蝶々である。ミヤコ蝶々という人は、実におもしろいキャリアの持ち主で、生まれは東京チャキチャキの江戸っ子でありながら、幼少期に大阪に引っ越して喜劇人となるのだ。関西を代表する芸人でもあるため、いまだ根強い人気を誇る。

二作目は見どころが盛りだくさんで、寅さんの葛飾商業学校時代の恩師とのやりとりも一興である。
この恩師・坪内先生役に扮するのは、東野英治郎だ。この役者さんは皆さんご存知のとおり、『水戸黄門』における初代・水戸光圀役のベテラン俳優。頑固だけど人情に篤く義理堅いキャラクターは、東野英治郎の持ち味にピッタリだ。
勉強のできない寅次郎だったが、純粋で飾り気のない性格を好しとし、どこまでも寅次郎を可愛がるところなど、何となく微笑ましい。
また、この恩師が亡くなる場面に遭遇する寅次郎の、純粋さゆえに滑稽な演出というのもお見事。渥美清のリアリティー溢れる豊かな表情に脱帽だ。

話はこうだ。
久しぶりに柴又に帰郷した寅さんだが、珍しくお茶一杯で懐かしいだんご屋を後にした。


玄関先での挨拶だけのつもりが、先生の一人娘・夏子に一目惚れ。
ついつい長居してしまうはめに。
その後、すったもんだあって、寅さんは再び柴又のおいちゃんおばちゃんのところで大ゲンカをし、逃げるように京都へ出向く。
京都では噂に聞いていた母親の消息を知りたいと、仲間に頼んでいたのだが、なかなか会う決心がつかないでいた。
そんな中、また偶然にも坪内先生とその娘・夏子が観光で京都に来ており、ばったり再開を果たす。
寅さんは何気なく赤子のころ生き別れた母親の話をすると、坪内先生は「ぜひとも捜し出して、母親と会うように」とアドバイスをする。
また、夏子も「いっしょに捜してあげる」と、寅さんと二人で母親・菊の居場所を捜索するのだった。

二作目のマドンナ役は、佐藤オリエだ。
親切で世話好きでしっかりとした性格の女性像は、フーテンの寅さんにとってあこがれの的であろう。思わず一目惚れしてしまう衝動がよく伝わって来るストーリー展開となっている。
この二作目の成功によって、いよいよ『男はつらいよ』はシリーズ化していくのだ。
見ごたえ充分の、人情喜劇である。


【監督】山田洋次
【出演】渥美清、倍賞千恵子、佐藤オリエ、東野英治郎

寅さんシリーズ『男はつらいよ』
20130707
コチラ


20130124aisatsu





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最終更新日  2013.07.14 06:04:35
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