吟遊映人 【創作室 Y】

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2013.12.03
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カテゴリ: 名句と遊ぶ
20121214

なんぼう考へても

おんなじことの

落葉ふみあるく



        山頭火

ところによっては、すでに落葉の上に雪が覆う時季になった。
山頭火の句を味わうにはもってこいの季節ではあるが、しみじみ読むと初冬の風情も相まって、山頭火の孤独を感じ、何ともいえないさみしい気分になる。
私は声をかけずにはいられない。

山頭火よ、よくぞそのさみしさに耐えてなさる。

山頭火は、酒の失態による自己嫌悪と孤独のさみしさを、句を持って吐露する。
若い頃は、そういう山頭火を女々しく思い軽蔑していた。
でも私も年を重ねるうちに、年年歳歳、山頭火のさみしさを理解できるまでになったようだ。

飲まずにはいられない。

苦渋の酒と苦衷の心情、山頭火の句はそこから生まれるのだ。
そして山頭火は、すべてをそのままに受け容れ、生きていく。

山頭火のさみしさを理解できるようになって、もうひとつわかったことがある。

山頭火は、どんなにさみしくても最後には人を拒むのだ。
己のすべてを受け容れても、人は受け容れられないのである。
拒んでさみしく、拒んでまたさみしく、それが山頭火の選んだ人生である。

枯れたすすきに

日の照れば

誰か来さうな


もう一句。

誰か来さうな

雪がちらほら


山頭火の無限のさみしさが見えてくる。
「誰か来そうな」
そう願いながら、それでも独りゆく山頭火なのである。さみしいなぁ・・・

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.12.03 08:06:45
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