吟遊映人 【創作室 Y】

吟遊映人 【創作室 Y】

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

吟遊映人

吟遊映人

カレンダー

2013.11.22
XML
テーマ: コラム紹介(119)
カテゴリ: コラム紹介
20131122

【福井新聞 越山若水】

戦前戦後の少年たちが「赤バットの川上」とあこがれ、その大打者ぶりから「打撃の神様」と尊敬されたプロ野球元巨人の川上哲治さんが先月93歳で亡くなった。

数々の名セリフの中で最も有名なのは「球が止まって見える」だろう。投手の投げたボールが目の前でピタリと止まる。だからいとも簡単に打ち返せたという。

そんなことが本当にあるのか、誰もが首をひねる。しかし不可能ではないらしい。中国文学者、高島俊男さんの「お言葉ですが…第11巻」(連合出版)で教わった。

科学者の寺田寅彦は「空中殺人法」という文章で、練習次第で1秒の時間をうんと長くできると書いている。現に、かつての水上武術で達人ともなると、船から水面に落ちる間に敵を仕留めたそうだ。

自身も同じ経験をしたという。天文観測を始めたころは、望遠鏡の星はすぐに視界から消えて行った。しかし慣れるに従って星が段々ゆっくり見えて来たと寺田は述懐する。

高島さんは、ゾウとネズミの寿命の長短について実は双方の時計が違うだけという説を紹介。動物と同じく人によって1秒の長さも異なると推理する。

本人が慣れていることを他人がやると「ひどくのろく見える」のは、自分の1秒が他人の3秒に匹敵するからだと納得する。「球が止まって見える」かどうかはともかく、何事も習練が大切なのは間違いなさそうだ。
(11月20日)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

真理が説かれた。
大上段でなく、サラッと書かれたことが有り難い。

『本人が慣れていることを他人がやると「ひどくのろく見える」のは、自分の1秒が他人の3秒に匹敵するからだ』

年齢を積み重ねるほどにこなれて傾聴する姿勢も(多少は)身についた。そうなると周りは真理の山だと理解した。
1秒の違いの所以は

『双方の時計が違うだけ』

たったそれだけの事である。
その真理がわからずに、目くじらを立て文句を言いまくってきたわけだ。


それはそれとして、テレビで加治屋さんの作業を見た。コラム氏の言う『習練』であり、その世界では『鍛錬』という。
余談に曰く、鉄は熱いうちに打て。またまた曰く、ヤキを入れる。
徳薄重垢の身が最近学んだことがある。

『久修業所得』

偈(経典)の一言にこうある。
書き下し文はこうだ。

そして和訳はこうだ。
『過去に行をおこなって獲得したのである。』
※中村元先生による。

仏様とはいえ行を積まれた。いわんや凡夫をや、と言うことなのである。
コラム氏はいみじくも結べり。

何事も習練が大切 なのは間違いなさそうだ。』

人を見て一喜一憂するのは虚しい。そして人との比較は不毛だ。自分がどうなのか、ただそれのみを考えていたい。
自分は努力を惜しむことはなかったか、繰り返しそれを問いながら進んでいこう。

20130124aisatsu





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.11.22 06:04:13
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: